アーカイブズとICA CONGRESS 2016
◆International Council on Archives Congress 2016◆
博士後期課程1年の文系大学院生が
2016年9月5-10日に韓国で開催されたICA総会に参加してきたので(※発表者ではなく聴衆として)報告をしたい
人生初の国際大会!
◇ICAとは?
International Council on Archives
日本語では「国際公文書館会議」と呼ばれることが多い。
ただしArchivesには公文書以外も含まれており
正確な訳ではないとも言われるから、
結果ICAって呼んだ方が無難というところ。
個人的には韓国語の訳を参考にした、
「世界記録管理協議会」が近いと思っている。
▼ICAについて真面目にちゃんと書くと こう
『ICAは、世界中の記録管理の専門家とともに、記録の効果的な管理、世界の記録遺産の保存、修復、利用に供する。アーカイブズは素晴らしい財産である。人間の活動を通して生じた文書記録という形の副産物で、過去の出来事の代替不可能な証拠物であり、民主主義や、個人やコミュニティのアイデンティティー、人の権利を支えるものとなる。ところが、その一方で脆く傷つきやすいものでもある。
ICAでは、国際標準を制定し、専門性を高め、アーキビストと政策担当者、記録生産者、および利用者間の対話を可能にすることで、アーカイブズの保護と開かれた利用を実現するために努力している。』
(http://www.ica.org/en/international-council-archives-0) ※一部を私が訳したもの
◇Archivesとは?
そもそもArchivesって何なのっていう話だが、
①文書、記録を保存する機関
②保存される記録、情報、文書
つまり保存する箱と中身を両方指す。
日本語でどちらも包括する概念はないから、
結果(これも)そのまま「アーカイブズ」と。
「アーカイブ」「アーカイブス」という言葉も使われるが、
英語だと通例-sがつき、その発音には「アーカイブズ」の方が対応している。
近年流行りの「デジタルアーカイブ」は日本語の造語で、この辺にくるともはや混乱し始める( ̄ー ̄)
あいにく「デジタルアーカイブ」はアーカイブズのデジタル化を指すといった単純な話ではなく、ここではその説明は割愛する。
ともかく今は「アーカイブズ」だけ覚えてこ。
なんで日本人にとってアーカイブズがイメージしづらいのかというと、記録を将来に残していこうという意識が低いからという見方が濃厚。
「水に流す」ような言葉もあるくらいだし。
過去・現在の記録を管理し未来に繋ぐ役割を担うのが、アーキビストと呼ばれる専門家。
日本ではアーキビストの認知度は限りなく低い。ある種の他の職業についても言えることだけど、重要な仕事であるにもかかわらず日本ではなんで専門性を尊ばないんだろうか。
海外のアーキビストはエリートだったりするのに。
------やっと本題------
ICAは4年に1度、大規模な世界大会であるICACongressを開催しており、
第18回目となる今年は韓国、ソウルのCoexで実施された。
この大会、参加費が最大で830ユーロ。
私は、学生で事前登録したので250ユーロ(約31,000円)で済んだ。
いや安くない。決して安くはない。だから報告くらい残したい。
(学校の海外研修助成金の審査に落ちたせいで、今回全費用自腹を切った。早くお金をもらって勉強できるようになりたい☆)
今年の全体テーマは「アーカイブズ、調和、友情:グローバル社会における文化的感受性、正義、連携の確保」である。
ICACongressは、
(1)ガバナンス会合(年次総会等)
(2)国立公文書館長フォーラム
(3)専門家プログラムの三部から成り
専門家プログラムは誰でも参加可能。
具体的にはワークショップ、基調講演、分科会、展示などがある。
こちらがICACongress2016のプロモーションビデオである。
そして、こちらが大会のハイライトである。
公式の映像に頼って自分で説明をしないあたり手抜きの感しかないが、
雰囲気は効果的に伝わったはず。
というか、なんだか思ったより長くなりそうなので私が実際に見たものは次回レポートをしようかなと。
AY
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