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2019年5月の記事一覧
言語は機能と形態で語れるだろうか 町田健『言語が生まれるとき・死ぬとき』
町田健『言語が生まれるとき・死ぬとき』(大修館書店、2001年)
言語が生まれてから死ぬまでのプロセス、そして言語が存在している間にとる構造について、啓蒙的にまとめた本。
言語の誕生だけでなく、死滅まで視野に入れたところがユニークだ。
いくつかメモしておきたい。
■言語は「死」を運命づけられているか?
生きている言語は、社会の変化に応じて変化する。変化しない言語は役に立たなくなり、使う人
KKKに65万ドル オハイオ州の集会
2019年5月29日、米国オハイオ州の町デイトンで、過激な黒人排撃結社として知られる the Ku klux Klan (KKK) が集会を開いた。
会場周辺には、これに抗議する 600人ほどの市民が集まったが、KKK の側で集まったのは 9人 だけ。
衝突などはなかったが、市当局によると、この集会に備えた警備の人員や用具などに、65万ドルもかかった。
http://time.com/55
自分の身体を英語の楽器にして練習すればいい
外国語は、自分の身体を楽器にして演奏することに似ている。
外国語を演奏するには、自分の身体を外国語(たとえば英語)の楽器に仕立てる必要がある。
楽器(個人ごとの身体)によって、音質は異なる。
楽器は構造がシンプルだ。シンプルだからこそ熟達できるし、達人も生まれる。
楽器の構造がわかったら、あとは楽典 musical grammar (音符の意味など。英文法にあたる)を学んで、楽譜(じっさい
どうしたら英語が英語のままわかるだろう
人間の認識力・表現力をガイドするルールを「概念」という。
それぞれの概念は、それぞれの表現態(音声・文字)と結びついている。概念を日本語の表現態で表せば日本語になるし、英語の表現態で表せば英語になる。
このことを説明するために、たとえ話をしたい。
ひとつの無色透明な玉(概念)があるとする。
この玉に入っているもの(内容)が、たとえば「5」という概念だとする。日本語がわかる人向けなら、玉の表
またコロラドで銃乱射事件 「私たちはこんなものではない」 は "This does not define us."
先日、また米コロラド州の学校で銃乱射事件があった。
犯罪者の行状は、似た心理状態の他者に伝播することがある。
イスラム圏のテロ集団が世界の若者をひきつけるのもそうだ。地理的に近いところでは、コロラドのように、似た事件が起こる可能性がいっそう高くなるのだろう。
かつて自分の息子を乱射事件で殺された下院議員(コロラド州選出)が、インタビューに答えた記事があった。
この議員の奥さんは、「子供さん
大学受験の英単語帳『鉄壁』をのぞきこんでみた
大学受験の英語といえば、有名な英単語帳がある。
『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』KADOKAWA、2009年
通称「鉄壁」。600頁を越える分厚い本で、帯には「累計30万部突破」と書いてある。
「はじめに」の部分で、 9頁 にわたってこの本のねらいが説明してある。読んでため息がでた。600頁の一部を読んでみたが、やはりため息がでた。
この本を批判するつもりはない。他の英単語帳も大同小異だろ
"I" "you" は現実の 「私」 「あなた」ではない
日本語や韓国語には、話し手自身(自己)を表す語がいくつかあるが、西洋語では、話し手自身を表す臨体(代名詞)はひとつだけのことが多いようだ。
たとえば英語なら、話し手自身を表す臨体は ”I” という形しか残っていない。つまり、話し手はいつでも自己を ”I” と表現する。だが、日本語では「俺」「私」「僕」「私ども」などと、聞き手との関係で言い分ける必要がある。
聞き手についても、英語なら誰に対して