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【兎草子】憲法違反判断に思う、家電保守作業のDX化が進んでいた(24/07/03)


日本国憲法13条、14条の重さ

現代につながる「虎に翼」

今日の「虎に翼」は、尊属殺人の刑法規定に関する最高裁による憲法判断がエピソードだった。
尊属殺人とは、目上の直系親族に対する殺人罪は通常の殺人よりも重罰という規定で、明治以来戦後もずっと存続していた。「虎に翼」では戦後の昭和25年?に最高裁が合憲判断をした実際の裁判例を脚色した内容として描かれている。
この解釈については、当時から反対意見がある等議論があり、その後昭和48年に最高裁が違憲判決を出し、平成7年の刑法改正で刑法から削除されている。これは、戦後の最高裁による憲法違反判断の第1号である。

今日の優生保護法に関する最高裁判断は、憲法13条、14条違反

そして今日の午後、旧優生保護法について最高裁は憲法13条、14条違反だと判決を出し、国に賠償責任を命じた。まさかNHKは今日の判決の日に合わせてこの放送を予定したわけではなかろうが、「虎に翼」の放送内容との奇妙な、いや素晴らしい符合である。
たまたま在宅勤務で朝ドラも見てしまっていた私は、ニュース速報が飛び込んできたのを見たとき、ゾクゾクしてしまった。

憲法13条、14条とは

まず条文を見てみよう。

第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

どちらも、私たちが個人としての尊厳、自由、そして平等を保障されることを規定した憲法の中でも最も重要な条文の二つである。

最高裁の怒りと悲しみ

旧優生保護法は、このふたつの条文の内容に、法律制定当時の状況と照らし合わせても違憲だったと断じた。つまり、国会の非を指摘している。そして、その後の強制的な不妊手術など国・行政の非も指摘している。これだけの厳しい判断はなかなないことだ。
さらに、国家賠償の時効20年という規定による免責についても認められないと叩き切った。これは、最高裁判事の方々の怒りと悲しみではなかったか。

そして、この判断は、基本に立ち返らず流れに乗って賛同し、多数意見や慣例をそのまま受け入れて実行することの愚かさに対する警告ではないのか、と思う。
行政でも、会社でも、やはり基本的な善悪を踏まえて自分で考えて言うべきことは言うのはしなければならないのだと思う。

冷蔵庫のIoT化が進んでいた

在宅勤務していた理由は、冷蔵庫が月曜に調子悪くなり、本日出張での調査・修理を依頼していたから。
量販店購入なので、保守サービスは量販店からの手配なのだが、いつもと違い、地元の電気屋ではなく、メーカーのサービスマンが来てくれた。

冷蔵庫はデータを記録していた

サービスマンは、症状を確認したあと、まず最初に「データを見てみます」と行って、冷蔵庫内のパネルのネジを一枚外し、基盤を露出させ、そこにコードを接続した。

「これで各庫の温度をみてみますね」
「温度データを全部取ってたんですか。知りませんでした」
「1週間分くらいですけどね」
しばらくすると、サービスマンのタブレットにデータが転送され、あっというまにグラフ表示された。

「温度が上がったのはこの日ですね。上がったのは冷凍庫だけのようですがあってますか」
「はい」
「多分いったん温度が上がってしまったので、その後コンプレッサがフル稼働になったんだと思います」
みたいなやりとりが続き、今は正常に稼働しているが、念のため基盤を一枚交換して完了にするとのことだったので了承した。

作業・修理報告書もペーパーレス

最後に作業・修理報告書にサインするのだが、これもタブレット上で。タブレットペンで2箇所サイン。
「報告書は紙で出せないので、必要であればこのQRコードからPDFを読み込んでいただけますか」
「ぜひお願いします」
と言うことで、スマホでQRを読み込み、電話番号で認証すると、PDFを取り込めた。おお、完全ペーパーレス。素晴らしい。

いつの間にか家電保守の現場はIoT/DX化されていた。





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