自炊めし記録【2024年1月】
汁物
塩サバのトマトスープ
塩サバはよく買うタンパク質のひとつだ。焼くだけで食べられるから楽だったのだけれど、いいかげん飽きた。サバサンドを食べる機会があり「サバって洋風のレシピでもおいしいな」と印象に残っていたので、トマトスープにしてみた。買い置きしたきりのミックスビーンズの使い道も見つかり、一石二鳥といったところだ。
玉ねぎは好きだから多めに刻んで、ニンニクと一緒に炒める。ニンニクはチューブでしか買ったことがなく、勘で処理をしたけれど、母がやっていたのを横で見たことがある気がした。サバに塩気があるので、コンソメはいつもより減らし、クレイジーソルトと粗塩を少しずつ足していく。
味見して、風味の優しさに驚いた。自分の優しさの在庫を、すべてこのスープに使いきってしまったのではないか。アニメ「おそ松さん」の「神松」が好きなのだが、私のなかの優しさを集めてもスープ一杯くらいにしかならないのでは……という思いがある。
味見の衝撃で、火の通り具合をろくに確かめもせず、すぐに食卓に出してしまった。そのせいで、1回目に食べたときは、にんじんが生煮えで固かった。小分けにして保存したものは、かえって再加熱してちょうどよくなった。味はやさうま(優しくておいしい)でした。
私がつくる汁物は、具だくさんすぎて煮物に近い仕上がりになる。まあ、私が煮物といえば煮物だし、スープといえばスープだ。
あん肝入り味噌汁
おかず
しいたけのオリーブオイル焼き
値札に書かれた「生しいたけ」という文字を見て、「生のしいたけってなんだ?」と思った。干ししいたけしかお目にかかったことがない(もしくは見えていただけで意識を通り過ぎている)私としては、謎食材に映った。レシピもわからぬまま買って帰り、こんなもんを買ったぞと母に連絡してみると、「ただ焼くだけでおいしいと思う」との返答があり、さっそくやってみた。
しいたけの軸(?)を切り落とし、傘だけの状態にする。「にんにくの香りを油に移す」という小ワザをどこかで耳にしたことがあったので、刻みにんにくをフライパンに落とし、軽く炒めた。まあこんなもんかねというタイミングでしいたけを焼く。魚と同じく焼く順番があるのかもしれない。中火で両面に焼き目をつけたら、料理酒を入れ、弱火にして蓋をした。
味つけはクレイジーソルトのみ。にんにくの香りに賭けたところ、正解だった。調理中に焦げてしまったこともあり、皿には盛らなかったのだけれど、オイルにちゃんと香りが移っている。
焼いた生しいたけは、干したての布団のような食感だった。フカフカすぎて昼まで熟睡できる。日和って5個しか焼かなかったのだが、全然もの足りなかった。
白菜のナムル
葉物はおひたしで食べるのがいちばん好きなのだが、味つけのレパートリーを増やさないとさすがに飽きてしまう。ということで、手持ちの調味料で韓国風の組合せを考えた。ごま油、海苔、塩、すりごまと和える。この味つけは絶対に私を裏切らないので、全幅の信頼をおいている。
年始に祖父母と会った際、いただきものの海苔を分けてもらった。半分に折ると、歯切れのいい音がして、そのままきれいに二等分になった。ものがいいのだろう、ぴんとしていて、ちぎる必要がない。
ほかの献立のことも考えて塩分は控えめにしたけれど、海苔とごまの香りだけでもじゅうぶんおいしかった。
白菜以外だと、もやしを使ってもおいしい。
もめん豆腐(韓国風)
好きな味が少ないので、気づくとすべての料理が醤油味になってしまう。豆腐の味にバリエーションがほしいと思い、ナムル風にしてみた。おひたしがあるときは、豆腐をナムル味で食べると醤油かぶりが防げる。
菜花のおひたし
青菜のおひたしが大好きだ。家業の一環で農作業を週2回やらなくてはならないのだが、こちらもその畑で採れたもの(ちなみに上記の白菜も出荷できないものをもらってきた)。菜の花のおひたしは季節限定なので、できるだけたくさん食べたいところ。こちらはポン酢をかけてみた。あとから苦味が来るのが独特で好きだ。
農作業は好きな仕事ではないけど、季節の食材が無料で手に入るのは数少ない楽しみだ。ちなみに、趣味で家庭菜園をやっている方などから「広い畑があって羨ましい」との声をいただくことがあり「私にとって畑は職場なので」と……口には出さないが、ひそかに思っている。どんな仕事にも大変なことはあるよね。
塩サバのトマト煮
塩サバアレンジその2。といってもスープが煮物になっただけなのだが、これもかなりおいしかった。気まぐれで買ったカレーパウダーをかけたところ、トマトカレーに早変わり。調味料はゴミになりやすいので、買ったことのないものには手軽に手を出さないようにしていたが、結果的に正解だった。
ちなみにこのあと、ブリの切り身でも試してみたが、やはりおいしかった。トマトはどんなタンパク質にも合うからすごい。
生姜焼き
はじめてつくったので、今回は山口祐加さんのメニューを参考にした。調味料は分量通りにした。つぎにつくるときはみりんを減らしたほうが私好みになりそうだとは思ったが、おいしくつくれた。
家では豚肉を食べるのを控えているのだけれど、またつくりたいメニューのひとつになった。
マヨなしポテサラ
どんなに小さなパッケージで買っても、マヨネーズを期限内に使い切ることができない。私の好きなマヨネーズ料理(?)というと、ポテトサラダのみだからだ。「いっそ、マヨなしポテサラを錬成すればいいのでは?」ということで試してみた。
簡単に具にできそうなものがツナ缶だけだったので、レンチンでふかした芋と一緒に混ぜた。味つけは、レモンジュース・塩・オリーブオイルの3つをえらぶ。ドレッシングは塩分と酸味と油でできると小耳に挟み、なんとなくやってみた。
かなりあっさりめの仕上がりで万人向けではないと思うが、私にはとてもおいしいポテトサラダができた。夏になったら、きゅうりを入れてみたい。
その他
おしるこ(ほぼ甘さなし)
かなり最近まであんこを食べられなかったのだが、あずきの水煮を米に入れて炊飯するようになり、あずきそのものはむしろ好きだとわかった。ついでに餅も苦手だが、つきたてではない、あまり伸びない歯切れのいい餅なら食べられることを知った。
今年の正月、せっかくだから自分専用のおしるこレシピを開発しようと思って完成したのが、「ほぼ甘さなしおしるこ」だ。
あずきの水煮、水、黒糖2かけを鍋にかけている間に、餅をレンジのオーブン機能で焼く。あずきがごろごろ入っているほうが好みな気がしたので、たっぷりあずきを入れた。このおしるこは、来年の正月もつくろうと思う。
りんご(シナモンがけ)
私が食べられる3つの果物のうちのひとつが、りんごである。ちなみに、ほかの2つはぶどうとみかんなので、私にとっては秋冬が果物の季節だ。シナモンは生のりんごにかけてもおいしい。りんごを使ったスイーツより、りんごを皮ごとムシャムシャ食べるほうが好きで、スーパーで見かけるとつい買ってしまう。
りんご(ヨーグルトにディップ)
家では、乳製品はめったに摂らないが、たまに食べたくなってヨーグルトを買う。今回は無糖のヨーグルトを買ったので、りんごにつけながら食べてみた。甘みが優しくておいしい。
米粉のココアパンケーキ
見た目はアレだが、水・米粉・ココアパウダーでパンケーキをつくった。ホットケーキは苦手なのだが、なぜかパンケーキは食べられるので不思議に思い、どうせなら自分の好みを探してみようと思い立った。
卵・牛乳・小麦粉の組合せが苦手なので、卵・牛乳不使用のレシピを探した。というか、家に豆乳もベーキングパウダーもなく「水と米粉だけで焼ける」エビデンスを探していた。バナナを使った離乳食のレシピを参考に、ココア味のパンケーキを焼いた。ココアパウダーはカカオ70%のもので、甘みはほとんどない。
ひっくり返すのに手間取りつつも、薄くて小さなパンケーキがいくつもつくれた。分量通りに生地を混ぜた段階では少ないと思ったのに、充分な量だ。
いざ食べてみると、むちっとしている。すわ生焼けか、と思ったものの、米粉もココアパウダーも、生でも食べられるので慌てる必要はないのだった。たぶん、米粉でつくるとモチモチ感が強い仕上がりになるのだろう。
スイーツというよりは主食に近い。「めっちゃ軽めのチョコレートナン」といった感じだ(インドカレー屋さんのチョコレートナンが大好物)。つぎはもう少し丸くできるように頑張ってみよう。
あれこれつくってみて
以前から自炊はしていたが、この期間は「手間はかけず、バリエーションをちょっとだけ増やす」ことを意識してみた。ということで、りんごや豆腐に加える味・風味も自炊としてかぞえている。
さいきん気づいたことだけれど、おいしいと思える味が少ないため、使える調味料の幅が狭く、自炊の味つけが単調になりやすい。ひとつの工夫として、この期間にパセリやバジルなどの香りづけ・風味づけの種類を増やした。
「工夫すれば食べられる」ものもあると気づけて、食事をつくることが前より苦にならなくなった。手間はほぼ変わらないのに、味だけがとてもおいしくなり、自分の料理を食べすぎることも出てきた(それはそれでどうなのか)。
今後も自分に「何を食べたい?」と聞きながら、手間のかかりすぎない、おいしいご飯をつくりたい。
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