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0003 主体性は戦術を超える武器になる

はじめに


おはようございます。
今日は、「主体性は戦術を超える武器になる」というタイトルで、昨日のセミナーの学びのアウトプットをしていきます。
昨晩受講したセミナーは、ボトムアップ理論の提唱者である畑喜美夫先生による「ボトムアップセミナー発展編」です。年間を通して月に1度受講し、今回で8回目になります。

今回のセミナーのテーマは『「役割と責任」を向上させる』でした。
毎回本当に得るものの多いこのセミナーですが、ここでは今回の学びのポイントを3つに絞って整理します。

①組織もサッカーも「役割と責任」で成り立っている
②全員リーダー制
③役割分担の原則

①組織もサッカーも「役割と責任」で成り立っている

サッカーにはそれぞれのポジションがあります。GK、CB、CF…など、選手の特性をもとにポジションが与えられます。また、⑥番⑨番⑩番…と、数字でポジションを表す場合もあります。ゲームの中では、各ポジションごとに与えられた「役割」と、任された役割を担う「責任」でチームが成り立っています。
サッカーと同じように、組織もこの「役割と責任」によって成り立っていると考えることができます。

このように、チームや組織の中で「役割と責任」を明確にすることには、4つのメリットがあります。
Ⅰ 生産性の向上【業務範囲の明確化】
Ⅱ プロセスの改善【業務内容の明確化】
Ⅲ チームの士気を高める【作業や課題の具体化】
Ⅳ 時間や判断などの無駄の削減【質の向上】

つまり、
「役割とは、割り当てるということ(何をするのか)」
「責任とは、立場上、負わなければならない任務や義務(求められる成果)」

であり、「役割と責任」を適材適所に配置することが、組織力を高めることにつながります。

②全員リーダー制

次に、「全員リーダー制」です。
ボトムアップ理論では、「組織構築の3本柱」の一つとして提唱されます。
チームや組織に所属する”みんなが主役”となるための要素です。

WBC栗山監督が日本代表チームを率いる際に最初のミーティングで、
「このチームにキャプテンはおきません」
「皆さん一人ひとりが日本代表なのです」
と伝えたように、全員が「自分がリーダー」という自覚をもつことが、良い組織風土と自己有用感を生み出す第一歩となります。

2023年WBC日本代表

また、SAMURAI BLUE森保一監督も、チームマネジメントにおいてコーチングスタッフの全員リーダー制がみられます。
各コーチが攻撃面、守備面、セットプレー、GK等役割を与え、監督さえも「監督係」と位置付けられます。
「こういう練習を組み立てたい」
「ここを改善した方がいいのでは?」
とアイディアを出し合い、その中で最終決断をし、責任を取るのが森保監督であり「監督係」の役割です。

SAMURAI BLUE 森保一監督

ボトムアップセミナーのなかでは、部活動のチーム作りにおける「全員リーダー制」の実践について事例が紹介されました。いわゆる「雑用」とされるチーム内の仕事を全部員で役割分担し、「一人一役」を通してそれぞれが主体性を発揮し、チームの目標達成を目指すのです。

③役割分担の原則

「チームを創り上げる」ためにチームビルディングを行います。
目標を達成するために、メンバー全員の「スキル・能力・精神面・経験値」を最大限発揮し、チームの連携を高める手段です。

セミナーでは「100カウント・アクティビィティ」が紹介されました。
・用紙には1~100の数字が書いてあります。
・4人組で数字の若い順に見つけ出していきます。
・合計3回チャレンジします。
【1回目】作戦をたてずに自由にやる
【2回目】自由にやった「成果と弊害」をふり返り作戦を立てる
【3回目】1回目と2回目をふり返り、作戦を立てる

1回目
2回目…4分割
3回目…3分割+一人は俯瞰して全体を俯瞰する

セミナー内でのワークショップでは、3回を通して役割分担を決めたことで確かにスピードアップしました!が…
ここで大切なのは、
「結果も大事だが、プロセス(過程)はもっと大事」ということです。目に見える成果ばかりふり返るのではなく、いかに主体的に問題解決ができたかに注目するのです。

また、役割分担にも原則があります。
Ⅰ 均等分け
原則は均等に分担すべきですが、「能力」に応じて分量を変えてもOKです。
「100mリレー」なく「駅伝」の発想です。
一人が走る距離が決まっている100mリレーではなく、走区によって距離や上り下りの違いのある駅伝のように、個人の能力に応じて役割分担を決め、「強みを発揮し、弱点を補い合う」わけです。

Ⅱ 適正人数を見極める
一人でやると心が折れてしまいますが、適材適所に人を配置し、適正人数を考えて役割を与えることも大切です。

まとめ

ここまで役割分担の意義について見てきましたが、役割分担にも弊害があることを理解しておくことが必要です。
「自分のところさえできていたらOK」という発想に陥り、一人ひとりが与えられた役割の範疇に留まってしまうと、チームや組織の成長にはつながりません。
ここで大切なのは、「マニュアルの先にあるもの」を自ら考え実行し、与えられた役割を1歩超える「主体性」です。下の図で言う、ピンクの境界線を1歩越えて、互いに補い合うイメージです。


セミナーの最後に畑先生がさらっと口にされた、「主体性は戦術を超える武器になる」という言葉が、強く印象に残ったので、今回のタイトルとしました。

それでは、ありがとうございました。


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