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2022

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2022年7月の記事一覧

Childbirth・Whitesky(エッセイ)

Childbirth・Whitesky(エッセイ)

出産費用が徐々に上昇していて、公的補助額を上回りそうになっているというニュースがあった。ここ5年で平均4万円ほど上がっているのだそう。政府は補助の増額を検討しているが、費用上昇にこれといった原因もわかっていないため、ふたたび補助が不足するいたちごっこ化が危惧されているらしい。

ふつうテクノロジーが進歩すれば出産の費用だってハードルだって下がるはずで、これはイリイチのいうところの「専門化」の弊害な

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7月がもうすぐ終わる(エッセイ)

7月がもうすぐ終わる(エッセイ)

HPの制作が一区切りついて、上司に提出をした。上司は奥さんがコロナウィルスに感染してしまい、濃厚接触者として水木金と欠勤していた。ホームページのデモは上司の想像以上だったようで、電話で話す声が明るかった。ほっと一安心。

今日はタスクがなく、朝からぼんやりと過ごしている。駅前にパン屋とカフェの中間のような店があって、各席にコンセントが付いていたこともあってとても気に入っていたのだけれど、人気が出て

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YouTube #3

YouTube #3

久しぶりに今日は手抜きの日。自分で認識しているより心身が疲れ切っているように感じる。その兆候がある。病院の予約をしてみた。

なので今日はサボりデー。最近見たOGRE YOU ASSHOLE「ロープ」のライブバージョンがかっこよすぎたので観てみてください。生でみたら失神しちゃうよ。

お茶碗(エッセイ)

お茶碗(エッセイ)

昨夜、エアロバイクを漕ぎながら日曜美術館を観ていた。奈良県の山奥に住む陶芸家の特集で、仙人のような暮らしをしながら制作する様子に密着されていた。頭の中に確固たる理想の茶碗があって、それを目指して何千という茶碗を焼いているそうだ。

映像を眺めながら、文章という形式はなんとラクなんだとろう思った。シュッとスマホを取り出して、バーっと書いて、ちゃちゃっと手直しすれば完成だ。シュッ・バーッ・チャチャッ。

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不整脈(エッセイ)

不整脈(エッセイ)

ここ2-3年、不整脈が生じるようになった。今日も起きた。昼休憩が終わると心臓の鼓動が急激に速くなり、頭がくらくらしてきた。座った体勢がつらくなり、カーペット敷きの地面に横たわると、脂汗が滲んできた。心拍のリズムはどんどん細かく刻まれ、苦しさのピークに達する、と、次の瞬間、鼓動がぴたっと止まる。

え?心臓止まった?と一瞬不安になる。が、心臓のある場所に意識を向けると、いつもどおりの弱い鼓動がトクト

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珈琲とコーラ(エッセイ)

珈琲とコーラ(エッセイ)

今日は夢を見た。忘れないうちに日記に控える。「**さん」としてあるところにはかつての上司の名前が入る。最後に口が震えて言い返せないのは、現実で口が回らなかったから。今朝は、寝ながら叫びそうになって目覚めたのだった。

暗い方、暗い方へと引っ張られそうになって、仕事を抜け出してコーラを飲んだ。コンビニのコーラはぬるくて美味しくなかった。積極的に何が嫌いというわけでもなく、今月は何もかもがどうでもよい

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イヤホンとカーテン(エッセイ)

イヤホンとカーテン(エッセイ)

昼休みに音楽を聴いた。普段なら職場でイヤホンを着けることなんて無いのだけれど、今日はルールを守る気がしなかった。怒られることや罰せられることへの抵抗感が低下している。投げやりになっているということだ。

ストレスは判断力を鈍らせる。もしくは判断すること自体が誤りなのかもしれない。レースのカーテン越しに屋外を眺めるように、ぼんやりと午後を過ごす。「判断」を避けながら、ただ時間だけが過ぎていった。外は

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お金なんてなくてもいくらでも勉強できる(エッセイ)

お金なんてなくてもいくらでも勉強できる(エッセイ)

最近、仕事の関係でホームページ制作の勉強が必要になった。WordPressというサービスを使用し、他社のページを真似しながら、練習用のサイトをせっせとこしらえている。初心者レベルの仕事ではあるけれど、なんとか形になりつつある。

ところで、私はこのホームページ制作の方法を、すべてYouTubeとブログで勉強している。WordPressの使い方を紹介する記事やコンテンツがインターネット上には膨大にあ

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酒と日々(エッセイ)

酒と日々(エッセイ)

このところ酒の量がふえた。昨日の私は、ビールを2杯とカクテル1杯を飲み込んだ。世間的には大した量ではないが、私にとっては大酒だ。昨日は昼間からビールのために働いていた。白けた仕事をしながら、アルコールを欲し続けていた。

ウイスキーのボトルが一本、冷蔵庫の上に鎮座している。氷を大きいコップに詰めて、液を1センチほど入れる。冷蔵室からジンジャーエールを取り出し、残りの容積を満たす。1センチが2センチ

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跡/ART

跡/ART

伊藤亜紗「記憶する身体」に、次の挿話が紹介されていた。

上の一節は、メモをとる盲目の女性のインタビューの中に挿入されていた。その女性は、紙にペンを走らせることで思考を整理しているという。彼女に限らず、人間は道具を使うことで脳の機能を拡張させ、本来脳の持つポテンシャル以上の深い思考を行う。では、このとき生まれる「メモ」とは一体、何なのだろうか?思考の跡として残ったソレは、どのような意味を持つものな

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変身(エッセイ)

変身(エッセイ)

「今日は書くことがない」という文字をまず打つ。そうすると、なぜ書くことがないのか、ということを書いている間に、自分の状態が少しずつ出てくる。判るというほど明瞭なものではないけれど、気がつけば液晶に説明されている。そのうち言語野というアプリケーションがゆっくりと起動してきて、次の段落へと繋がる。

というのが、書くことの浮かばない日の書き方だった。流れに身を任せて言葉を並べて、最後に第一段落を消せば

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会社の目を盗んでサボれることに、感謝なんてしたくない(エッセイ)

会社の目を盗んでサボれることに、感謝なんてしたくない(エッセイ)

私の勤める会社は体育会系だ。いわゆる営業会社だから、ということもあるし、上司が昭和九州男児ということも影響している。感じ方はともかく、体育会的な精神を土台として、社内の秩序が構築されている。命令は上から下へ。先輩には責任が、後輩には雑用が集まる。それがうんざりすることもあるし、ラクな日もある。

今日は上司が急な私用で帰ってしまい、終日緊張感に欠けていた。どんなに足掻いても集中力が霧散してしまう。

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三日月ロック(エッセイ)

三日月ロック(エッセイ)

きっかけは確かでなくて、たしかTwitterで誰かが聴いていた程度のものだったのだけれど、このところ「三日月ロック」を聴いている。まだ論じられるほどでは無い。全体を貫くもぬけの殻感というか、土台となる生命力が欠如したような雰囲気が心地いい。コード進行が判る者ならば「分析」へと進むのだろうが、あいにく私は「感じ」や「雰囲気」としか書けない。3連休明けの頭は重くて寝坊してしまった。

前に読んだ「スピ

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定食屋にて(エッセイ)

定食屋にて(エッセイ)

定食屋で昼食を頼んだら、彼女が急に再開発の話をはじめた。以前、西荻窪の再開発のことを話したことがあって、それを思い出したようだった。そこは初めて行った魚の定食屋さんで、彼女はカツオのたたき丼定食を、私は日替わりの焼き魚定食を注文し、待っているところだった。

西荻窪は再開発しなくてもいいと思うけど、すべての再開発が悪いわけじゃなくて、たとえば私は立川の街が好きだけど、あれは再開発の成功例じゃない?

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