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びわ湖の日40年

今日は「びわ湖の日」。滋賀県民にとっては大切な1日と言っても過言ではない。
この日の由来というのは、「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」が制定された日であり、その制定から1年を記念して「びわ湖の日」が誕生。今年は制定40年という節目を迎えた。

かつての琵琶湖と背景

今から40年以上前は合成洗剤には「リン」という添加物が入っているのが当たり前だった。それによって下水が汚染され、プランクトンが大量に繁殖、琵琶湖で赤潮が発生することが日常茶飯事だった。琵琶湖に生息するアユ、コイが大量に死んでしまい、水道水からは異臭が発生したり、味覚障害が起きるなど、名だたる公害に等しいレベルまで環境が悪化した。
そんな琵琶湖の汚染に歯止めをかけようと、主婦を中心として「石けん運動」が展開、「合成洗剤ではなく粉石けんで洗濯をしよう」というデモなどが県内各地で繰り広げられた。

県民が動かした。

その運動が身を結び、1980年7月1日、滋賀県は、琵琶湖の富栄養化の原因となる窒素、「リン」の排出規制等を定めた「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」(通称琵琶湖条例)を施行することとなった。
そして、洗剤を販売する日用品大手各社では「リン」を使用しない洗剤を発売するようになり、今では逆に「リン」を使うことがなくなった。

「びわ湖の日」の今

1996年には滋賀県の条例でこの日が定められたほか、学校教育でもこの日が県民にとっていかに大事かを学ぶために、河川や道路などを全校生徒や学年単位で清掃活動を行うことがある。また、「うみのこ」の学習もその一環だろう。僕自身も滋賀に住んでいた当時はこの話はよく聞いていたと同時に、この日によく清掃し、いろんなゴミを集め、街、川、湖岸などをきれいにしたもんだった。

あのゆるキャラも

滋賀県域のローカルテレビ局「びわ湖放送(BBC)」のゆるキャラ「野洲のおっさんカイツブリ」。2011年からこの日にゴールする形で琵琶湖一周260㎞を歩いて行脚し、地元民と触れ合う交流をしている。10年となる今年は「びわ湖の日」40周年を記念し、清掃活動しながら琵琶湖一周を歩いている。
他県民からしたら耳馴染みないキャラだが、びわ湖放送のCM中に「野洲のおっさんカイツブリ」の歌が流れていて、

ゴールデンタイムでも頻繁に流れていた他、健診や詐欺の啓発などで広告塔として活躍する機会が増え、琵琶湖一周での人気ぶりも凄まじい。
ちなみに、触れ合いではトレードマークである「バーコードヘアー」を撫でている姿が散見されるが、ビリケンさんの足みたいにご利益があるのだろうか?(今年は感染対策として非接触でさわる「エアバーコード」が推奨されている。)

こんな風に、子どもからゆるキャラまで老若男女問わず、県民が琵琶湖に感謝して、琵琶湖をきれいにしている。それが「びわ湖の日」なんだと思う。滋賀県民の琵琶湖に対する大きな思いがいろんなところで変革をもたらすきっかけがそこにあって、先人たちが琵琶湖を守ってくれたと思うとありがたい気持ちになる。滋賀県に住んでいて良かったなぁと思えるし、今でもその愛情は忘れることはない。この日を多くの人に知ってもらいたいなぁと思って止まない。そんな今日は琵琶湖に想いを馳せてみようではないか。

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