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ちょっとしたことで

わが家では、皿洗いは主に僕の仕事だ。
学生時代は3食学食、社会人になっても職場の近所のうどん屋で1日2食という外食生活が日常だった自分は、料理の経験が圧倒的に少ない。
一方、妻はおいしいものをチャチャっと作れる。結果的に、作る係と片づける係という役割分担をした方が、効率が良い(と僕は思っている)。

ところで、皿洗いをした後はどうする?という話。

僕は自然乾燥派だった。
(そういう流派があるのかどうかは知らないけれど)

洗った食器はステンレスの水切りかごに置いておき、自然乾燥。乾いたら食器棚にしまうが、そのまま水切りかごからとって使うこともけっこうある。

食器が山になった水切りかごから、目当てのものをとるときは、それなりの
技術を要する。ガラスのコップに強い衝撃を与えないように、いかに”なだれ”を起さないようにするか、注意が必要だ。
盲点はコンテナタイプのジップロックのふたで、水切りかごから滑り落ち、シンクと冷蔵庫のわずかな隙間へ逃避する、というショックな出来事が2、3度あった。

さて、先日、何が発端だったかは思い出せないけれど、洗った食器をその場でふきんでふき、食器棚へしまう、という選択をした。

いや、これが…

いい。

何がいいかと言えば、気持ちがいい。
以前は、洗った食器を水切りかごに積み上げていき、シンクに何もなくなることが気持ちよかったんだけれど、ふきんでふいて片づけると、今度は水切りかごもきれいになっていく、という気持ちよさを味わえるようになった。1粒で2度おいしいみたいな感覚。

ちょっとしたことで、暮らしは変わる。
「いやいや、それ普通だから」と思われるかもしれないけれど、この小さな変化からバタフライ効果によって、何か大きな変化が生まれることがあるかもしれない…と未来に期待してみる。




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