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【長編コラム③】ディエゴ・マラドーナに学ぶ・ブランディングする上でコンテンツを最大限活用する方法

みなさん、こんにちは。
株式会社Liberty 代表取締役の三上結香(みかみゆか)です。

さて、「ディエゴ・マラドーナ『世界史上最高』のタイトルを通してチームビルディングについて考える」というテーマで本日は3日目。

昨日はセルフブランディングをする上で、「タイトル」を獲得することが重要だとお伝えしましたが、今日はその「タイトルの活かし方」について学べたらと思います。

べンチャーの立ち上げにおいて重要なのは、1つでも実績を作ったなら、それを10倍、100倍、10,000倍にするくらいの気概で、最大限に活用することです。

マラドーナは前回の記事にも書いたように、タイトルを獲得した後、「神」と崇められ、アルゼンチンやサッカー業界のまさに象徴となるような存在になりました。しかし、それはマラドーナ自身の実績だけでなく、それを後押しした人たちがいたからこそだと思います。

今日はマラドーナという「広告塔」を手に入れて、最大限活用したアルゼンチンを例にとって、どれほど活用しているのかを紹介できればと思います。


※それぞれの写真をクリックすると、元のニュースに飛びます。
※また、現地の新聞、Clarinが訃報に対しての各地での反応をまとめているので、こちらのニュースも参考までに載せておきます。

1、街の至る所にペインティングや銅像を

まず最初に、アルゼンチンでは街を歩くと、ビルや家の壁など、観光地のみならず至る所にペインティングがあることが印象的でした。
誰を描いているのかわからないものもあれば、マラドーナのように明確にわかるもの、国家の問題である「Desaparecidos(消えた人々と言われる失踪事件)」ついての壁画などもあります。

今回、マラドーナの訃報を受けて現地ニュースで取り上げられていたのは、彼が生まれた故郷であるビジャ・フィオリート(Villa Fiorito)。さっそく、マラドーナの育った家にペイントされていました。

Villa(ビジャ)は「村」とも訳せますが、アルゼンチンではスラムという意味もあります。ニュースでは、タクシーがこの地に行くのを嫌がるという話も出ていました。

これも余談ですが、映画にも出てくるように、アルゼンチンは首都のBuenos Airesメトロポリスの一歩外に出ると、例えBuenos Aires州だとしても未だに道路が舗装されていなかったり、生活に困窮している人たちが多くいます。

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ちなみに壁画にある「La Casa de D10S」というのは「神の家」という意味で、Diosは神という単語なのですが、マラドーナの背番号10を入れ込んで「D10S」と表現するすることで敬意を示しています。Twitterのハッシュタグも「#D10S」と書かれていますね。

他にも、La Bocaにはすでにマラドーナの銅像が多数あることはその①でもお伝えしましたが、アルゼンチンの国際空港であるエセイサ空港にも銅像が立つそうです。アルゼンチンを行き来するすべての人に彼の功績を見て頂きたい、という思いからだそう。

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おそらく、今まで以上にマラドーナのペインティングや銅像が溢れかえるだろうことは容易に想定できるので、次にアルゼンチンに行くときが楽しみですね。

2、タトゥーに入れたり、ユニフォームや写真を飾りまくる

アルゼンチンでの気付きは、自分が尊敬している人や大事な人、信念や思い入れなどを常に身の回りに置いておく人が多いということです。

私のホストファミリーはキリスト教で、車のミラーには十字架がぶら下がっていましたし、家の廊下にも肖像画が飾ってありました。
友人のほとんどはタトゥーを入れていて、中には漢字がカッコいいから彫りたいと言って、お店に持っていくために紙に書くようお願いされることもありました(笑)。

映画では、イタリアでもアルゼンチンでも、マラドーナの写真を家に貼っていたり、マリア様に抱えられているマラドーナの絵が描かれたり、ともはやインテリアというか、人々の普段の生活の一部にマラドーナがいる様子が描かれていました。

ニュースを見ていると、英雄であるマラドーナは、タトゥーにも入れられることが多いようです。体に彫るのは相当ですよね。

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3、道路や公園、空港やスタジアムの名前を変える

さらに、アルゼンチンでは地図を見ていると「よく見る名前」があります。これは余談ですが、Buenos Airesは道路が碁盤の目のようになっているので、交差する道路名を伝えるだけで簡単にいる位置がわかります。タクシーもColectivoも徒歩でもなんでも便利。日本ではどうやって新しい街を覚えてたっけ?なんて思うこともしばしばありました。

その道路の名前が面白くて、歴史上の人物や英雄の名前、独立記念日をはじめとする記念日など、道や公園の名前を見れば何が大事なのかがよくわかります。

San Martín/Túcuman/Belgrano/Hipólito Yrigoyen/9 de julio/3 de febrero...

マラドーナももちろん、道の名前になっていました。しかも「1960-♾」と永遠に英雄であることもこれだけでも伝わりますね。

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マラドーナが所属していたイタリアのナポリは、スタジアムの名前も「Diego Armando Maradona」に変えたそうです。
ナポリでも圧倒的な功績を残しているので、当然かもしれません。

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4、国民の祝日にする

アルゼンチン留学中に驚いたことの1つは、サッカーの試合でアルゼンチンが勝った翌日は大学が休講になり、クラブで盛大にパーティーが行われたことでした。

当時、なぜ休講になったのかわからず、ホストファミリーが今日は休みだと思うよ、と言っている意味がわからず戸惑ったのを今でも覚えています。
現地では、W杯レベルの試合に勝った翌日は休みになるのが当たり前だったのです。

アルゼンチンの祝日には、先述したようなSan Martín将軍を讃えるための祝日がすでにあるので、もしかしたらマラドーナの命日や、メキシコW杯で優勝した日にちはマラドーナの日として祝日になる、なんてこともあるのではないかと思ってしまいます。

すでに、マラドーナの訃報に対してアルゼンチンは国全体で3日間喪に服しており、Casa Rosada(カサ・ロサーダ)と呼ばれる大統領府にはたくさんの人が押しかけているようなので、「永遠に(Diego Eterno)」敬意を表して、その可能性は大いにあるかもしれませんね。

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まとめ

以上のように簡単にまとめてみましたが、本当に私がすごいなと思ったことは、元々アルゼンチンについて全く知らなくても、ただ街を歩いているだけで、一体誰が英雄なのかが一目瞭然でわかった、ということでした。

冒頭に述べた通り、何か1つでも実績を作ったらそれを最大限活かすことは大事です。しかし、ここまで徹底的に活かしているのは本当にすごいですね。

私も組織の文化を作ったり、ブランディングをしていく上で徹底的に活かすことを教わってきたので、まさにアルゼンチンが国をあげてそれを実践していることが、マラドーナがこれほどまでに「象徴」「広告塔」として機能している理由だと思います。

私もこれくらい徹底的に大事なことを大事だと伝え続けようと思います。
いつも最後までお読みいただきありがとうございます!

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