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木と草と土にふれて、幸せを感じる。

外に出るのは怖い。
最近はしばらくその感覚が続いていたのですが、昨日は少し違いました。

家にずっといると、ふと、外に出たくなる時がくると思います。
私は、昨日の夕方にそれがきました。

5分、10分だけでも散歩してみようか。
そう思い、軽く身支度をして外に出ました。

その日は曇り空。
暑くもなく寒くもなく、ただ湿った重みのある空気が体にまとわりついてきました。

ちょっとマスクが苦しい気がして。
せっかくだから外の空気を吸いたくて。
人がいない瞬間にマスクを鼻の下に下ろしたり、また上げたり、ちょこちょこ顔まわりに触れながら歩き進みました。

10分くらい歩いたら、大きな公園があります。
公園に着くと、不思議に自然と、もっと中に入りたいと思いました。

平日の夕方なので、公園には何人かの小学生と、運動する大人の方がちらほら来ていました。
子どもたちのはしゃぎ声と、鳥の鳴き声が優しく耳に入ってきました。

公園の中央には広場があって、いくつかのテーブルとベンチが設置されています。
その一つに腰を下ろして、頬杖をついて、周りをぼんやりと眺めました。

数羽の鳥が、まるで言葉を交わすように鳴いています。
たくさんの木と、草が、梅雨らしい静かな緑色で、そこにたたずんでいます。
重たい風が、そっと髪を揺らしていきます。

私は、もっと近くに行きたくて、たまらず立ち上がりました。
そして目の前の大きな木に歩み寄り、その根元に座らせてもらいました。

背中に当たる、ゴツゴツした木肌。
足に優しく応える、柔らかい土。
目の前に広がる、草、草、草・・・
そしてその間を走り回る、たくさんの虫たち。

家の中にいては感じられない、数々の命が、私の周りにたくさん感じられました。
私の感慨なんかちっとも知らないで、みんなそこで、ただひたすらに生きています。

私の体が、頭のてっぺんから足の先まで、いっぱいに気持ちよさを感じていました。
そうそう、こうやってのびのびしたかったんだよと、
頭も腕も背中も足も、一斉に私に訴えてくるようでした。

たまには外に出た方がいいんだなぁ。
外ってこんなに気持ちいいんだなぁ。

そう思いながら、息を吸って、吐いて、いつの間にか時間がたっていました。

その日は帰ってすぐに夕寝して、夜もぐっすり眠ることができました。
無意識の緊張がほどけたかのように、体は少し疲れていました。
それがいい状態だということは、自分でも分かりました。

これからもあの公園には、度々訪れようと思います。

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