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空腹で食べ物エッセイを読むとキマるよ。(読書感想文的な)

空腹で食べ物エッセイを読むが好きです。

って言うと、友だち全員から「はぁ?」って言われるんですが、本当にいいんですよ。
自分の食欲×極限状態で研ぎ澄まされた感性×著者の書く素晴らしく美味しそうな文章

サウナに行って「整う〜」のあれと感じです。
もしかしたら、焼肉の香りを嗅ぎながら白米食べる人とも一緒かも(あんまり良くなさそう)

とにかく、私は食べ物エッセイを何倍も楽しむライフハックだと思ってます。


今回の私の空腹のお供は、
◎益田ミリさんの「最初の、ひとくち」です。

自分の記憶のアルバムを開くトリガーみたいな本でした。小さい頃、初めて食べ物を口にした時の感動とか、思い出とか、忘れてたけど、私にもあったな〜と、思い出しました。読みながら、なんだか胸になつかしさと、あったかい気持ちがじわじわ湧いてくる、そんな本でした。

ちょうどいいので、この本を読んで思い出した食べ物にまつわるエピソードを一つ書いてみました。


特製バナナジュース
私が幼稚園生くらいの頃、家にあるバナナが一気に(それも複数)死にかけた時に急遽作られるやつ。バナナって家庭に身近な果物だけど、その分家の中の背景と化して、誰にも気づかれないまま黒くなってたりする。そうして「あ!」と大体母親が気づいて、突然バナナジュースパーティーが開催されるのがお決まりのパターンでした。(と書いてて気づいたけど、昔はバナナって貴重な食べ物で風邪の時にしか食べられなかったって母親は言ってたな)

覚えてる範囲でレシピを書くと

  • 激甘しにかけバナナ(1〜2本)

  • 牛乳(忘れた)

  • スーパーカップ(半分くらい)

  • 砂糖(忘れた)

  • バニラエッセンス(1〜2滴)

  • 氷(製氷機でできたやつ3〜4個くらい)

これを全てミキサーに入れて、氷が残るくらいで止めて完成。冷たくてしゃりしゃりしてて、バナナのとろっとした食感も残ってて、しゃりとろって感じ。全体的にはスムージーっぽい感じかも。

…わかると思うんですが、かなり激甘です。
私の母親は甘さ控えめって言葉を知らないので、欲望を全て詰め込んだぞ、って感じのバナナジュース。さらにこのジュースは、バナナの死に際にしか作れないから、自分の意図してないタイミングで作られる、そのわからない感じがティアが高くて、幼稚児の私には、本当に夢のご褒美みたいなジュースだった。(それに幼いと味覚って繊細だからより美味しかったんだと思う。)

今思うと、いや、とんでもないカロリー爆弾じゃんって思うけど、でも時々、あれを飲みたくなる。母親が台所でミキサーを出して作ろうとしてる姿を見てわくわくした気持ちとか、コップ一杯に注いでもらっても、美味しくてすぐなくなっちゃう(なくならないで〜!)って思ってた気持ちとか、いろんなことを思い出す。あ〜大人になったからいつでもできちゃうんだよな、バナナジュース。わくわくしながら、また作ってみようかな。

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