見出し画像

香港映画を観る時期

今年の6月くらいからしばらくは「古めの香港映画をたくさん観る時期」だった。ここ最近は香港にかぎらずいろんな映画を観ているが、香港映画も何本かに1本は入る。

香港はワイヤーアクションとカンフーの国で、わりとどんなジャンルを観てもアクションが腕まくりして出てくる。それをいいと思うこともちょっとどうなのよと思うこともあるけれど、よく知らない国でよく知らない時代につくられた映画を観るのはそれだけで楽しい。あとから調べていろんなことを知っていくの込みで楽しい。批評的に見るのはそのあとでも遅くない。

なんで急に古めの香港映画を観るに至ったかというと、昨年頃からウォン・カーウァイ監督作品の4K再上映が始まったからだ。メインビジュアルのオシャレさとフィルマークスで見たあらすじに惹かれ、近所の映画館でかかっていた「ブエノスアイレス」を観た。ほかの情報はまったく入れなかったので、主演2人の名前も顔も一致せず、あとでどちらもスター俳優だったと知った。

「ブエノスアイレス」でウィンを演じていたレスリー・チャンにやすやすとハマった。顔立ちの方向性がBase Ball Bearの小出祐介に似ていたのも大きい(高校〜大学時代はベボベが大好きな時期だった)。撮る角度によってドキッとする瞬間が結構ある。

ということで、まずはレスリーの出ている映画を一気に観た。幸い、U-NEXTとHuluには古めの香港映画ストックがあった。

レスリー・チャンはコメディにもアクションにも時代劇にも恋愛映画にもノワールにもアート映画にも出ている。私が苦手だから観ていないが、遺作はホラー映画だ。彼を追えばジャンルをほぼ網羅できそうな気がしている。

以前、新聞で香港のネオンが消えていっているという話を読んだ。ネオンをつくれる職人がどんどん減って、修理ができず、一度壊れたらおしまい、ということもあるそうだ。

私は雨の夜に香港の街を映したシーンが大好きだ。車を外から撮っていて、車体にネオンが滑っていく映像などは宝物だと思う。

ウォン・カーウァイはあのネオンのなかで生きてきた人だからなのか、映像の色彩が独特で、筋がなくても映像美だけでいいくらいなのに、話もおもしろいから参ってしまう。もう一度、「花様年華」を映画館で観たい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?