感謝
感謝
駅の帰り道
昼間から雲行きが怪しく
案の定雨が降ってきた
バス停で待っている間困っていたら
後から来た女性が
「何かお手伝いありますか?」
見ると赤ちゃんと
子供を抱え大変そうだ
「有難うございます 助かります」
とは言ったものの
彼女は僕より早いバス停だ
するとわざわざ僕の降りるバス停まで
付き添うらしい
雨は次第に強く風も吹いてきた
悪いなあと思いながらも
バスは動き出した
彼女のバス停はとっくに過ぎて
運転手さんは無愛想
目的地にノンステップバスは止まり
スロープが開いて降りる頃
雨に濡れながら
彼女がカッパを被せてくれた
「有難うございます」
何か悪いような気がして
後から来るその
優しさに感謝をした
「赤ちゃんごめんよと
すまない気持ちと
「このような人も居るのだ」
と嬉しさと
込み上げてくる温かい
感謝の気持ちのまま
施設へ向かった
バスの待ち時間
彼女とのお話は
楽しかった
僕が年齢より若く見えた事に
「見えませんよ主人より年が上です」
と驚き無邪気に
笑っている姿は
ボランティアを超えていた
「名前だけでも聞いておけばよかった」
この時ほど心から感謝した時は
いつ以来だろう
彼女と赤ちゃん
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