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アフターコロナを振り返る (マスク編)

全世界的な新型コロナ(COVID-19)が流行して、早5年。
あの日、私達は来る日も来る日も必死に流行を止めるため、全面的な都市封鎖や飲食店など中小零細事業主の救済措置を取っていました。

想像を絶する感染者数を出し、アフリカを中心として拡大が続いたことで、死者数は2022年には世界で100万人に達しました。治療薬やワクチンの開発が進み、現在では新規の感染者数は数える程度になりましたが、天然痘のように根絶とは至っていません。

同時に、新型コロナの流行は新たなカルチャーの震源として、急速なIT化や宗教変革など様々な観点で影響をもたらしました。

そこで、節目の5年が経とうとしている今、今回は「マスク」にフォーカスして現在までの軌跡を振り返ってみようと思います。

【2021年】感染予防が続く世界

中国を端に発した新型コロナ(COVID-19)の拡大は2020年の春先には全世界に影響を及ぼし、前代未聞の都市封鎖措置が取られました。ロックダウンやソーシャルディスタンス、クラスターなど横文字が多数報道でも日々活用されたことを懐かしむ方もいるのではないでしょうか。

その中で、全世界の人々が間違いなく一度はつけたアイテムが「マスク」でした。日本では花粉症や化粧をしない女性がマスクをつけることは当たり前でしたが、世界的には医療現場でしかほぼ使われていなかったマスクが、品切れ、高騰という異常事態になりました。

トヨタ、ホンダなど名だたる企業もマスク生産に乗り出し、危機を乗り越えるため必死だった2020年春先から1年経過しても、第2波、第3波の影響でマスクをつけながら仕事に向かう人々で溢れていました。

世界的にマスク市場規模も元々上昇傾向にありましたが、新型コロナ(COVID-19)の特需で突発的に国内の市場規模は700億円を超え、当時の「中華まん程度」の市場規模に成長しました。

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参照) https://media.ohmae.ac.jp/archive/20200203_watch_mask/

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参照) https://www.grandviewresearch.com/industry-analysis/disposable-face-masks-market

【2023年】ファッション業界への参入

流行から3年が経った2023年には、世界的な流行もほぼほぼ落ち着き、世界中でマスクをつけて生活をする光景は見られなくなりました。アフターコロナの時代です。

一方、ファッション業界にマスクが参入したのも記憶に新しいかと思います。元々流行中の2020年春先からもファッションアイテムとしてのマスクが注目され始めていましたが、2023年に流行が爆発し、世界中に「マスカー」と呼ばれる人々が現れました。

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参照) https://senken.co.jp/posts/sreu-200319

スタイリッシュなマスクファッションはパリコレでも頻繁に発表されるようになり、斬新なマスクが次々と発表されました。2023年はクールでエレガントなマスクが注目を浴び、ハリウッドスターを中心として大ブレイク。ファッションマスクの専門ブランドも多数誕生しました。

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参照) https://news.yahoo.co.jp/articles/aab7de12b094c1878c506f4e278dd44e8474bacc

【2025年】アート、芸術としての確立

2025年、ファッションとして定着をしているマスク。すでに生活の中に当たり前に存在するアイテムとなり、次の発展が始まっています。

「アート」としての確立です。

マスク型の入れ墨、ペット用マスク、マスク型の水着など、人間の口元にただつけるだけではない様々な試みがアーティストによって行われ、一風変わったコンテンポラリーなマスクが芸術として認められています。

マスクは今、人の顔を隠すものでもなく、感染症を防ぐものでもありません。人の個性を引き出すアイテムとしてのマスクになったのです。マスクをすることで考えを隠すのではなく、マスクをすることで考えをアピールする、そんな日常を疑う人はいません。

すべての事象は連続する

新型コロナ(COVID-19)が与えた世界への影響は甚大で、ペストや天然痘に加えて歴史書に名を連ねるウイルスとなりました。様々な人々が自由にアイデアを発想し、世の中に自由に発表ができるようになった現代だからこそ、マスク市場も急速に発展しました。

マスクに限らず、事象は新しく生まれません。
すべての事象は連続しています。
すべては歴史を紐解くことで見えてくるのです。

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