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『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5 

ジョーカーと破局したハーレイ・クインが、裏社会を仕切るブラックマスクが狙うダイヤを盗んだ少女 カサンドラ・ケインを巡る騒動に巻き込まれる。

本来の作品名は『BIRDS OF PREY (AND THE FANTABULOUS EMANCIPATION OF ONE HARLEY QUINN)』。DCコミックスの女性中心のヒーローチーム「バーズ・オブ・プレイ」の実写化作品だが、主人公は完全にハーレイ・クインであり、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』という邦題の方が作品の内容を表している。

そもそも本作はチーム物としての形を成していない。物語はハーレイ視点で彼女のナレーションとともに進み、主要人物たちが初めて手を組むのは物語の最も終盤。手を組む理由は、バラバラに行動していたのが偶然揃った際に、手を組まないと危険な状況が起こったから。ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のような友情ドラマ的な盛り上がりには欠ける。

『BIRDS OF PREY』なのは、ヒーローチームの実写化というより、複数人の女性が活躍する作品の実写化ということだろうか。尺の大部分がハーレイの描写に割かれている為、ハーレイ以外の登場人物に愛着が湧くかは微妙なところ。いずれもわりと記号的で、脳筋型の面白キャラなヘレナ(ハントレス)にはちょっと戸惑いも覚える。

不良vs悪党のポップでクレイジーなストリート大乱闘は楽しかった。ハーレイ・クインというキャラクターの魅力も、演じるマーゴット・ロビーの高い身体能力も、完璧に発揮されている。2016年の映画『スーサイド・スクワッド』に多くの人が期待していたのは、今作のような作品だったんじゃないかとも思う。

本作の物語におけるバーズ・オブ・プレイとは、後日談でダイナとヘレナとレニーの三人が組んだ自警団の名前だった。この三人に次作があれば、更にバーバラ・ゴードンを仲間に加えて、作品名はずばり『バーズ・オブ・プレイ』になるのかな。その時こそ、彼女らのより人間的な掘り下げと、チーム物らしい盛り上がりに期待したい。

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