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アタリをつける感じ 2024/06/14

アタリをつける感じ 2024/06/14

最も酷い、全く仕事したくない/会社辞めたい/いまの家を捨てて遠くに行きたい、という時期は越えられて、仕事が少し手に付きはじめてきた。まだしんどい時期ではあるが、ぎりぎり仕事の体裁をなして一日を過ごせている。信じられないほど手汗をぐっしょりかきながら、机の前にそれっぽく座っていた。

よくある仕事術の本には、隅から隅まで隙のない方法が記述されているけれども、実際の仕事というのはそういうものではない。

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帰っちゃう人 2024/06/13

帰っちゃう人 2024/06/13

天皇杯で、町田ゼルビアに負傷者が続出してしまったというニュースが話題になっていた。一試合で二名の骨折者が出たというから只事ではない荒れた試合だったようだ。終了後、会見で町田の監督が激怒していたが、そりゃそうだよなぁ、としみじみ首肯してしまった。もし私が監督だったら、試合途中で帰っちゃってたと思う。

学生時代、部活動で、試合内容がよくなかったり、遅刻したりふざけていたりすると、顧問が怒って帰ってし

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家庭は父親を縛り付ける 2024/06/12

家庭は父親を縛り付ける 2024/06/12

高校生のころ、父はリビングのダイニングテーブルに突っ伏して眠るのが日課になっていた。テレビを点けたまま晩酌の途中で寝落ちして、だらしなくイビキをかく姿は痛々しかった。酒量も多く、相当ストレスを溜めていた様子だった。本当は仕事も辞めたかったのだろう。

家庭を支えるというのは、ストレスフルな環境にひたすら耐えることなのだと、私はその日々で刷り込まれたのかもしれない。子供として「養われる」立場にいるこ

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東京にアイデンティティはない 2024/06/11

東京にアイデンティティはない 2024/06/11

国立市で、完成間近のマンションが取り壊されるというニュースが話題になっていた。入居直前の時期になって、一度建てられたマンションが取り壊されるという事態は異例のようだった。国立駅から伸びる「富士見通り」は、文字通り富士山が眺望できる立地で、マンション建設による景観破壊に地元では反対運動が起こっていたらしい。

最近の中央線沿線は、先に住んでいた住民たちが既得権益的にあれこれと主張をしていて、ムラ社会

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花岡くん 2024/06/10

花岡くん 2024/06/10

まだ見てないのだけど、今日の『虎に翼』は花岡(岩田剛典)が栄養失調によって死ぬという展開だった(そうだ)。戦後の食糧不足で食料を闇市から調達しなければならないなか、花岡は法曹人としての信念のために餓死したというストーリーだった。

ネット上は衝撃的な展開に驚く声が多かったが、中には妻と子供を残してまで貫く信念とは何だという非難の声も(けっこう)あった。家族を養うために働きに出る寅子の生き方と対比さ

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昨夜のこと 2024/06/09

昨夜のこと 2024/06/09

今週はもう疲れ切っていて、昨夜はもうたくさん寝ようとよく眠れるほうの薬を飲んで寝たら、1時すぎに目覚めた。恋人はまだ隣で眠っていて、薬なしでよくこんなに眠れるものだと驚く。携帯を見る気にもなれず、ぼおっと30分ほど微睡んでいると恋人が目を覚まして、それからまた30分ほどかけてゆっくり布団から這い出した。

朝食を食べながら、「昨夜のこと覚えていますか?」と尋ねられる。1時すぎに布団に入って、そこか

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横浜トリエンナーレ 2024/06/08

横浜トリエンナーレ 2024/06/08

起きたら9時前で、平日よりも早く目が覚めた。眠いかどうか感覚を確かめながらシャワーを浴びて、なるべく軽い荷物で部屋を出る。新宿三丁目で副都心線に乗り換えて、1時間ほどかけてみなとみらいに着いた。

要塞のような駅ビルの、吹き抜けを突き抜けるようなエスカレーターを昇る。朝食を食べてなかったのでベーカリーに入ると、短パンの若者がパンを手掴みしていた。横浜美術館へ。

「野草」であるとは、都市環境に適応

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履歴は人を縛り付ける 2024/06/07

履歴は人を縛り付ける 2024/06/07

インターネットがあれば、場所を選ばずに仕事ができる。コロナ禍でリモートワークが一般に普及して、仕事というものが場所に縛られなくなった。極端にいえば、日本にいなくても日本企業に勤めることもできる。もう何十年かしたら、わざわざ日本企業で働くことを選ぶ理由などなくなっているのかもしれない。

インターネットが実現された当初は、人間同士が自由につながり、既存のしがらみから解放されると考えられていた、実際に

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あたらPC! 2024/06/06

あたらPC! 2024/06/06

このところずっと調子の悪かったパソコンが、火曜日になってついに寿命を迎えたようで、電源が点かなくなってしまった。立ち上げようとするとすぐに再起動が始まって、その再起動が失敗して次の再起動が始まる。無限再起動地獄だ。地道に待っていれば奇跡的に起動するかもしれないが、仕事でも使うのでそう呑気なことは言っていられない。仕方なく、ずっと躊躇っていた注文に踏み切った。

予定より到着が一日早まったようで、昨

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アートは社会に必要か? 2024/06/05

アートは社会に必要か? 2024/06/05

コロナ禍に盛んに言われた、「アートは社会に必要か?」という問いについて考えていた。「必要か?」という問いかけは「必要だ」という答えを当然想定している。実際に困窮したアーティストがたくさん居たのは事実だったし、補助金にも一応意味はあった。

けれど、「アートは社会に必要か?」という問い自体を本当に、前提なく考えた人は結局誰もいなかったなぁ、と思い出される。実際は「アーティストに補助金を給付すべきか?

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平等とは 2024/06/04

平等とは 2024/06/04

途中だった先週分の『虎に翼』を消化した。終戦→直三直道の戦死→直言の死→日本国憲法公布まで。猪爪家は男性3人が亡くなったが、みなATMのような男性ばかりだった。経済的にも精神的にも、相手の存在を無条件に充足させるだけの存在。もしくは付け合わせのパセリのような。

金曜には家族会議のシーンがあった。日本国憲法が公布されて、法の下で男女が平等なるという。あなたの幸せは何かと問われて、母は家族がお腹いっ

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そろそろ 2024/06/03

そろそろ 2024/06/03

ノートパソコンをそろそろ買わなくてはいけなくて、もろもろサイトを比較しているけれどなかなか決断できない。むしろ、さまざまな情報を取り込めば取り込むほど、条件が多くなって判断が先送りされていく。いまはCPUはIntel Core ULTRAが最新のようだが、今年の冬~来年にかけて技術革新がある見通しで、そうなると事情が変わってくるから買い控えるべきとかなんとか。いつ買っても損したような感じになるのか

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東京に暮らすということ 2024/06/02

東京に暮らすということ 2024/06/02

夜中にテレビを点けると、人気の某経済思想家が出ている番組が始まって、見なければいいのについ見てしまった。その思想家は、社会問題に当事者として参加することのパワーを説明していて、私も実際に現場に出て、地元の方々と交流しながら問題解決に取り組んでいるのだという話をしていた。彼にとっての具体的な現場のひとつは高尾山らしく、わざわざ素手で山道に木の杭を打って環境を「保護」していた。

彼は当事者と非当事者

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ブランクーシ展 2024/06/01

ブランクーシ展 2024/06/01

ブロンズ製の、つるんとした彫刻は、いかにも至宝!という感じがする。アーティゾン美術館で開催中のブランクーシ展は、そんな印象だった。

モチーフは、《(横たわる)頭》、《女性の肖像》、そして《鳥》。人間が何を美しいと思うかを、そのまま形にしたような作品の数々だった。

作品の正面に一度立ち、ぐるっと右回りに一周して、再び正面から見る。「美しさ」そのもののような作品に、ただ息を呑むことしかできない。作

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