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凍結肩の痛みはどれくらい改善すると臨床的に有用となるか?

みなさんこんにちは!理学療法士のYoshiki(@PtGekikara)です。


いきなりですが、臨床で肩や股・膝関節に痛みを訴えている方に対して、どれくらい痛みが減少したら、介入の効果があったと判断されていますか?


VASで言う...
「10mmの改善」でしょうか?それとも「20mmの改善」でしょうか?
では、なぜその値なんでしょうか?

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確かに、VASで「10mm」改善はしている場合、痛みは減少していると捉えることできるので、介入の効果はあったと判断できるかもしれません。


しかし、VASの「10mm」改善は患者さんにとって有用な変化だったのでしょうか?セラピストが一方通行で痛みは改善したと考えているだけかもしれませんよね?


セラピストの一方通行な考え方にならないためにも、客観的にどれくらいVASが改善すると有用な変化であるのかを知る必要があります。


今回の記事では、肩関節疾患(凍結肩)において、痛みがどの程度改善すると有意な改善があると判断できるかについて考えていきたいと思います!


まずは、臨床的に優位な改善の指標となるMCID(臨床的に意味のある最小変化量)について説明していきたいと思います!


1.MCIDとは?

MCIDとは、Minimal Clinically Important Differenceの略であり、臨床的に意味のある最小変化量のことをいいます。また別の言い方をすると、患者の主観を評価する患者立脚型質問票(patient reported outcome;PRO)において、”変化が有益であると解釈できる最小値”のことをいいます。


これだけだと、わかりにくいので例を挙げて説明します!

Timed-up & go-test(TUG)で考えてみましょう。

変形性膝関節症の患者さんを担当しています。介入前後にTUGを計測し、1か月後には”TUGが2秒が改善”していたとします。では、この2秒の改善は患者にとって、本当に意味のある改善であったとなるのでしょうか?

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皆さんはどう思われますか?


実は、TUGが2秒改善したからと言って、臨床的に優位な改善であると、セラピストが判断することは難しいです。なぜなら、TUGのMCIDは3.7秒なので、TUGの臨床における有意な改善の値として、”最低3.7秒以上の変化”が必要になるためです。


なので、TUGでは3.7秒の改善を目安にアプローチを進めていくと、患者も有意な改善があったと感じやすく、セラピストも客観的に介入の効果があったと考えることもできます。


なんとなく、MCIDについて理解できましたか?

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これをVASに当てはめて考えていきたいと思います!


2.疼痛のMCID

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