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また、大好きになった場所

私が中学3年生だった頃から
数年間、年パスを持っていた。

高校帰りに寄って帰るUSJ。

お休みの日にちょいと行くUSJ。

まだE.T.があって、
スパイダーマンが全盛期の頃。

ハリウッドドリームが出来て
そこらじゅうから聞こえる
大阪LOVER。

あのスヌーピーのモニュメント製作に
親戚のおじさんが携わっていたんだ。
それが自慢だった。

一番好きだったE.T.は

集まる赤いパーカー、
泣きながらエリオットを演じる者たちに
拍手を贈られながら
幕を閉じていった。

そこに出来たのが、
スペースファンタジー。

スペースファンタジーの
鏡が沢山ある、
グルリと回るあの空間、

親戚のおじさんは
「あれ作るん楽しかった」
って。

その頃くらいだったかな、

ハリウッドドリームからは
GOOD LUCKY!!!!!
グッキーが流れ
私たちは踊った。

あの頃、
やけにUSJが好きで

変わって行くUSJと共に成長して

USJの世界の中で私は生きていた。

でも、
ある日突然やって来た。

流行りのアーティストとのコラボ。

流行りのアニメとのコラボ。

アーティストやアニメの
ファンの方々が集う場所になって、

チケットの値段が上がっていった。

集客、集客、集客。

見放された。

と思った。

私が大好きなUSJは
もぅここにはない、

そう思った。

それから
数年が経った今。

ジュラシックパークと
ドラえもんがコラボだって。

またコラボかぁ。

大好きなドラちゃん。

それなら

行く。

絶対行く。

そう決めた。

見放されたと思っていた
数年間のうち、
お誘いがあって
行ったことはあるけど、

私自身の意思で
行きたい
と思ったのは
好きだったあの頃以来だ。

でも、
新型コロナウイルスが怖いから
遊びに行くタイミングは今じゃない。

だけど、
ドラえもんコラボは
7月22日までなんだって。

でも、
大阪でまた感染者が確認されたって。

だけど、
ちゃんと検温もあるし、
入場制限だってある。

関西2府4県の在住者と年パス保持者。

でも。

だけど。

って、

考えてみた。

すると、

思いもよらぬところに

不安に打ち勝つ楽しい

行きたい理由があった。

それは、

一緒に行く人。

我が家の

防災リーダー兼
感染症対策本部長を務める

お姉ちゃん。

お姉ちゃんと一緒なら、

徹底的に感染症対策を取りながら

楽しめる。

それに気付いてからの
行動は早かった。

翌朝、

お姉ちゃんと
USJのエントランスに居た。

遠くに居る私たちに
大きく手を振ってくれはる
クルーの方たち。

〝おかえりなさい〟
と書かれたボードを
見た瞬間、

込み上げた感情。

ソーシャルディスタンスを守る
スヌーピー。

感染症対策のマニュアルが書かれた
ボードを持った多くのクルーの方たち。

待ち列に記された
ソーシャルディスタンスマーク。

守る若者。

登って行くコースター。

遠くから手を振り合う見知らぬ私たち。

「ディーコンが来ても声出すな」と
みんなに訴える保安官。

ディーコンさまが来たとき
Booをしながら
声を出さずに
足をジタバタさせる私たち。

演者さん同士で
対面するときだけ
口元を布で覆わはる
ウォーターワールドのショー。

テーブル、手すり、お手洗い、
誰かが触れた後に
除菌消毒してくれはるクルーの方たち。

アトラクション
コースターの除菌消毒のために
見送る周回。

出来るだけ影の下で待てるように
配置された待ち列。

アトラクションやお店の
出入り口に置かれたアルコール。

見かける度に消毒をする私たち。

はじめて乗るアトラクション。

はじめて見る景色。

消毒済みの3Dメガネにも関わらず
「3Dメガネ拭いてくださいね」と
私たちの安心のために配られる
除菌シート。

押し開けなくても良いように
バンドで固定された
触らなくて良いゴミ箱。

「写真撮りましょうか」
そう言いながら
消毒液を手に塗って
私の携帯を受け取らはる
クルーの方。

一回一回
消毒されるお会計トレーと
お会計カウンター。

待ち列の
ソーシャルディスタンスマーク、
もう一つ詰めるか空けておくか
微妙な距離を
一緒に来た友達と検討する若者。

ソーシャルディスタンス待ち列を
楽しむ若者。

大声を出さないと心掛けていながら
出てしまっている遠慮気味の叫び声。

「こんにちは〜!と言ったら
手拍子で返してくださいね」と
アミティーハーバーツアーを案内する船長。

大きな手拍子で
「こんにちは」を返す私たち。

それぞれのアトラクション毎に違う、
感染症対策の案内のセリフ。

あまりにも変わってしまっていたけど、

変わっていた全てに、
心がこもっていた。

新しいマナーを守れない人に
理解してもらうための伝え方。

新しいマナーの提唱、
感染症対策を促すための準備物。

どれだけ手がかかったか、
努力が裏側にあるか、
物を見たら伝わってくる。

更なる
より良い方法を
みんなで探ってはる

細やかな気遣いは
人の心を動かすことが出来る。

たとえ
みんながマスクしてても
ソーシャルディスタンスしてても
伝わるんだ。

みんなが気を許して
楽しみに行ったUSJで

潜在意識に訴えかけるような
感染症対策の徹底。

これが

本当のエンターテイメントだと

新たな価値を感じた。

世界はこうして変わって行く。

変わって行く世界を
私はただ受け入れ
私なりに楽しむことしか出来ないけど、

前線で
進化しているUSJの魅力を

知ってもらいたくて。

書き残しておきました。

大好きな場所、USJ。

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