ビビ/風待 葵

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【自炊めし記録】さざなみのように【振り返り】

1月から自炊めし記録をつづけてきたが、4月でいったん区切りをつける。食事の記録は追ってまとめることにして、今回は自炊を見直して生まれた変化を振り返る。 自炊めし記録に区切りをつけた理由大きくは、以下の2点の理由で、「私はもう大丈夫」と思えるようになったからだ。 山口祐加さんの本を読み、それをきっかけに料理教室を受けたこと。 自分の好きな味、献立がわかってきたこと。 山口さんの本を読んで、実際にお会いしたいと思い、料理教室に申し込んだ。私は小説や文学に興味があり、好きな

    • 仕事について思うこと

      私は小説を書くのが好きで、大学では文芸創作を学んだ。「文芸の勉強は就職に不利だし、社会に出ても役に立たない」という言葉を学校の内外から聞きながら過ごしていた。当時の私は、家業に入るつもりだったこと、家訓が「好きなことをやって生きろ」だったこともあり、馬耳東風とばかりに聞きながしていた。 家業に入って一年が経ったころ、私は進路に不安を感じるようになった。一緒に小説を書いていた友人はみな就職していき、似たような生活を送っている人は誰もいない。 一度「社会」に出たほうがいいので

      • 過去との交感

        思い出す 過去と現在が入り交じったり、(矛盾した言いかただが)リアルタイムでつながったりする映画が好きだ。 先日、ずっと観たいと思っていた映画「異人たち」をようやく観た。ハリー役の俳優を知っている気がして、ポール・メスカルで検索してみたら「アフターサン」がヒットした。 「アフターサン」は、娘がホームビデオを見ながら、亡くなった父親のことを思いだすというのが筋といえば筋だが、父親が亡くなったことは明示されない。役者の表情や、聞こえてくる会話の断片などから観客に伝わるように

        • めずらしい生き方

          スピッツの「ルキンフォー」に、「めずらしい生き方でもいいよ」という歌詞がある。 意図したわけではなく、なっちゃってる 私は会社員でもなければ、結婚願望があるわけでもない。そもそもヘテロセクシャルでもない。「普通の人生」と聞いて思いうかぶ人生とは少し離れたところにいるが、幸福だし、恵まれているという自覚もある。 「普通になろう」とも「普通とはちがうように」とも思ったことはない。とはいえ、「いいんじゃないですか? そういう生き方も」とか「変わってるね」みたいなことを「自分は

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          自炊めし記録【2024年4月】

          前回の記事で書いたとおり、4月(と、5月に入ってからきょうまで)をもって、4ヶ月書いてきた自炊めし記録を一区切りとする。4月は料理教室で習ったレシピや方法を参考に自炊していた。 主菜生姜焼き つくるのは3回目くらいだろうか。小麦粉をつける行程をいつも忘れてしまい、焦げ目はつかないのだけれど、だいたいおいしくできる。薄味が好きなので、醤油大さじ1とみりん大さじ1で味つけした。豚肉にはたれが絡まないが、玉ねぎにはしっかり味がつき、汁気のないたれのような役割を果たしてくれる。一

          自炊めし記録【2024年4月】

          普通の人・当たり前のこと

          「普通の人だと思います」 『白い巨塔』で演じた財前という外科医について、どんな人かと問われ、唐沢寿明さんが答えた。えっ、と声が出た。正確な応答はうろ覚えなのだが、財前を「普通の人」だと思ったことはなかった。 私は2004年のドラマ版を母の横で観た。リアルタイムではなく、再放送だったと思う。財前は出世欲と権力欲が強く、周囲を蹴落としながらどんどん成り上がっていく。母いわく、賄賂のやりとりや料亭での根回し、俳優たちの悪い顔を見るのが好きなのだという。「ドラマは毎週観なくちゃい

          普通の人・当たり前のこと

          自炊めし記録【2024年3月】

          1月、2月と自炊めしの記録を書いてきたが、つづけるごとに、どんどんシンプルな料理が増えてきた。 蒸し野菜スリーコインズの温野菜メーカーが便利でよく使っているのだが、いままでに蒸したことのない野菜もためしてみた。 長ネギ 玉ねぎ 玉ねぎを蒸したやつがやたらと食べたい日があった。蒸した玉ねぎを食べたことはないはずなのに、「玉ねぎは蒸したらおいしい」という謎の確信があったのだ。結果、とろっとしておいしかった。 キャベツ 蒸しキャベツも、すっかり定番メニューとなった。水に

          自炊めし記録【2024年3月】

          【ラジオ】自分に問い、自分で考える【はじめました】

          ラジオをはじめました永井玲衣『水中の哲学者たち』さいきん、哲学研究家・永井玲衣さんの本を読んで「哲学対話」の存在を知った。 哲学対話の場では、ある問い(哲学的問い)を立て、参加者たちが対話する。その際「『人それぞれだよね』で終わらせない」「偉い人の言葉を引用しない」などの約束ごとをもうける。より安心できる場、対話が深まる場にするためのものだ。 哲学的問いといっても、何も「愛とは何か?」などの壮大な問いだけにかぎらない。「なぜあいさつをするのか?」など、「身近だけど、言わ

          【ラジオ】自分に問い、自分で考える【はじめました】

          会いたい気持ちがあるなら

          反応、それだけで私はかつて小説を書いていた。文章表現は得意……というか、それすらできずに「『小説を書いていました』はないだろう」と思えるくらいには、書いた。 どんなに時間をかけようが、心血を注ごうが、書いたものに反応がくることは稀だった。素人の文章を読んで、何かしらのかたちで応えるというのは、かなりめんどうなことだ。当時、たいへんお世話になった大学の先生は、原稿用紙に手書きで、丁寧な感想をくれた。 書いたものに反応がないことは残念だが、私には打つ手がなかった。そういう経験

          会いたい気持ちがあるなら

          自炊めし記録【2024年2月】

          主菜あじ焼いたやつ おいしい魚が手に入りやすくなったので、大好きな青魚をよく買ってしまう。この日はあじだった。酒に浸してくさみを取り、片栗粉のかわりに蓮根粉をまぶして焼いた。味つけはクレイジーソルトだけだが、おいしかった。 かれいの煮つけ 子持ちカレイで煮つけをつくってみた。はじめてだったのでレシピを見たが、甘いおかずが苦手なため、みりんの量を減らしたら、ちょうどよかった。味つけは薄めにするのが私好みだ。たまたまあったしいたけと長ネギも一緒に煮た。納豆ご飯と野菜の味噌

          自炊めし記録【2024年2月】

          【外食】自分ルールが決まってきた【苦手】

          先日、外食が苦手だったことについて書いた。 外食が苦手だと思ったことはなかったので、驚いた。いろいろと試すうちに自分なりのスタイルができつつあると感じる。 前回の記事で、以下のルールを設けた。 誰かと会うとき どうしても食べたいメニューがあるとき 今回は「ひとりで出かけるとき/これといって食べたい外食メニューがないとき、どうするか?」について書いていく。 昼食を食べてから出かける朝から出かけたほうが1日が長く使えると思っていた。が、よく思いだしてみると、半日出かけ

          【外食】自分ルールが決まってきた【苦手】

          必要なのはノウハウではなく哲学だった

          ささいなことだからといって、サクッと片づくとはかぎらない。 小さいのに無視できないこと野菜を切る時間がしんどい、洗濯物を畳むのが嫌ですぐ溜める、洗いものを始めるまでに時間がかかる、休みの日に抗えず二度寝。ひとつひとつは小さいのに、集まるとめっちゃデカいノイズになるあれこれ、どうにかならないものか。独り暮らしをはじめて数年、なんとなくの解決策を見つけながらやってきた。 ノウハウばかり追いかけてしまう悩みへの対処法として、たとえばネットで探してすぐに見つかるものは、たいていノ

          必要なのはノウハウではなく哲学だった

          振り返ってみたら外食が苦手だった

          いい寿司屋を楽しめなかった両親と寿司屋に出かけた。予約の取りかたが少し変わっていて、枠も少ないとのことだ。いつもより少しおしゃれをして出かけた。 入店時間は決まっていて、客の全員に同じタイミングで同じものを出す。小さな店で、カウンターで10席ほどだろうか。板前さんが目の前で握ったものをその場で食べる。 出すときにこれは何とかです、と説明してくれるのだが、店の雰囲気にのまれて味があまりわからなかった。 飲みものは自由にえらべるが、メインはアルコールだった。私は体質的に酒が

          振り返ってみたら外食が苦手だった

          性格診断、適職より現職のサバイブ方法を知りたい

          巷で話題になった性格診断では、ひととおり遊んできた。興味のあるものは関連本を図書館で借りるなど、気まぐれで情報を集めている。ネットの性格診断は転職サイトか婚活サイトと紐づいていることが多く、タイトルのような要望は少々無理がある。が、ここから出発した結果、性格診断ではないところに着地しそうな気配があるため、まずは書いてみたい。 なぜ適職ではイヤなのか端的に言えば、もう職業をえらべないからである。 大学卒業後、すぐに家業に入ったのだが、嫌気がさして一瞬だけwebデザイナーにな

          性格診断、適職より現職のサバイブ方法を知りたい

          誰かの宇宙にふれる

          行動範囲が広がらない便利な街に住んでいる。 だいたいのことは近所で片づくので、わざわざ離れたところに出かけていくことはない。もともと出不精で、自分の部屋が世界でいちばん素敵な場所だと思っている。と、そんなことを雑談で話したら「行動範囲が広がらないね」と言われたことを思いだした。 当時は虚を突かれたようで「そうですねえ」と応じることしかできなかった。まず、行動範囲の狭さについて考えたことがなかった。 身体に閉じこめられる14歳までバレエを習っていた。お世辞にも上手いとはい

          誰かの宇宙にふれる

          自炊めし記録【2024年1月】

          汁物塩サバのトマトスープ 塩サバはよく買うタンパク質のひとつだ。焼くだけで食べられるから楽だったのだけれど、いいかげん飽きた。サバサンドを食べる機会があり「サバって洋風のレシピでもおいしいな」と印象に残っていたので、トマトスープにしてみた。買い置きしたきりのミックスビーンズの使い道も見つかり、一石二鳥といったところだ。 玉ねぎは好きだから多めに刻んで、ニンニクと一緒に炒める。ニンニクはチューブでしか買ったことがなく、勘で処理をしたけれど、母がやっていたのを横で見たことがあ

          自炊めし記録【2024年1月】