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栗花落カナヲと決められない僕

こないだフジテレビ系列で放映された鬼滅の刃一挙放送スペシャル。去年末に途中から那田蜘蛛山編最後まで見て、「柱合会議、蝶屋敷編」は裏で被ったM-1を優先して長らく見ていなかった。そんなようやく見れたこのパート。ここで初登場した栗花落つゆりカナヲが気になった。胡蝶こちょうしのぶに師事する「花の呼吸」の使い手として強い能力を持っている。その一方で、実の親から壮絶な虐待を受けた過去から口数が少なく、自分で決めることが出来なくて、しのぶの姉であるカナエから授けられたコインでトスして決めている。その後、カナヲの同期である炭治郎の関わりから、心打たれて変化していく。この自分で決められないカナヲを見ていると自分みたいに思って仕方がない。実際自分も決められない、あるいは決めたことややったことを強く後悔することが多いからだ。

決められないリーダー

政治にせよ、仕事にせよ決められないリーダーは誰でも嫌だと思うだろう。僕もかつて高校の授業のワーク的なことでリーダーをノリで決められたときは経験が無い上、あまり決められず、なかなか進められなかったことがあった。さらに、大学のサークルでは僕が代表をやらねばと決まったが、やりたいことが見出せず、いろんな先輩と話していてもそれが分からないことがほとんどで僕は屁理屈ばかり言っていた。それが災いして後輩から「無能」と非難されるまでに至った。

「やりたいことはなんや?」

これはある日父から問い正されたときに言われた一言。これを聞かれた僕は黙りを貫き、答えることで何を言われるか分からない恐怖に怯えていた。昔は電車の運転士になりたいなんて言っていて、比較的現実性の高い夢を語りまくっていた。しかし、自己肯定感が下がった高校時代には根拠無しに自分は鉄道には向いていないと親の前で駄々をこねて見かねた母から「じゃあそうしなさい」的なことを言われて一度諦めたことを覚えている。
あの後、鉄道でバイトして、ラジオDJをやるなどでそれらに憧れを抱いたこともあったが、何もやらなさ過ぎたのと厳しい環境に対する不安から結局一旦諦めている。

決断したとて

僕が今までで一番大きな決断と思っているのが、絶交したことと大学の軽音、ラジオサークルを各々辞めたときぐらい。いずれもネガティヴで逃げるために決断した故に、まだ決断することに自信がないし、軽音の場合は止められたし、卒業後の追いコンを訪ねてみると、僕のことを慕ってくれている人が多く辞めたことを強く悔やんだ。そして、告白する決断したときに至っては結果的に振られた上に、告る場所、タイミングも全て間違えていた。今思うと告るべきではなかった上に、気まずくさせ、せっかくフィーリングが良かった人を手放すような真似をしてしまったことは今でも消えない後悔なのだ。いくら離れても忘れることなどできないトラウマのようだ。

決められない所以と思う過去

第一子の長男坊ではあるが、友達付き合いが少なく、学校生活でリードするなんてことが少なかった。その上、一番身近にいた人は自己中で言われるがままにならないと孤独になりそうで怖かった。
家でも親に歯向かったら何されるか分からなかったり、長定規で脅されたこともあったから、ただただ「親の言う通りにしないと」と思って行動していた。加えて、僕が幼稚園時代に相手を泣かせ謝罪するなんてことがあったり、1人で遊んでいたときに用水路に転落し流されるなどして信用度が大幅に下がったことでより従わなければと思うようにもなった。結果的に、丸くはなって優しくなれたりしている今だが、自分の感情の一部を押し殺した結果、落ちぶれるようになったり、自己肯定感が低くて、メンヘラ気質が頻繁に出て、非難されまくった。そして、自分の意見を持つことを諦めることにも。

栗花落カナヲの姿や過去から決められない、決断する自信の無さについて綴った今回。失敗を重ねたことやニュースで見た「決められない政治」が国会や国民からひんしゅくを買っていたのが頭によぎりでこういうことがいかにカッコ悪くて非難されるのかが分かった。ただ、その根本は未だに癒えないまま。こういうのを口に出すと厳しいことを言われることは承知している。でもそう考えると逆に怖くてたまらなくなる。慎重なことは安全性ではいいことだが、いつかは決断しないと。いろんな人から刺激されて考えは変わるもんではあるが、改善にはなかなか根深い。何かいいきっかけが欲しい。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。