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音楽とともに振り返る列車旅(くろしお徹底比較)

2日目の音楽と列車の旅。前半では3種類の特急「くろしお」を徹底比較しつつ、綴っている。

くろしお1号(パンダくろしお🐼)

大阪熊取の宿をチェックアウトし、特急に乗るべく1駅先の日根野ひねのへ普通電車で向かう。ここから乗り換えるのは特急くろしお1号

イカついつり目にパンダメイクでカッコ可愛くしたこちらは「パンダくろしお」こと『Smileアドベンチャートレイン』。

南紀白浜の『アドベンチャーワールド』とコラボしていて、1両1両に動物がデザイン。座席カバーには看板であるパンダの顔や「パンダくろしお」を先頭にシロクマ、パンダ、バクが列を成した姿があしらわれている。現在は2編成がこの仕様になっていて、今回乗った1号の他4号、25号、26号はダイヤ乱れでの運用変更、故障などよっぽどのことがない限りは「パンダくろしお」に確実に乗れる。

指定で予約したのだが、「パンダくろしお」目当てなのか結構埋まっていて、乗車2週間前で6号車は満席。加えて、8時台の通勤時間帯でスーツ姿の通勤客もちらほらいた。大阪から和歌山方面の需要の多さやこれ自体の人気ぶりを感じる。「プラレール」にもなっているほどだし。

阪和線ときのくに線の前半はスピード感あって、朝っぽい選曲。そして、海沿いということで海にちなんだ曲や夏っぽい曲をセレクトした。

途中、太平洋の海岸ギリギリを走る区間ではサービス減速。『7/13』という曲がスローで波の効果音付きで最高にハマった。そこからの『老人と海』も歌詞の世界のような良い感じで聴いてて楽しかった。

くろしお20号(オーシャンアロー)

白浜でいい湯に浸かって、ヘビーな食事とバスを逃した徒歩でプラマイゼロのヘトヘトになった後は少し北上して御坊ごぼうへ向かう。

乗車したのは2種類目の『オーシャンアロー』。イルカのような顔つきが特徴で「パンダくろしお」デビュー前はきのくに線やJR西日本の看板として、愛称がそのまま列車名となり大活躍していた。僕の子供時代、鉄道系の図鑑や子供向けの鉄道ビデオではほぼ必ず登場していたこともあったほどの栄光があったものの、今では「パンダちゃん」に押されている感がある。登場から20年以上は経っているし、数も少ないから「潮時ではないか?」なんて囁かれていたりもするとかしないとか。

そんな『オーシャンアロー』だが設備はハイグレード。グリーン車はパノラマ展望だし、太平洋側に座席を向けた出入り自由の「ラウンジ」など「パンダ」には無い豪華さがある。さらには制御振り子も搭載しているため、スペックに関してもハイレベルだ。看板列車だったのは伊達ではないし、今でも古さは感じさせない。

帰りは海側の座席を指定して、海を見ながら『ビーサン』『Hull Down』などを聴く。夏ではないものの、海沿いで乗る列車はこういうのが聴いてて楽しい。

“SDGsな”くろしお22号

御坊で紀州鉄道に揺られ、またもやバタつきつつ、くろしお22号で和歌山駅へ北上する。

ここでは再び「パンダくろしお」。ただ前者と大きく異なって、前面のメイクには上に子パンダが乗っかっている。

これは『サステナブルSmileトレイン』。世界的なトレンドである「SDGs」を掛け合わせた「パンダくろしお」だ。17の目標のうち編成に合わせて6つの目標を「アドベンチャーワールド」の動物とともに表現、子パンダが乗っかっているのも「持続可能」を表現してのこと。前者の「パンダくろしお」と異なり、ダイヤは固定されておらず、運転しない日もある。

それでもツイッターの専用公式アカウントでは翌日の運行列車を予め確認でき、狙って乗ることも可能だ。

きのくに線に乗っていると海が美しいのも去ることながら、名産であるみかん畑が山の斜面に広がり、これでもかと線路沿いにたくさんある。今年は台風の影響が極端に少なく、どこの農園もたわわに実って、オレンジ色に染まった。それを見ていたのと、さらに日も少し西に傾いていたこともあって、「オレンジ」と名がつく曲を掛けたくなった。この2曲はお気に入りだから大いに楽しく紀州路を楽しめた。

旧型車時代からくろしおの車種はバラエティに富んでいるが、彩あるし、狙って乗って制覇なんてこともできたりするのは乗り鉄には嬉しいところ。同じ路線でこんなたくさんの車種や色の電車に乗れるところはなかなかない。旅の1添えにもなる。そんな「くろしおファミリー」に是非乗ってみては?

このあと、「たま駅長」のふるさとと関空に向かうことになるのだが、これは次回以降の話。

P.S.今日この記事を投稿しようと準備していると、くろしお20号で訪れた御坊市では強い地震が発生。市役所などに被害が出ているとのこと。つい数日前に行ったばかりで非常に驚き心配です。お見舞いを申し上げるとともに日頃の防災意識に目を向けていきたいと思います。ということで今日はここまで。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。