メトロノーム
メトロノーム
まん丸な時の後ろには
メトロノームのリズムに合わせた
トライアングルの響きが
とても眠そうに騒いでいる
わたしはミルクを温めて愛猫の口に
何度もスポイトを押し込んだ
「これで三代目だ・・・」
メトロノームの針は刻々と時を刻む
三代とも同じ名前をつけ
私のまん丸なお腹で育てた
わたしはまん丸なお腹を
恥じた事はない
それなのに・・・
愛猫はもう飼うまいと誓った
するとメトロノームの
秒針は止まり
トライアングルは優しく鳴った
「ああ、これでわたしは自由だ」
時の後ろからわたしは
開放されたのだ
メトロノームは再びリズムを奏でた
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