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詩ーポエムー

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自分で書き溜めた詩を発表します。
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#カラパルユキハルチャンネル

不思議な力

不思議な力

不思議な力
 
 
 
もし僕が歩けたなら
 
きっと
一番最初にしたい事
 それはお散歩だ
 
もし僕の手が握れたなら
 
きっと
一番したい事
 
それは君と
握手するだろう
 
昔余りに出来る事が
多かったから
 
今の僕が
ここまでこれた
 
昔の僕は何でも
出来すぎた
 
だから今の
僕は存在する
 
これからだ
 
明日が楽しみなのだ
 
僕はこれまで
いつもぎりぎりの
所で助かった

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妖精

妖精

妖精

秋も深まりもみじも
菊も山々も
 
赤や黄色にうごめいて
 
晩秋の夜長は
本の物語に心奪われる
 
僕は今日が何度来ようと
 
明日には忘れるだろうか
 
たった一つの
命に運ばれている肉体を
 
感謝しなくちゃね
 
もみじは気持ちを
洗ってくれる
 
身体も秋には
洗たくされて
 
やがてクリスマスの
音色が聞こえてくる
 
宵闇には妖精たちがキスをする
 
心地よい夢の中
 
僕は

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10秒

10秒

10秒散歩中にまっすぐな道、
曲がる道
 
坂道、途中で電動車いすを
10秒止めてみる
 
わたしは歴史を変えてみた
 
10秒は生き方や
 出会う瞬間を変えてくれる
 
人生の思わぬ事故や
 通っていく人々も

良きに計らう
 
10秒は少しずつわたしの
命を削る
 
パラレルワールドを
 行き来し

時の力を
ほんの少しもらう
 
最後に使ったのは
半年前だ
 
軽はずみに
使うものではない

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黒電話

黒電話
 
 
 
明日がどこかにいかないうちに
 
黒電話でダイヤルを
回し君のもとへ頑張る指
 
僕がくたびれた時も
優しい傘で覆ってくれるから
雨も降らない
 
強い光が白い闇を
ことごとく消し去る頃
 
歩けない僕が黄金色を背負って
一生懸命ズシン ズシンと
 
夢を見る
 
いろんな夢と待ち合わせ
している夜は楽しい
 
黒電話のダイヤルの
九とゼロが僕の指では

程遠く回せなかった
 

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メトロノーム

メトロノーム

メトロノーム
 
 
 
まん丸な時の後ろには
 メトロノームのリズムに合わせた
 
トライアングルの響きが
とても眠そうに騒いでいる
 
わたしはミルクを温めて愛猫の口に
 何度もスポイトを押し込んだ
 
「これで三代目だ・・・」
 
メトロノームの針は刻々と時を刻む
 
三代とも同じ名前をつけ 
私のまん丸なお腹で育てた
 
わたしはまん丸なお腹を
恥じた事はない
 
それなのに・・・
 

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丸い冬

丸い冬

丸い冬
 
 
寒い季節がやってくる
 
苦手なのだよね
 
冬に生まれたのにね
 
手編みのマフラー 手編みのセーター
 
あの頃は無邪気に騒いだね
 
楽しそうに走ってる君
 
僕は追いかけもせずに
 
冬を丸く過ごしたね
 
きっと追いかけたら
 
きっと追いついたら
 
僕は黙って見てたんだ
 
そしたら
 
悲しげに笑う君
 
それが全てかのように
 
笑うんだ
 
さよならを忘れたあの

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見つけにくいもの

見つけにくいもの

見つけにくいもの

見つけにくいものは
 
探しているから
見つからないのであって
 
何もしなければ
同じ空間の中で
 
見つかっているのだ
 
見つけにくいものは
 
愛と同じで自分の
考えていることが
 
女性にどう思われているか
 
探しているから
大抵は対して思われてないものだ
 
何もしなければ
同じ土俵の上で
 
愛されていることが多い
 
これは探している
人にも責任がある
 

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あれから

あれから

あれから
 
 
 
気持ちの良い潤んだ朝日
 
見てないなぁ
 
哀愁漂うにじんだ夕日
 
見てないなぁ
 
世界を広げる夜空
 
見てないなぁ
 
クリスマスのイルミネーション
 
見てないなぁ
 
僕をほんわかさせてくれた希望の朝日
 
水平線にしんみりと漂わす沈む夕日
 
希望に満ち満ちた空間を見せてくれる夜空
 
恋文を思わすクリスマスのイルミネーション
 
どれも僕の見られない時間だ

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感謝

感謝

感謝
 

 

 

駅の帰り道

 

昼間から雲行きが怪しく

 

案の定雨が降ってきた

 

バス停で待っている間困っていたら

 

後から来た女性が

 

「何かお手伝いありますか?」

 

見ると赤ちゃんと
子供を抱え大変そうだ

 

「有難うございます 助かります」

とは言ったものの
彼女は僕より早いバス停だ

 

するとわざわざ僕の降りるバス停まで

 

付き添う

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本当の自由

本当の自由

本当の自由

 

 

 

やっと暖かくなって

 

僕の病は吹き飛んだ

 

長い床ずれ

 

長い皮膚のそれ

 

見えない物語探すように

 

僕は歩いていた

 

今となっては自由がはがゆい

 

この身体になって

 

今ではこんなトラブルさえ

 

小さな自由の中の出来事

 

今を自由だと思える色に染まっちゃった

 

本当の自由は一瞬だ

 

時計台

時計台

時計台
 
 
 
待ち合わせの時計台に
 あなたは孤独の背中を
 
あなたより遅れたわたしが
 償うには既に鐘が鳴り
 
洗いざらい白く染めてくれた
 
時計台で待ち合わせた
わたしは
 
あなたより
いつも早く来ていた
 
あの日だけは違っていた
 
あなたよりわたしは
遅れたのだ
 
この記録は歴史に残り
あなたとの距離を
深く黒く染めた
 
時計台の鐘は
もうならなかった
 
茶色く描かれ

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世間の風

世間の風

世間の風
 
 
 
何も書く事がない時は
 
何も書く事がない
という事を書けば良い
 
屁理屈かもしれないが
 
そういう作業をしていくうちに
 何か思いつくものだ
 
何もする事がない時は
 何もしなければ良い
 
そうしているうちに
 やがて眠たくなるものだ
 
騒がしい世間の風が
 今日も前を通り過ぎと
 
やがて君は
 いてもたってもいられなくなる
 
ほらね・・・

詩


 
 
 
私はかなりつったって
途方もない事を考えて
 
そのくせ小心者なのに
まだ何かに挑戦しようとする
 
砂時計の砂をごっくんと飲み込み
 
心の時間を三分で止めた
 
たまに来る睡魔と覚醒を交互に
 今夜の夢を予感した
 
そんな日々が暫く続き
 
詩が書ける毎日に感謝していた
 

泡沫(うたかた)の雨音

泡沫(うたかた)の雨音

泡沫の雨音「うたかた」

わたしは現に宙に浮いて
まことに夢の道の途中

亡き父の顔の白い布をめくる

確かにあった父の傘
そこに肩を添えるわたし

泡沫の雨音は虹の扉に導く

柔らかく開くと
昔婆ちゃんのくれた銀色の
腕時計があるが

わたしの右にも左にも入らない

大切な贈り物なのに
原色の三つの世界

わたしは現に宙に浮いて
時はゆっくり回転し
夕日はやがて焦げていく

泡沫の雨音は夢の道

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