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【僕の真ん中にあるモノ】


最近、色んな人からよく聞かれる。

「唐木さんて、本当に結婚式の仕事がすきなんだね。」


でも、何故だろう?
僕はいつもこの問いの返答につまづいてしまう。


専門学校を卒業してから12年。
僕は『結婚式』に向き合い続けている。

 このnoteを始めとする、あらゆるSNSでも
結婚式についての想いを綴ってきた。


寝ても覚めても結婚式のことを考え。
僕の中での喜び。不安や苦しみも。
その感情のほとんどは結婚式に向けられている。


だけど結婚式を好きなのか?と聞かれた時
『好き』と素直に言えない自分がいる。


この気持ちの正体について、
『唐木裕介』のことを一度整理しながら考えてみたくなった。


こんな僕でも
結婚式の仕事が大好き
と真っ直ぐ言えていた頃があった。
業界に入って5年目くらいまでは。


先に述べておくと。
もちろんこの仕事が嫌いだとか、
ネガティブな感情は
間違いなくそこには存在していない。

ただ、結婚式を見る僕の『視座』が変わった。
そんな感じだと思っている。


僕は自他共に認めるくらい
『仕事』ばかりの人間なんだけど。

僕の中での『仕事』は
僕自身の人生を彩る一つの素材。


仕事もプライベートも
特に区別している実感はなくて。
仕事で得たことは
僕の人間関係やプライベートでも
活きていると思うし。逆もそう。


僕が生きる上で大切にしていることが
この結婚式という、仕事の中に溢れているから
仕事にかける時間が多く、想いも強い。



ちょっとだけダークな話になるけど。
僕は人生の終わりを迎えるその時。

こんな人間になっていたい。
周りからこう想っていて欲しい。
こんなことを成し遂げて終わりたい。

こういうの『死生観』って言うみたいだけど。


どんな人生の終わりを迎えたいか、
そのビジョンは明確にある。

僕はそこに向かうために、
今の仕事と向き合い続けているし、
関わらせていただく人たちを
大切にしたいと思っている。

生きるために仕事をしていて。
仕事をするために生きてもいる。

そして、ある意味、
結婚式という場所に生かされている
と言っても良いのだろう。



そして、僕は結婚式の何に魅了されているのかを
ずっと考えていたんだけど。


人間という生き物の『優しい側面』を
見ることができるからだと思っている。


まだ僕も32歳で。
人生というものを語れる人間には程遠いけど。
会社経営もしながら、いろんな人を見てきた。
そして、経営が苦しい状況の中で
僕自身の弱さとも向き合ってきた。


価値観の多様性を叫ぶ癖に、
SNSなんか見てると自分と違う
価値観の人を平気で叩くし。

人は誰かの手を借りながら
生きていることは事実だけど。
それが行きすぎるとすぐに『依存』に変わり、
自分のために相手の時間や想いを
平気で搾取したりする。

あんなに大切だと、
愛おしいと思えていたものも、
いつの間にかそれが当たり前となって、
もっと大きな欲を求めてしまう。


もちろん、この中に自分もいたりするけど。
人間ってどうしてこうも、
醜くて、哀れな生き物なんだと
時に嫌にもなってくる。



だけど、毎週やってくる
見知らぬ誰かの結婚式の中で見ている人間は、
全く違う生き物に映る。


仕事の合間を縫って
夜中まで練習した余興のダンス。

不器用な新郎様が緊張で
震えながら新婦様に想いを伝える瞬間。

バックヤードでは
今日初めて会う人達のために
走り回る結婚式のプロフェッショナル。


『誰かが誰かを想い、誰かのために生きる』



その時空は、とても優しくて美しい世界。
でもこれは夢や幻想ではなくリアル
心の奥底にある人間の優しい側面が
垣間見える瞬間なんだ。


そんな人間の優しい側面を
僕は信じていたいんだろう。
そして、それはその日限りのものではなくて。
その日を通したことで
未来でもそうあり続けてくれる、
そんな世界を見てみたいと思うから。

だから、僕はこれまで、
数えきれないほどの時間を使って
結婚式というものを研究し、
向き合い続けているのだと思う。


だとすると、結婚式は『唐木裕介』が望む、
在り方や生き方を最大限『体現』できる。
そんな場所なのかもしれない。


ここまで綴って整理してみると、
結婚式を『他者』として認識していないことに気づく。

『好き』という感情は基本的に『他者』である誰かや何かに向けられたものがほとんどだから。


結婚式に『憑依』しているというか。
唐木裕介と結婚式は『同化』してしまっている。だから、好きと素直に言えなくなったのかもしれない。


誰かのために悩み苦しみながら
結婚式を創るということは、
僕という人間や、僕の人生を創ることでもある。

僕が人として成長するということは
結婚式を創る部分においても
きっと大きく成長するはずだから。


答えという答えはやっぱり出てこない。
そして、まだまだこれからも
結婚式という存在に対して
僕の想いは変化するかもしれない。


でも今言える確かなこと。

『結婚式は僕の真ん中にある』


その真ん中にあるものを真っ直ぐに見つめて、
優しくて美しい世界を創るために、
僕は今日も結婚式と向き合ってみることにする。

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