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【俳句】雑十六句

俳句

ない道を案内されて朧月

轢きかけた猫と目が合う星月夜

急カーブ枯れた紅葉に襲われる

小綺麗な女の食らふいなごかな

ひとんちの湯の匂いしてクリスマス

雪原に血だまりのやうな手袋

春疾風 同窓会の紙きた

花筏 わたしもとおくへいきたい

サイドカー夏風邪をひくように呑む

しまわれることのなかった風鈴よ


(おそらく)季語のない俳句

火葬場のけむり追いつつ嬢を待つ

耐えかねて展翅台から飛び降りる

金色のひかりは死んでゆくひかり

スタッフの無線置き場がふいに鳴る

雨上がり精米所の匂いがする

人肌で溶かしておりぬ老女の手


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