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【盲腸との闘いⅢ】号泣するキョンシー

次の日の朝、6時45分。吐き気と共に目覚める朝は最悪だ。トイレへ駆け込むがリバースはしない。吐き気が落ち着き、またベッドへと戻る。10~20分するとまた吐き気が襲ってくる。もう気分はこの世の底辺。なんとか受診の時間までは生き延びねば!必死にコントロールし(ほぼ我慢)、なんとか身支度を整え、診療所へと向かった。この日は腹痛はほぼ収まっていた。人並みに歩けるが、ただ吐き気が……。

診療所に到着し、名前が呼ばれ診察室へと入ると優しそうな男医さんが座っている。男医というのは私も初めて使うが、女医が存在するのだからということで使ってみた。昨日の血液検査の結果は、白血球とCRPの数値は基準値よりも高いとのことで、やはり炎症が起きているのは間違いないそう。盲腸という診断になった。現状としては抗生薬で落ち着いているため、総合病院での精密検査はどちらでもいいとのこと。吐き気は薬の副作用によるものだろうと。そんなことよりも、白衣ではなく白ジャケットを身に纏っている訳を聞きたかったのだが、吐き気でそれどころではなかった。

待合室でお会計を待っていると突然また吐き気に襲われ、看護師さんが慌てて処方された吐き気止めと水を持ってきてくれた。自分でもなぜか分からないが、ポロポロと涙があふれ出てきてしまって、子どもをあやすみたいに看護師さんが優しい声をかけてくれた。きっとこのときの私の顔面は号泣するキョンシー。それでも吐き気は収まらず、遂には吐き気止めの点滴をぶち込む始末となった。収まらない涙と吐き気。これは午後も出勤できるわけない。先輩と上司へすぐ連絡をし、午後もお休みをすることになった。


点滴なんて20年振りくらいにしたもんだから、刺さっている方の腕をどうしたらいいか分からず30分間定位置を保持することに。医療現場で働いていたとき、血管が細く何度も針を刺されたおばあちゃんがいたな。きっと痛かったんだろうな。そんなことを思い出しながら、病院独特のうにょうにょした天井を見上げていた。

点滴が終わる頃には、吐き気はすっかり収まり歩行も安定していた。もう大丈夫!いざというときの御守り代わりにと頂いた紹介状を手に、あやしてくれた看護師さんたちにお礼を告げ、診療所を後にした。


その後、3日間は部屋のベッドから見る真っ白な天井の絵面しか覚えていない。ほぼ断食と安静でなんとか回復したが、揚げ物・辛いものなどの胃腸を刺激するようなものは一切食べれなくなった。小学生が好きな食べ物は基本好きだから、好きなものをほとんど口にすることができない。口にしようものなら胃が腸が大暴れして即手術だ。

もしも街中でシルバーカー押すおばあちゃん並のスピードで近づいてくるキョンシーを見かけたら、盲腸と闘っているんだなと温かい目で見守ってあげてください!
何よりみなさんも食事量とバランスには気をつけてくださいね。本当に!盲腸はめちゃくちゃ辛いよ〜(;_;)

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