ミニトマトと娘
保育園から帰ったY(5歳)は、玄関に荷物を置くと、靴を脱がず、そのままふらりと庭に出た。
車に積んだ荷物を片付けていた僕の横を通り過ぎ、家庭菜園がある方に向かった。(小さい声で歌を歌っていたかもしれない)
そうして、赤くなっているミニトマトの方に手を伸ばし、もぎ取り、そのまま食べた。
近くで僕が見ているのを知ってか知らずか、僕に「食べていい?」と聞くことはなかった。
なんというか、彼女の一連の動きが水が流れるようにとても自然で、僕はうれしくなった。素敵やな、と思った。
娘が立ち去った後、ミニトマトを見に行くと、緑のままの実だけがいくつか残されていた。
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