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むしろこっちが“県民の歌”

全国43の都道府県には「都道府県民歌」が制定されている。

秋田のように老若男女みんな歌えるというのもあるが、それ以外では、あったとしても「知らない」「聴いたことがない」という人が多い。

かくいう僕の故郷「滋賀県民の歌」を全く知らずに滋賀で14年育ってきた。そんな歌をこの記事で知ることとなり非常に驚いた。

聴いてみると、レトロで校歌にも通づる雰囲気。作曲は古関裕而。朝ドラ『エール』の主人公のモデルで「六甲おろし」『栄冠は君に輝く』などの名曲生みの親だ。それなのに、なぜここまで伝承されないのかが気になってしまう。

一方で

むしろ、こっちが「県民の歌」じゃね?

と思う歌なら最低3つはある。

琵琶湖周航の歌

加藤登紀子さんが歌う『琵琶湖周航の歌』。琵琶湖岸には歌碑が多く、琵琶湖大橋ではアスファルトの溝で音が鳴る「メロディーロード」にも採用されているほど。

ただ、10代、20代はメロディすら知らない人が多い。現在25歳の僕も「県民の歌」と勧めておきながらメロディすら知らず、小学校で教わった記憶もない。

それでも、このことにショックを受けたという滋賀県長浜市出身のデュオ「Lefaリーファ」がカバーするなど伝承の動きもある。

かけっことびっこ

滋賀県発祥のスーパー「平和堂」のテーマソング『かけっことびっこ』。平和堂や系列店舗の「アル・プラザ」「フレンドマート」「ビバシティ彦根」で1時間に2回は流れている。店舗数も多い分、県民の間では身近な歌の1つで「アンセム」という異名も持つほど。

2022年には平和堂創業65年を記念し、滋賀県野洲市出身の歌手西川貴教さん(TMレボリューション)がカバーし、実際の店内放送で使用されている。持ち前の高い歌唱力で反響も高く、2022年12月までの限定だったのを好評に付き、2023年以降も継続して使用している。

さらには、吹奏楽アレンジの楽譜が誰でも使えるようになっている。実際に「近江高校」が「夏の甲子園」出場時にはブラスバンドによるこの曲が“聖地”に轟いた。「県民の歌」に相応しい気もしてしまう。

『知ったかぶりカイツブリ』シリーズ

滋賀県域のテレビ局「BBC」こと「びわ湖放送」のCM枠で放送されている『知ったかぶりカイツブリ』をはじめとしたシリーズ。

初期では「滋賀のあるあるネタ」をテーマにした歌が制作。

  • 鉄道にまつわるあるある(湖西線が風で止まる、JRで夏と冬に電車のドアが手動(ボタン式))

  • イギリスの公共放送「BBC」を「びわ湖放送」だと思ってた。

  • 「やんす」「こんす」「きゃんす」は湖北地方(長浜市、米原市)の人

  • 近江大橋と琵琶湖大橋をごっちゃにする。

などユニークで滋賀県民がみんな共感する内容になっている。

その他にも様々なテーマの曲がある。

  • 仏壇屋のCMの「よしこさん」

  • JR草津線

  • “そ”が“ほ”になる江州弁

  • 平和堂のポイントカード「HOPカード」

さらには「Vivaビバビワばあさん」「あのなひのな」などのキャラクターもの、「滋賀ッツマン」「甲賀戦士忍ジャガー」などのヒーロー系など多数。

特に「野洲のおっさんカイツブリ」は毎年「びわ湖の日(7月1日)」前後に「ゴミ拾いしながら徒歩で琵琶湖一周」という企画を始め、SDGsの推進、検診啓発のCMに登場するなど活動の幅が広い。道行く人にトレードマークの「バーコード頭」を撫でられる光景は人気さを象徴している。


久々に故郷滋賀県にまつわる記事を綴ってみた。いくら滋賀に14年住んでいたとて知らないことはたくさんあるし、「エキスパート」と言えるほどでもない僕。

それでも、地元が一番好きだし、意図的に「江州弁」「湖北弁」を使うことも多い。地元を旅をすることもしばしば。こういう記事を久々に綴ってみるとやっぱり愛を再確認するもんだ。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。