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【保護者向け・高校受験】塾選びのコツ〜塾のオリジナルテキストってあり?なし?〜

公立小学校から地元の中学校へそのまま進学した生徒たちにとって、その後の人生を大きく左右する高校受験。
結果によってはその後の人生を大きく左右する経験になるからこそ、失敗して欲しくないですよね。
『情報を制す者は戦いを制す』
なんてよくいうものですが、なかなか中学校の先生たちは高校受験のことを教えてくれないことがほとんど。
子どもたちにとって、人生初めての大きなターニングポイントになるかもしれない大切な「高校受験」だからこそ、わからないことばかりで不安になる親御様も多いのではないでしょうか。

かく言う筆者も大阪市内で学習塾の教室長をしておりましたので
「高校受験が不安」
という理由で学習塾を検討される親御様を数多く見てきました。

そんなお気持ちに応えるためにも、多くの中学生のお子様を持つ親御様にとって学習塾は受験対策における頼れる味方であるべきだと思います。
だからこそ、せっかくの高校受験を成功させるためにも、
塾選びは適切に行ってほしいものです。

ただ一概に学習塾といっても、特に都市部ではたくさんの学習塾があり
どのような運営を行っている教室がよりお子様に合うのか気になるところなのではないでしょうか?

筆者の教室長として生徒たちと接してきた経験から、
塾選びをする上で最も必要なのは
「その生徒さんにとって、正しい努力の方向を示せるかどうか」
だと考えています。
勉強にとっての「正しい方向」とは、大まかにはカリキュラムがその生徒に合っているかどうか。具体的には、日々の授業や毎週の宿題などの課題が、生徒の今のレベルと、目指すべき志望校などゴールのレベルに合っているかどうかが大切になってくるのです。

こう聞いてみると、
「生徒に合っていないカリキュラムを提供している塾ってあるの?」
という疑問をもたれるかもしれません。
特に個別指導塾では「完全オーダーメイドのカリキュラム」を謳う教室も多いですし、集団指導塾でも生徒のレベルごとにクラス分けしている教室が多くあります。
となると、どの教室に通っても問題ないようにも思えますが、ここに落とし穴があるのです。それは、自由なカリキュラムを組むことができたとしても、使うテキストに制約のある場合がありうることです。
例えば、大手塾ではオリジナルテキストを発行している教室も多く、授業での進め方(=カリキュラム)はオーダーメイドでも、教材はその塾を運営する会社が用意したものを使う必要があることがあります。

前置きが長くなってしまいましたが、
今回の記事ではこの「オリジナリテキスト」のメリットデメリットについて解説しながら、教材という角度から考える塾選びのコツをお伝えさせていただきます。


オリジナリテキストとは

ここでのオリジナルテキストとは市販の教材ではなく学習塾/運営会社が作成した教材を指します。
多くの学習教材は以下の分類の作成者のもとで出版されます。

①教科書など学校教材
②塾・学校向け教材
③学習塾運営会社が作成する自塾に通う生徒向け教材
④市販教材

①の学校教材は主に学校で配布される教材になります。こちらは文科省により採択されたもので、小中学校では生徒まで無償で配布されます。

学習塾で使用されるのは主に②〜④で、どのような教材を用いて指導を行うのかは塾によって異なり、考え方も千差万別になります。

筆者も自らの教室長経験に加えて、いくつかの学習塾での講師も経験しており、その塾の運営会社や教室長によってそれぞれの教室で意見が違うことを目の当たりにしてきました。
そんな経験の中で、教材選びはその塾の特徴を表しているものであり
生徒のことをどれだけ考えた教室運営をしているのかの指標になるものだと考えています。

その中で、特にオリジナルのテキストを用いる教室について、消費者の心理としては、「塾が作った教材」にはその塾ならではのノウハウが詰まっていて、より成績を上げるためにこだわり抜いたものなようにも感じられますが
実際のところはそうでない場合も多くあるのです。

オリジナリテキストを用いることのメリットと注意点

この学習塾が用意する「オリジナリテキスト」を用いた指導に関する
メリット・デメリットを整理しながらご説明していきます。

1、その塾特有の教え方ができる

自社で作成するオリジナルテキストは、
多くの場合通う生徒たちのレベル感や目指すものが一定であることを前提に教材が作成されているため、幅広い層のユーザーに向けて作られることの多い市販教材ではできないようなクリティカルで無駄のない学習が出来るようなものになっています。
例えば高い指導力を持つ集団塾などでは、より難度の高い問題を多く選定し、先生の解説ありきでより効率良く難しい問題にアプローチできるように設計されている場合があり、これは先生の指導を生かしながら多くの問題に取り組めるという面で大きなメリットがあるように思います。

また、学習内容だけでなく「勉強の仕方」などを指導するような学習塾の場合だと、生徒たちがより自立して学習できるように生徒自身が解説を読んで学習時内容を理解できるような設計がなされていることがあります。
最近だと、勉強方法や勉強習慣を謳う学習塾も多くございますが、自社で作成したテキストを用いた日々の勉強を通して、勉強内容に習熟や偏差値の向上だけでなく生徒たちの定性的な成長ができるようにより効率的な指導ができるというものになっています。

2、定期テストや志望校など目標に絞った指導ができる

この目標に合わせて問題選定ができることがオリジナルテキストを用いて指導することの一番の強みになるのではないでしょうか。
その教室に特定の学校の生徒しか通っていないような場合、講師がその学校ごとに定期テストの分析を行なうことで、学校別のテスト対策を行うこともできます。

これはかなり大きなメリットになるのではないでしょうか。
学校ごとに定期テストの難易度や出題傾向が異なるため、熱心な先生がいる塾だと、その学校の定期テストに対応して、必要な問題に絞った予想問題を作成してくれるようなこともあります。

また、進学塾の場合だと多くの生徒が難関公立高校を目指すため、
標準レベルの公立高校入試に特化したテキストが中1の段階から用意されることもあります。
そうすることで、中学1年生の頃から3年間公立高校の入試問題を解き続けることになりますので、周りの受験生よりも過去問演習の回数が多くより生徒たちが傾向を掴みやすいというのも大きなメリットです。
ただ、ここで注意してほしいのはこのような公立高校入試に特化した指導をする学習塾に通ってしまうと、特殊な出題傾向を持つ一部私立高校や高専など、高偏差値かつ入試問題に癖のある学校へ行くことが難しくなる場合もありますので、進学塾であるからという理由ではなくきちんと志望校にあった勉強ができるのかどうかは確認するべきかと思われます。

3、使う生徒によって合う/合わない発生してしまう

当たり前ではありますが自社でテキストを作成するということにより会社としてはその分経費がかかってきてしまうため、経営陣からするとより多くの生徒に対して作成したテキストを販売することで、より多くの売上を立てる必要性が発生します。
そのため、オリジナルテキストがある塾の場合、自塾に通うすべての生徒に教材を購入させようと営業活動を行うことが多くあります。

学習塾も商売である以上、営業活動を行うことは否定しませんが、
その教材を用いて学習することが本当にその生徒にとって合っているのかどうかは、親御様の目線からも確認されることをお勧めします。

例えば、有名な進学塾で、入塾するために事前の試験があり、
教室に通う生徒に対して一定の学力レベルが担保されているような場合だと、通塾する生徒が一定以上の基礎学力があることから、特定のレベルに絞った教材を使ったとしても問題ないかと思います。

しかしながら、入塾試験などなく幅広い学力層の生徒の対応をする教室だと注意が必要になります。
少し裏話になってしまうのですが、大手の個別指導塾では教室長に営業ノルマがかかっている場合もあり、このノルマは教材費も含めた売上によって計算されます。つまり、その生徒に合う合わないではなく、
「(売上に換算される)自社テキストだから」
という理由で教材をお薦めされるような事案もありえるということです。

実際に、筆者が教室長をしていた時にも体験入塾に来た生徒に
「前の塾で使っていた教材持ってきてね」と伝えて持参してもらったところ、その子のレベルに全然合っていない教材を使っていた、なんてことも多くありました。

また、教材選びは学力による切り分けだけでうまく行くものではありません。意外と見落としがちなのですが、生徒によって合う勉強方法は千差万別。
ちゃんと納得しないとなかな先に進めない生徒や、
勉強内容を理解せず暗記で乗り切ろうとしてしまう生徒など、
勉強スタイル得意不得意とその理由はそれぞれ全然違います。
だからこそ、あらかじめその学習塾によって用意されたたった数タイプの教材だけで、全ての生徒に合わせることなど不可能なように筆者は思います。

4、先生の質を一定にすることができる

最後に、こちらはかなり裏話になります。
個別指導塾ですと多くの場合大学生のアルバイト講師が生徒たちの指導をすることになります。
ここで注意してほしいのが先生の質は均一ではないということです。
大学生ということで、社会人経験がないことによる経験不足だけではなく、実は、あまり偏差値の高くない大学に通われている学生が講師として勤務するケースも多く見受けられます。
昨今の人手不足により塾業界も人材を確保することが難しくなっていることに加えて、ビジネスとしての学習塾が薄利多売型のビジネスモデルに変化しつつあるため、採用にお金を掛けることができなくなっていることが原因として考えられます。

このような場合において自社テキストのみを扱う場合だと、誰でも同じ指導ができるようにテキストに沿ったマニュアルを準備することが可能になるため、未経験、勉強の出来の有無に関わらず講師として勤務することが可能になるのです。
実際に大手個別指導塾の講師募集を除いてみると
「完全自社テキストのためマニュアル通りの指導OK」
の表記があることもあります。
先生のハズレがないことは一つメリットなようにも感じますが、せっかく塾に通うのだから勉強の得意なプロ講師に教えてほしいような気もしますね。

このように、オリジナルテキストを自社で作ることによって、各先生にあらかじめ指導書を渡しておき、各講師はただ指導書の通りに勉強をみるだけで、その1コマのい授業が成り立つという状態を作ることができるのです。

まとめ

中学生の子を持つ親御様にとって、学習塾探しは一つの悩みの種だという話をよく耳にします。ママ友の口コミや、いろんな比較サイトなどを覗きながら色々頭を抱えて悩まれることも多いのではないかと思います。
弊団体でも教育や学習塾の相談など受け付けますので
何かご質問などございましたらいつでも無料で相談させていただきますので
お気軽に下記メールアドレスまでご質問いただければと思います。
コメントやいいねもお待ちしています!

この記事の筆者紹介 

定期テスト5科目の合計が150点、模試偏差値37.5だった中学時代を経て、どうにか滑り込みで大阪の私立高校(偏差値47)に入学。
その後高校1年生のうちから大学受験対策に取り組み、第一志望だった関西学院大学文学部に逆転合格。大学では中学時代からの趣味である読書が転じてアメリカ文学を専攻する。
学生時代から大手学習塾/家庭教師を数社経験したのち、個人経営の学習塾にて教室長として2年間従事。そこで教室の拡大及び黒字転換を経験する。現在は上場IT企業でセールスとして働きながら、YouTubeチャンネル「ヤマケンスクール」の運営に携わる。保有資格は普通自動車運転免許と小型船舶操縦士免許。好きな言葉は「成りあがり」
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相談などの連絡先(完全無料)
 yamaken.english.official@gmail.com (担当:田中)
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