ハフる読書『プラトン 理想国の現在』納富信留
とりあえずの定義としてハフるを、ハフの動詞形とします。ハフは破風なのですが、この本のポイントとしたいです。
ギリシャ神殿の屋根部分の平たい二等辺三角形が破風です。(本書付録:破風構造を読み解く、より)
プラトン『ポリテイア』(国家)の構造を、次の様に説明します。
1巻∶序論の導入部分と10巻∶補遺の最終結論が対応する。同様に正義と不正が対応して、その間の脱線部分が重要という構成です。
言い換えると、タマネギの3層構造は、重要なのは真ん中にある。芯にある。(厳密には3+2層です。野菜はキャベツでも可)
いつだって、3は孤独な数字でした。奇数の哲学です。
三角形の安定・不安定とが国家(ポリテイア)になります。
タマネギをハフる。
するとタマネギは調理に本質があるという哲学にいたる。
これによってタマネギの分析が複雑になるのですが、この辺りを哲学史と考えたい。フレーバーという感覚と定義したいところです。
この場合の論点は、中華そば、それから創造的破壊の「もやし麺」と共通しているのだけど、これは別の考察が必要だと思います。
次回、熱烈の哲学〜フレーバーの現代社会。未定です。
最後に考察パートです。ハフると本の主張がわかるというのが私の読みです。
プラトンの国家論とその発展が、第Ⅰ部と第Ⅲ部。真ん中の第Ⅱ部、タマネギの芯の部分が、日本プラトン紀行で、これはプラトンの受容がどのように行われているかという系譜学。
そうすると、作者の納富先生の構成から重要な部分を見ていく。そこからこの重要部分が、どう解釈されるかという問題意識が重視されます。
キーワードと概念を整理すると以下になります。
これは、当然に現在の今から、遡って考えると、問題点が明らかになる。
日本のプラトン受容が、どれほど本質的に、何らかの哲学を系譜学としていたか。
社会正義を考えると、一義的な問題解決を主張するが(それは正しく)、二項対立となった途端に、問題点が消去されてしまう。(それは正しくない)
これは、2者のそれぞれが正しいと思われる根拠はあるのに、議論になると、どっちも正しくなくなる。そんなふうに感じてしまう。
単一に思われてしまうイデア的なプラトン主義が、三角形の中で、どう現れるかという、視点があります。(奇数の哲学の逆襲です)
それ以外では、本は成立しない。
おそらく作者のテーマが、プラトン思想入門とプラスアルファであって、プラスアルファ(日本)が重要だと思います。
蛇足ながら、やや深読みすると、近代哲学(カントからニーチェ)の枠組みを、現代思想(この場合はデリダの古代ギリシャ)と対比している。
超越論的な概念を、俯瞰して考え直すという意味で、未来の思想となっている。その足がかりとしてプラトン『ポリテイア』。今語るべき事がある。
ハフる。それは芯がある。大切なのは、これのみである。
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