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『こんにちは、私のお母さん』 中国映画 鑑賞記録

原題 你好,李焕英
英題 Hi, Mom
邦題 こんにちは、私のお母さん
監督 贾玲
公開 2021年 2月 12日 (中国大陸)
   2022年 1月 7日(日本)

トップ画像 你好李焕英 微博


2021年の春節に中国で公開され大ヒットした作品。トータル54億元(約1,000億円)の興行成績を上げており日本でも公開済みの話題作なので、ご存知の方や鑑賞なさった方も多いかと思います。
NHKラジオ中国語講座の教材にもなっていて、随分前から視聴リストにあったのをようやく鑑賞しました(WOWOW録画)

何とな~くの筋は知っていたのですが、予想とは随分違いました。
正直もっと泣かされる感動作かと思っていたのですが、結構なコメディ。なるほど春節向き!

では始めたいと思います。




贾晓玲(左) と 李焕英(右) 母娘  你好李焕英 微博


ストーリー

主人公は 贾晓玲(ジア・シャオリン)。演じるのは  贾玲(ジア・リン)。母親は 李焕英(リ・ホワンイン)。現在時点を演じるのは 刘佳(リウ・ジア)、娘時代は 张小斐(チャン・シャオフェイ)だ。

贾晓玲 は生まれた時から体格がよくて、何をやっても今一つ出来がよくない。そのことで母親を喜ばせてあげられていないと感じている彼女はついに暴挙に出る。大学合格を偽装するのだ。そして合格パーティーであっけなくバレるウソ。
でも母親は笑って許してくれる。

と思った矢先、、、

このストーリーをわたしが誤解していた箇所はここだ。ここから舞台は 2001年から 1981年にタイムスリップする。タイムスリップしたら、SFでなければそれはコメディでしょ(笑)

贾晓玲は結婚前の母親 李焕英の従姉妹に成りすます。そして未来を変えて母親を2001年の現実以上に幸せにすべく、いろいろな工作をするのだが…。

その1981年の中国ではテレビが貴重(地域にもよるのかもしれないが)で、李焕英は働いている工場で「初めてテレビを買った人」になる。そのテレビを広場に持ち出してみんなで観たりもする。

工場のレクリエーションはバレーボール大会。昔懐かしい雰囲気のジャージを着て対戦する。この試合の勝敗は 李焕英にとって大事な意味を持っているらしい。というのは未来の母の友達情報。
それに基づいて、何とか試合に出場して勝つように働きかける 贾晓玲。

ストーリーは主にその過程で起こる脇役たちとのあれこれを通じて母と娘の関係性やそれぞれの想いが描かれていく。

他登場人物としては 沈腾(シェン・トン)演じる工場長の息子 沈光林(シェン・グアンリン)や後の 贾晓玲の父親となる 贾文田(乔杉)。この人は親子ソックリで本当に血がつながってるのかと思うほど!
それから我が推し 王一博主演映画『长空之王』にパイロットの同僚として出演している 卜钰(贾晓玲に想いを寄せることになる 冷特の手下 沙浩 役)が出演していた。今より少しぽっちゃりしてた。


左 沙浩(卜钰) 中央 冷特(陈赫)  你好李焕英 微博


お母さん

現在時点を演じる 刘佳は実力派俳優さんだからもちろんのこと、青年期を演じた 张小斐がとてもよかった。屈託のないスカッとした笑顔が気持ちいい。この映画で第24回上海国際映画祭主演女優賞を受賞している。

同じく監督、脚本、主演を務めた 贾玲も新人監督賞を受賞。喜劇役者である彼女は自らの体験をもとにこの脚本を書き、監督主演を務めたそうで、その思い入れは映画の隅々から伝わってきた。

本人の熱量がこれでもかと詰め込まれた作品であることに加え、この映画がこれほどまでに多くの人に受け入れられたのはやはり、母と子という誰しもが持っている関係性の中で、近すぎてわかるようでわからない微妙なお互いの心をとても上手く表現しているからではないだろうか。

ここから先のネタ詳細は控えたいが、、
自分に照らして考えても、どうにもスパっと割り切れない母娘の感情。同性であるが故の理解と甘え。特にわたしと母はキャラが180度違っていて、若いころは自分は本当にあの人の娘だろうか?と思ったほど(笑)

ところが! 最近は時々ふとした瞬間、「あ~?これってあの人(母)にそっくり、、かも?」と自分でも思う行動や言葉の使い方など思い当たるフシがあってギョッとすることがある。

なんだろうね。親子って。母娘って。
フシ
切っても切れない繋がり。
反発と感謝。
親孝行できてるのか、できてないのか。
どこまでやればできたと納得できるのか。

永遠の課題。


エクボがかわいい! 你好李焕英 微博


オチ

そうきたか! 当然ここには書かないけど、なかなか上手い脚本だった。
時々泣けて、大体笑顔で観られる映画。

評判通りいい作品だった。


你好李焕英 微博





相変わらずドラマの完走作品がなくて、映画に走りました(笑)
中国語講座の教材になっているだけあって、台詞は短めで比較的簡単なものが多く、それも勉強になりました。
中国のコメディはちょっと大仰さが苦手だったりすることもあるけど、その点これはまずまず。大ヒットもうなずけるユルさでした。

今日も拙い感想をお読みいただき、ありがとうございました!

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