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【映画感想】ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

最初から鳥肌が立った。
いきなり正座で登場するだと…!?(実際は正座ではないが)こんな映画見たことないと開始10秒ほどで思った。

自分の生き方について改めて考えさせられる作品であった。本当にこの道で良いのか?今の人生は自分が本当に求めていたものなのか?自分の目標は何か?何のために生きている?と再確認させられた。

主人公のセルゲイは小さい頃からバレエダンサーとしての道を歩んできた。セルゲイの家族はセルゲイのダンススクールの学費のために一生懸命働いた。それでも足りず、家族総出で出稼ぎをする必要があった。その結果、家族がバラバラになってしまった。セルゲイは最初、家族のために辛い練習にも耐え、ダンスを頑張ってきた。しかし、セルゲイが高校生のとき、その目標が崩れ去ってしまう。離婚である。もう二度と家族が集まることはない。じゃあ自分はなぜ練習をするのか?急に目標がなくなったセルゲイは自問自答を始め、悩み始めた。英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルになった後も彼は自分の人生について路頭に迷っていた。タトゥー、ドラッグ、パーティ...日々の生活に満足できず、小さい頃全てをバレエに捧げたため、経験していない少年時代を取り戻すかのように遊びに没頭するセルゲイ。そして、彼は英国ロイヤル・バレエ団を脱退した。

普通ならプロのダンサーを続ければいいじゃんと思うところを、彼は悩んでいたのだ。彼を本当に理解している人はそう思わない。なぜなら、その道を続けたとしても、それは彼にとっての正解ではないから。続けた後、彼にとっては単調な毎日が永遠と続くだけである。自分の「道」を探すためにセルゲイは今までの栄光を捨て、ロシアに渡り、ゼロから自分のキャリアをスタートさせた。そして、クラシックバレエの枠を超えて、自分を表現し続けた。

最後に、長髪だったセルゲイは自分で髪を全て剃った。それは、あたかも少年時代の彼だった。セルゲイは失った過去を取り戻すかのように、様々な挑戦をし続けている。家族を初めて、自分の舞台に呼んだときのセルゲイの笑顔こそ、本当の彼の笑みだったのだろう。今まで探し求めていた答えがここにあるかのように。

この映画から、人生とは何かを考えさせられた。私の目標は?

新しいことにチャレンジする。
自分を表現し、発信し続ける。

だと考える。

この映画では、セルゲイのみにフォーカスしておらず、家族、友達、師匠と様々な人も登場し、セルゲイを支えている。このことから、今の自分が存在していることはそういう人たちの支えがあるから何だとわかった。

最後にセルゲイの練習に励む姿を見て、自分も運動しないといけないなと強く思った。

あらすじ

ウクライナ出身、19歳で史上最年少の英国ロイヤル・バレエ団プリンシパルとなったセルゲイ・ポルーニンは、その2年後、人気のピークで電撃退団。そのニュースは国内メディアのみならず、世界中に報道された。スターダムから自滅の淵へ--様々な噂が飛び交う中、彼が再び注目を集めたのは、グラミー賞にもノミネートされたホージアのヒット曲「Take Me ToChurch」のMVだった。写真家のデヴィッド・ラシャペルが監督し、ポルーニンが踊ったこのビデオyoutubeで1,800万回以上再生され、ポルーニンを知らなかった人々をも熱狂の渦に巻き込んだ。<ヌレエフの再来>と謳われる類い稀なる才能と、それを持て余しさまよう心。本人や家族、関係者のインタビューから見えてくる彼の本当の姿とは...?

2017年/ドキュメンタリー映画/1時間 25分


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