川岸優樹

政治にも興味のある理系の人間です。 時事ネタ、理系のニュースなどに関わる記事を書いて行…

川岸優樹

政治にも興味のある理系の人間です。 時事ネタ、理系のニュースなどに関わる記事を書いて行こうと思います。

最近の記事

ゲノム編集の原理と応用

生物の設計図であるゲノムを、あたかもワープロソフトで文章を書き換えるかのように自在に編集する―そんな未来がすぐそこまで来ています。2020年、ゲノム編集技術を開発した二人の研究者がノーベル化学賞を受賞しました。二人が開発したゲノム編集技術は「CRISPR-Cas9」(クリスパー・キャスナイン)と呼ばれています。 従来の遺伝子改変技術に比べて圧倒的に簡便で、生物種を問わず機能するこの技術が生まれたことは、生物を思うままに改変することが決して夢ではなくなったことを意味します。そ

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    • 原発処理水の海洋放出は危険?安全?(後編)

      原発処理水の海洋放出問題を考察する記事の後編です。前編では本件を理解する上で必要な基礎知識をまとめました。 後編の本記事では福島第一原発を巡る現状と考えられる課題について考察したいと思います。 福島第一原発の排出するトリチウムの量と濃度 福島第一原発では日々トリチウムを含む処理水が発生し、2020年11月現在で123万m³が敷地内のタンクに保管されています¹。ここには、総量で860兆ベクレルのトリチウムが含まれています²。海洋放出をする場合、ALPS処理によってトリチウム

      • 原発処理水の海洋放出は危険?安全?(前編)

        「いつまでも方針を決めないで先送りをすることはできない」(菅総理) 2020年中にもと予定していた、福島第一原子力発電所から排出される処理水の処分方法の決定が先延ばしされ、菅総理はそう語りました。 福島第一原発の処理水を巡っては「飲んでも大丈夫」「放射性物質を含んでおり危険」等、様々な言説が飛び交い、問題の全貌が見えないという方も少なくないのではないでしょうか。 本当に安全なのか?海洋放出以外の選択肢は無いのか? ここでは、処理水の安全性に関して、公表されているデータと

        • 種苗法改正で何が変わるの?問題点は?

          「種苗法」という聞きなれない法律が近年にわかに注目されています。1998年に公布されたこの法律が改正されるに当たって、芸能界の方も懸念を発信したことで、主にネット上で大きく話題になりました。改正に賛成する意見と反対意見が激しくぶつかり合い、何が正しいのかよく分からない状況になっています。 そもそもどんな法律なのか?改正されることで私たちの生活にどう影響するのか?筆者自身は身近に種苗関係の会社に勤める人がおり、また、自分自身も農業に関わることに興味があるので、この法改正で何が

        ゲノム編集の原理と応用