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日本語アカウントの歩み ②公式アカウントとの接触と東京の中心でロシア語チャントを叫んだ男。

今回は、筆者が運営するサッカークラブの日本語版Twitterファンアカウント(当時)が、クラブ公式Twitterと接触した話を記したい。

アカウント立ち上げ話と、美女サポーターを取り上げたことで、フォロワー数獲得に繋がった話は、前回書いたとおりである。

幸先よくスタートした活動だったが、ロシアのサッカーに興味を示す人も少なく、発信側もすぐにネタ切れ状態。当時、クラブに起こった情報だけを翻訳し、発信していた日本語版Twitterアカウント。あまりにもマニアックな情報は拡散されにくい。

そんな矢先、2015年5月にチームが2年ぶりのロシア・プレミアリーグ優勝を果たす。チームは大盛り上がりし、日本のサッカーサイトでも軽く報じられた。

無論、当日本語アカウントも、リーグ制覇関連のニュースをしきりに報じ、少しでも、拡散されるよう動いた。すると、思わぬ方向へ拡散される。

【クラブ公式Twitterアカウントとの接触】

2014年5月14日
一通のDMが日本語アカウントに届く。送り主は、応援するロシアのサッカークラブ公式アカウントだった。どうやら優勝関連のツイートが公式側に届いたらしい。

彼らは、日本語アカウントを運営する筆者の素性を尋ねた。この時、ロシア語でコンタクトできたのは、かなり大きかったと思う。話はかなりトントン拍子で進んだ。

当時、クラブ側はロシア語の他に、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語のサイトを運営(しかし、実態は露、英、独語の更新がほとんど)。アジアには目を向けていなかったクラブとしては、日本にファンがいて、ファンアカウントを作っているということに驚いていた。

【Mission:応援ビデオを制作せよ】

筆者にコンタクトを取った人物(男性)は、クラブのPR部門に属し、公式Twitterを運営したり、クラブ公式サイトを更新するかなり広報では中心的人物であった。

彼は、筆者に「ロシア語でクラブのチャント(応援歌)を歌い、それを送ってほしい」と図々しく頼んできた。しかも、課題曲付きでだ。
クラブ側が「是非に」と頼むものだから、いちサポーターとして、断るわけにはいかない。私は大学の後輩に撮影を頼み、応援動画を撮ることした。

【東京の中心でロシア語チャントを叫んだ男。】

筆者は、応援ビデオの撮影地を東京(筆者は都内在住)の、各スポットにすることを決めた。また動画の構成は、東京の各スポットでチャントのワンフレーズを歌い、最後に編集で一つのチャントとして完成 というものだった。

チャントを通し、ロシアのサポーターに「日本にも仲間がいること」と「東京の観光紹介」を伝えるというテーマも込めた。

その動画が↑のものだ。(画質がかなり悪いので、見えにくいです・・・)

撮影時はかなり恥ずかしかったのを鮮明に覚えている。謎の言語を白昼堂々東京の中心で叫んでいるのは、おかしな光景だったろう。もう一度撮れと言われても、絶対に撮りたくない。

ちなみに動画は約8万回の再生数に達し、コメントもいくつかもらった。

以降、動画を機にインタビューを公式サイトに載せてもらったり、公式側で日本語版Twitterアカウントを宣伝してくれ、フォロワー数が増えた。またクラブ側承認下での活動となる。

今振り返るとめちゃくちゃな要求だし、わかるのロシア人で日本側にメリット無い企画だったが、クラブへの忠誠心やリスペクトする姿勢を伝えるには、最適な企画だったと思う。文章だけでは伝わらない「クラブ愛」みたいなものは、実際に自ら動かないと発信できない。

【余談:やってみると意外とくる】

余談になるが、好きなクラブを勝手にSNS等で応援し、情報を発信したりすると、意外とクラブ側から近づいてくるものだ。これは自分自身の経験談でもあるし、他のクラブ日本語アカウントを見ていてもそうだ。

「日本語版アカウント」「日本サポータークラブ(非公式)」「〜ジャパン」というTwitterアカウントは多く、マニアックな話題をバンバン発信している。
彼らも初めは、筆者と同じように、応援するクラブの情報を伝えようというスタート地点から活動を始めているし、結果的に今、クラブ公式側ともコンタクトを取れる関係性を構築している。
またニューカッスルやレスターの情報発信をするアカウントは、日本人選手加入により、単なるファンアカウントというよりも、いちメディアとして扱われている。

クラブ側はファンがある種「ボランティア」で活動し、チーム情報などを異なる言語で報じてくれるのだから、おいしい話なのだろう。

だからこそ、利用されるとわかっていても、もし好きなチームがあり、日本で情報が少ないのだとしたら、ぜひ日本語版アカウントを名乗り、活動してみてほしい。粘り強く活動すれば、必ずどこかで報われる日がくるし、また報われる人が現れる。

以上が筆者のアカウントがクラブ公式アカウントに見つかるまでの話とその余談でした。


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