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明るい人。

私には3歳年上の姉がいる。
周りには一人っ子かと思ってた、
と言われることが多いのだが
妹っ気のない自覚はある。

なんでかというと、
私の姉は大学生の頃、つまり私が高校生の頃
精神的に転落してしまった、
俗に言う鬱病というやつ。
私にあれやこれや教えてくれていた姉はいなくなり
いつしか私を怯えるような目で見るようになり
10年経った今ではまるで他人様のように私を眺めている。
姉妹という関係は私が高校生の頃に崩壊していた。
姉が鬱病になってから
大学を卒業するのもやっと
バイトなんかとても出来ないくらいの精神状態で
もはや対人恐怖症。
ここ最近は疲れ果てた様子でずーっと寝ている。

鬱病の原因は
父親の暴力と、当時大学での人間関係で
全くもって自信を失ったと推測される。

なんでその逆境に勝てないのか
私にはあまり理解ができない。
少し勇気を出せば
世界は拓けると思うのだけど
見えているものが大きく違っているような気がする。

一番近い存在なのに、私には分からない。


この10年、いやもしかしたら20年以上、
私は、自分の父、母、姉について考えてきた。
自分の中では相当に悩んだし
私にとっては苦しかった
自分のことについても考えさせられた。
でも全て内輪の問題だから何事もないように
笑って過ごしていた

友達には
「ゆきちゃんは変な人にも寛容だよね」とか
「なんでメンタルヘルスの本ばかり読むの」とか
「本当に明るいよね」
と言われるけれど
一番近しい人を理解したいとか、
自分も同じように鬱病になることを恐れている
とか、そういう気持ちが魂胆だと思っている。

大抵、笑って誤魔化しその場を凌ぐ。

でもこうやって
自分の中から外に出すことができるようになったのは
自分の中でも大きな成長だと感じる
家族のことも自分のことも認められるようになったのかな

私にとってこの世の中で一番近い姉の心は
本当にわからないけれど
また10年経ったら私の心境も少し成長しているといいな
と思ったりする。

会う度に分からなくて虚無感に駆られるけど
でもどこかで温かな気持ちになって
やっぱり彼女は姉なのだと感じさせられる。


Life is really simple, but we insist on making it complicated. (Confucius)

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