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2022年9月の記事一覧

今日は目が回るほど忙しかったのだろうか?

今日は目が回るほど忙しかったのだろうか?

今日は目が回るほど忙しかった。

と思ったけれど、実際に忙しかったのだろうか?



午前中にかけた電話が成約し、今月分の目標に達成した。それはたしか11時過ぎだった。そこで肩の荷がガクッと降りて、午前中はもういいやということになった。

昼休憩に入ると課長がカツカレーを食べたいと言い出して、昼の買い出しは弁当屋とカレー屋のハシゴだった。そのカツ屋はテイクアウトに15分ほど時間を要するので、すこ

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煙(エッセイ)

煙(エッセイ)

西荻窪駅の構内が煙くさかった。駅前に停まったキッチンカーの煙が、風向きによって構内へと入り込んでくることがあった。煙には匂いがついていて、誰も火事だと騒がない。昨日も改札前が煙たくて、キッチンカーはてっきり焼き鳥屋なのだと思っていたら、手羽先屋だった。あれはどこの煙だったのだろうか。

仕事帰りにジムに行った。このところジム通いに疎くなっていた。先週末も勉強だなんだと言ってサボった。言葉を並べれば

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国葬の日(エッセイ)

国葬の日(エッセイ)

職場は飯田橋と九段下の中間にある。昨日は国葬で、働いていたら騒音がした。ヘリコプターのプロペラ音が何回も聞こえた。警察の拡声器の怒号も多かった。九段下の方面からは「国葬!」「反対!」という合唱が聞こえた。中心核の誰かが「国葬!」と音頭を取ると、周縁の者達が「反対!」と応える仕組みのようだった。ここ数ヶ月でにわかに立ち上がった"国葬反対派"の中にも立場の上下があるというのは、複雑な気持ちだった。

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サウナ(エッセイ)

サウナ(エッセイ)

ここ最近は慢性的にパニックで、鬱っぽくなることも多い。ToDoリストを付けるようになった。「しないこと」を確定させるために、文字に起こしてみることにした。このところは、どん詰まりの仕事に精神を消耗させられている。朝の通勤電車は混んでいて、腹の出たサラリーマンばかりだった。



昨日はサウナに行った。西荻窪に今年新しいサウナが出来たのだが、あまり気に入っていない。私がサウナ通いを始めたのは錦糸町

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後輩に会う(エッセイ)

後輩に会う(エッセイ)

土曜日、Sという後輩に会った。Sは会社の後輩で、私が教育係を務めた新人だった。退社後に会うのは初めてだった。彼女は仕事が適わず半年ほどで退社した。私はSの退社後を知らなかった。

千葉駅で待ち合わせをし、駅前のジョナサンに入った。Sと私は、ともに酷い偏食という点で共通している。店内はガランと広く、私たちは窓際の席になんとなく座った。私は空腹だったのでハンバーグセットを彼女はチョコレートのパフェを注

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副業の魔法(エッセイ)

副業の魔法(エッセイ)

今日は気まぐれで手書きで書いてみました。修正できるようにシャープペンで描き始めましたが、途中で消しゴムがないことに気づきました。iPhoneの影が入ってしまっているのはご愛嬌です。

丁寧に人間関係を均していけば、帰れる場所は増えていく(エッセイ)

丁寧に人間関係を均していけば、帰れる場所は増えていく(エッセイ)

昨日は本当に群馬まで行ってきた。東京→群馬→千葉という旅程を一日でこなしてきた。朝9:30に錦糸町駅で待ち合わせ、父親の運転する自動車で群馬に発った。じりじりとした渋滞に巻き込まれ、桐生に着いたのは12:30頃だった。そこから親戚と食事をし、祖父の友人が催す個展をに顔を出した。用事を終えて車で千葉の実家に向けて出発したときには15:00を回っていた。帰りも往路ほどではないけれど渋滞に足止めされ、帰

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わからないものの為に(エッセイ)

わからないものの為に(エッセイ)

今日はこれから群馬に行く予定だ。お盆の帰省が延びたので3連休で実家に帰ろうと連絡したところ、ちょうど今日は両親が群馬に行く予定があるとのことで、便乗させてもらうことになったのだ。母方の祖父の家が桐生にあり、生前は毎年訪れていたが、中三で亡くなってからめっきり行かなくなっていた。

実家の千葉から桐生へは車で向かうため、錦糸町駅で拾ってもらう計画になった。そして私は今、待ち合わせに遅刻している。昨年

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スランプの朝、眠気の仕事終わり(エッセイ)

スランプの朝、眠気の仕事終わり(エッセイ)

ああ、スランプだ。完全にスランプだ。スランプって美味しいの?全然美味しくない。うげっ。筆が進まない。白紙のメモ帳を睨みつづけている。

先週、自分でも上手く書けたと思う日があった。内容は簡素でまとまりがあって、反響もよかった。筆力も上がってきたのかと若干自信にもなった。

しかしその日から、自分の中に高いハードルができてしまった。何を書いてもつまらなく感じてしまう。「コレ、オモシロイノ?」という囁

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人間と歴史(エッセイ)

人間と歴史(エッセイ)

美術検定の勉強を始めた。今年は2級を受験する予定だ。検定は4級からあって、4・3・2級はそれぞれ入門・基礎・応用という扱いらしい。2級ではマイナーな分野や時代が扱われる。メジャーな分野・時代は3級で出題される。

文字で書くとなんてことない切り分けなのだけれど、2級の問題集には違和感がある。ルネサンスや印象派のような花形の時代はサラッと流されて、重箱の隅をつつくような作家名や時代ばかりが問われる。

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侍だったら(エッセイ)

侍だったら(エッセイ)

今日は関東が台風の圏内にあったので、折り畳みではなく長い傘を持って歩いた。幸運にも雨に降られず、傘を差すことなく会社に到着した。ビニール傘は使用されることなく、邪魔な手荷物と化していた。戦乱のない時代の侍だったら、帯刀しながら「邪魔やな」とか「重いなコレ」とか思っていたに違いない。雨の日に傘を差すという行為は、ひどく古典的な営みに思えた。



金髪だった新人が、髪を染めてきた。背中まであった髪

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絵画と"絵画以外"(エッセイ)

絵画と"絵画以外"(エッセイ)

スプラトゥーン3というゲームが流行っているらしく、広告をよく見かける。どうやら、3D空間でインクを噴射して陣地を取り合うゲームらしい。インクを撒き散らし合う広告映像を見れば、ポロックのアクションペインティングを想起せずにはいられない。「スプラトゥーンは絵画なのか?」という論考があってもおかしくはない。



先日竹橋で見たリヒター展で、複数の方法で問われていたのは、絵画の成立条件についてだった。

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兄の話(エッセイ)

兄の話(エッセイ)

夢の中に兄が出てきた。兄は変装しており、二人組の女性に身分を偽っていた。私は兄に話を合わせ、嘘の手伝いをしていた。夕方の駅のホーム、コインロッカー。現実では、もう兄と何年も話していない。



兄は苦労の多い人間だった。高校入試では最後まで進学先が決まらず周囲を困らせた。大学入試では当然のように浪人して、私大に入った。留年もした。

兄は私に嫉妬していた。「低いプライドが高い」人だった。私と喧嘩

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「正しさとは何か?」はわからないまま(エッセイ)

「正しさとは何か?」はわからないまま(エッセイ)

昨日は札幌に暮らす親しい先輩と久しぶりにテレビ電話をした。その先輩は30歳で私のひとつ上だ。30歳前後というのは判りやすく人生の岐路を迎えるようで、近況をしみじみと報告しあった。大学のサークルで知り合ってから10年近く経つのか、と感慨深かった。

最近。連続ドラマにハマっている。昔のドラマをAmazon Primeで 1週間ほどかけて一気見する。テレビドラマには視聴者を離脱させない工夫が施されてい

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