見出し画像

上司から学ぶこと

1つ前の記事でも書きましたが、B社では今までにない経験をすることも多く、ある意味でとても勉強になりました。そのうちの一つを紹介します。



労基法より時間割


B社では社長も役員も社員も、みんな一斉に同じ時間にお昼休憩を取ります。工場でもないのになぜ?と、私にとってはそれだけでも違和感満載だったのですが、ある日かなり衝撃的なことが起こりました。

これは今でも腑に落ちていないし、気持ち悪いなと思っています。

それは入社して数ヶ月経ったある日のこと。
海外にいる社員から「どうしても急ぎでミーティングしたい」との依頼があり、スケジュールの関係で12時~12時半の枠で実施することになりました。

そうです、日本の時間割では "おひるのじかん" です。
(みなさん手を合わせて、はい、いただきます!って書くと食堂でもありそうですが、そんなのありません。みんなそれぞれ外食したり休憩スペースで食べたり。でも時間は一緒。そんなおひるのじかんです。)

そのミーティングは内容的に緊急度が高いし、当然仕事を優先するのが普通だと思っていた私はその時間でのミーティングを快諾し、一応上司に言っとくか~くらいの感じで報告しました。

私「どうしても先方がここしか時間が取れないようなので、ミーティングに参加します。その分お昼は後ろに時間ずらして取りますね?」

上司「申し訳ないけど、それはできない」


え、どゆこと???と思ったのですが、入社したばかりだったこともあり、こんな事で話し合う時間ももったないと思い、「あー分かりましたー」と気のない返事をして普通に従いました。

「基本的にはお昼時間に業務を入れてはいけないから」というそれらしい理由を言ってましたが、その話ぶりから「お昼終了後に部下が遅れて帰ってきたら目立ってしまう」「何か言われるのは俺だ」という自己保身の塊のような心理が透けて見えていました。

そのくせ業務自体はやってほしいとのことだったので、お昼休憩を30分犠牲にして対応しました。

労基法より周りの社員の目が大切な会社……。
ね、やばくない?

そして上記の回答をしたのが、なりたて係長さんとかではなく、部長であったことを考えると、その裁量権のなさ、判断力のなさにうんざりする私の気持ちも少し理解してもらえるのではないかと思います。

この時に「なんだかこの会社はビジネスをしているのではなく、本当に学校みたいだな」と思ったのを覚えています。業務の内容や質よりも、みんな一緒に行動すること、輪を乱さないことが大事なんだと。
とにかく会社に来て8時間席に座っていれば何の成果も出さなくても怒られなそうだなぁ……なんて思ったりもしました。


少し釈明を……

ちなみにその上司がB社の基準だと思われると、それはまた違うので釈明しておくと、彼は私が今まで会った中でもかなり強烈な部類に入ります。

色々とエピソードはありますが、
「働いていた数年間で社内外含めて、彼のことを良く言う人が一人もいなかった」という事実だけでお察しいただけるかと思います。

これが自分の上司というのは、絶望的でありつつも、ある意味とても貴重な機会でした。

「人からの信頼を得ること」
仕事を進める上では当たり前のようなこのことを改めて見直す機会になりました。

7つの習慣で「信頼残高」という概念が出てきます。信頼を少しずつ少しずつ貯めていくのは大変、でも引き落とされるのは一瞬という考え方です。

彼を見ていると、3分に1度チャリーンチャリーンと信頼残高が減っていく音が聞こえてくるようで、でももうとっくに残高はないはずなので、かなりの信頼借金をしているのだろうと思います。(←失礼)


たくさんの上司の影響

上記のように、そんな状況でもそれなりに教訓を得て自分の中で消化できたのは、"そうでない上司" にたくさん出会ってきたからだと思っています。
尊敬できる上司を何人も知っているので、その対極にいる彼の言動に怒り絶望しつつも、そこから学べる余裕が持てたのではと思います。

ちなみに今の会社の上司はみんな揃って、頭が良くて仕事ができる、褒め上手、個人を尊重してくれる、ユーモアも持ち合わせていてコミュ力高いという恵まれた環境です。

こうなってやっぱり思うのは
素晴らしい上司と一緒に働く方が学ぶことが数万倍多いわね、です。

結局ね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?