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劇場版「呪術回線0」感想ー原作との比較を含むー 第ニ部(全第三部予定)

 さて、感想の第二部となります今日は、狗巻棘くんと憂太の任務(夏)から1年ズと夏油の戦闘シーンまでです。

!注意書き!

・この感想には劇場版『呪術廻戦0』および原作『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』、週刊少年ジャンプにて連載中の『呪術廻戦』のネタバレが多く含まれております。ご注意ください。
・本文中の台詞は主に原作から抜粋。中には劇中のみの台詞もあり、記憶で書いているためご了承ください。
・わりと語り口が普段のnoteよりもオタクっぽくなっているので、苦手な方はブラウザバックしてください(あと書きづらいので丁寧語もやめてます)。

棘と 2 回目の任務―夏

「乙骨の秘匿死刑は保留だということを忘れるな」
「そうなれば 私が乙骨側につくことも忘れずに」

 …高専時代に夏油に言われたように、一人称を「僕」「私」で使い分けるようになって、自然に使えるようになっているの、親友の助言に素直になれる五条先生のひたむきさが表れているようで切ない。
 ここで周回遅れになっている憂太と 1 年たちはオリジナル。その様子を見ながら五条先生が「若人から青春を取り上げるなんて許されていないんだよ、何人たりともね」 と独り言をいうところ、ラジオで五条役の中村悠一さんが同じセリフをアニメ一期でも言ったが、劇中で生徒を見つめながら呟いていることで、より台詞に込
めた思いが強く伝わる描き方だったと、お気に入りのシーンとして挙げていた。中村さんのキャラクターの掘り下げ方、わかりみが強い。

「嘘ぉ!?」

 真希さんと体術訓練。ここで真希さんが左右に脚を開いて憂太の攻撃を避けるところ、女性ならではの闘い方かつセクシー。ちなみにラジオでも中村さんが「エロい」と言ってたので、思っても大丈夫でした。ちなみに原作では前後に開脚して避けてました。

「もう一本 お願いします!!」

 この辺りから憂太のまつげが上向きになっている。それは、それまでは伏目がちでまつげが下りてたから目立たなかったけど、憂太が目を見開くようになったからまつげが上向きに描かれるようになったんだよね。ささやかだけど、憂太が前向きになったことがわかる描写で好き。

「オマエ巨乳派?微乳派?」
「あんまり気にしたことはないんだけど…人並みに大
きいのは好きかと…」
「真希!」「あ?」「脈ありデース…デース(エコー)」

 真希さんの胸から映すの、スタッフさん悪ノリしてるよね。真希さん公式でナイスバディだからね。

『爆 ぜ ろ』

 棘君が呪言一撃で倒すところ、アニメ 1 期では見られなかった迫力のあるシーンだった。(花御に呪言を使ったけど、一時的に動きを止めるくらいしかできないくらい強かったから)伏黒君もだけど、高専 1 年生で 2 級術師というのは天才といえるくらい実力者だそう…原作でもっと活躍見せてくれませんか芥見先生…棘君、渋谷事変の途中から現在まで、全くといってもいいほど登場してないんですが??

 「残念 噂の里香ちゃんを見に来たのに」
「同じ特級同士 早く挨拶したいなぁ」

 夏油の呪霊が憂太たちの位置を探ったりしないで待ち構える姿勢なの、夏油がまだ実力の浅い憂太や棘を積極的に追い詰めるつもりがないのがわかる。もし、本当に夏油が里香ちゃんを取り込もうとしていたのなら、棘を人質にして脅迫したり、憂太を瀕死まで追い込んだりすればすぐに済む話だろうに…夏油は呪術師に対して非情になりきれない故に、理想を体現するために必要な行動と、実際の行動が矛盾するのだろう。

夏油とその一派が呪術高専に宣戦布告―秋

 掛軸に「愚者に死を」「弱者に罰を」「強者に愛を」とかかっているの 2 回目で気づく。

「猿にはねそれぞれ役割があります」
「金を集める猿と呪いを集める猿 アナタは前者」
「お金がないなら用済みです」 

 この金森という非呪術師、夏油の呪霊に顔を「吸い尽かれ」た末に死ぬ描写から察するに、多分貧乏な人からお金を「吸い尽くして」金持ちになったんだろうな。皮肉にもそうして富を得た人間が同じように「吸い尽くされて」死ぬ。こういう描写が作中にいくつも散りばめられているのが、呪術廻戦の魅力の一つだなと思う。

 「変わらないね ここは」 

 でかいぺリカンみたいな呪霊から夏油が降りるカット、原作と逆の方から降りている。

(速い!!!)

  1 年生の並び順が、原作では憂太が中央にいたのが左端に変わっている。これは、アニメの構図的な面で変更されたのかな。

 「悟ー、久しいねー」 

 夏油が、うさんくさくて軽薄そうな教祖を演じていたのは、五条悟を参考にしたんじゃないのか?と思っている。五条が夏油を参考に優しい口調を心がけたり、一人称を変えたように。つまり、夏油は最強になった親友に距離を感じ出して、ある意味神様のような印象を持っていたから、教祖を演じる際に親友を意識したのでは?…本当にさ、夏油は五条先生のことを特別に思ってるんだね…。
 ちなみに、後日ラジオで夏油役の櫻井孝宏さんが「この時の夏油は、五条を意識して演じた」と仰ってて…もう泣き崩れそうになった。

「思う存分 呪い合おうじゃないか」

  呪術高専の教員が映るカットでナナミンや冥さんが映っていたので、「もしかして新規カットワンチャンある!?」と期待が後ほど的中。ありがたや。

 「君は五条悟だから最強なのか? 最強だから五条悟なのか?」
「…何が言いてぇんだよ」
「生き方は決めた」
「後は自分にできることを精一杯やるさ」 

 夏油離反時の回想(オリジナルカット)後、二人とも夕暮れの中で窓際に座っている。(夏油は拠点の一室で、五条は教室で)この後のカットで教室が写るのだけれど、椅子の並びが下図のようになっているの、かつて二人で最強と言われていた高専時代→次のカットで志を違えた二人がそれぞれの道を歩んでいる様子を表しているようで切ない…。ちなみにもう一人の席は家入硝子さんです。当時 3 人は同級生だった
ので。

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12 月 24 日、『百鬼夜行』決行―新宿

「二人を守れ 悪いが死守だ!!」
「応!!」「しゃけ!!」
 

 五条先生がパンダと棘君を呪術高専に飛ばすところ。五条先生が呪文をすすっと素早く書くところカッコいい。呪術廻戦で呪文書いたりするところあまりないので貴重。

「アンタノ相手ハ 俺ダヨ特級」
「悪いけど 今忙しいんだ」

 ここでミゲルを見上げる五条先生の瞳、製作陣曰く作画コストがかかると言うだけあり、人外感のある美。

12 月 24 日、『百鬼夜行』決行―呪術高専

「私は性格悪ぃかんな 一級術師として出戻って家の連中に吠え面かかせてやるんだ」
「そんで内から禪院家ブッ潰してやる」

 真希さんが夢を語り、憂太が僕は真希さんみたいになりたいと言い、真希さんに束の間の救いを与えてくれた。夕暮れ時に流れる、穏やかに二人が心を通わせる場面。
 だが、それもこの先、双子の妹の真依が死に、当主として真依の居場所をつくるという夢は潰えたことで、真希さんが禪院家のすべての人間を殺害するという形で壊してしまった末路を思うと、心が抉られるようだった。

 「あんたなんか、生まなきゃよかった」
「皆、真希みたいになっちゃだめよ」 

 他の子に私の子どもはどうしようもないのよ、と言っている台詞は、初回は原作うろ覚えだったので、こんな酷いことも言われてたことにショックだった。さらに回想の始めは幼少の真希さんと他に同い年くらいの女の子たちとおはじきで遊んでいたのに、その台詞の後におはじきを弾こうとしているのは、他の子は映らず幼少の真希さんしか見えなくなって、最初笑顔だった幼少の真希さんから笑顔が消えて、見開かれた目から大粒の涙が溢れるの辛い…結局あのまま禪院家にいても地獄、その禪
院家を全部壊しても地獄。真希と真依が幸せになる道は初めからなかったのか…あまりにも救いのない話。

 あと、真希さんの幼少期の回想での「おはじき遊び」=「爪弾き」を表すのがね、なんとも言えない。実の母親の呪いの言葉が、真希さんの心の核に至るまで浸食しているのが辛すぎる。禪院家がいかに時代錯誤で男尊女卑という悪しき風習で腐りきった環境で、真希さんと真依の母親も辛かったんだろうけど。だとしても実の娘を呪うのは違うだろ。

「おっと 誰かが“帳”に穴を開けたな」
「無視するべきか 片づけておくべきか」
「迷うね」

 真希さん瀕死の重傷を負う。夏油が真希さんを毛嫌いするのは、ほぼ非呪術師だからというだけではなく、同じようなフィジカルギフテッドの伏黒甚爾(伏黒恵の実父)に、夏油が幸せを願った人を目の前で殺されたこともあるだろう。

※呪力が非常に低い代わりに類稀なる身体能力が備わっていることを、フィジカルギフテッドと呼ぶ。伏黒甚爾は呪力が0の状態で産まれ、その分真希さんよりも遥かに身体能力が発達しており、当時から最強と名高かった呪術高専生の五条悟を、瀕死に追い込んだほどの強さを持っている)

(すべての壁をブチ破って 最短できたか!)
「やるね」

 パンダが夏油にパンチを喰らわそうとする。あえてスローにすることで壊した壁と粉塵が飛び散る中での場
面のインパクトが強調されてカッコいい。櫻井さん曰く「お坊さんとパンダが戦う今までにないアニメ」。確かに呪術廻戦知らん人からすると、鬼滅の伊之助の猪頭くらい訳分からんわな。

「よそ見!」
「油断したな」 

 夏油とパンダの近接戦。明らかに普通の衣服より重
たく動きにくい筈の袈裟で軽やかに攻撃を避けつつ反撃するアクション。
 原作にない演出が多く、アニメで既出のゴリラモードのパンダや、夏油が真希さんの呪具をパンダに突き刺して核を一つ破壊するところも、オリジナルカット。夏油が呪具を蹴り上げて手に取って投げるの、隙を作らずに得物を使ってて、なにげなく近接の戦闘力の高さが表
れててよかった。

『堕 ち ろ!』

 パンダを倒した、と油断させたタイミングで、棘の呪言が夏油を地下まで落とす。このとき夏油さんの頭が圧縮されたせいでおもろい顔になってて、不覚にも笑いそうになった。ほら、叩いてかぶってジャンケンホイみたいな感じで。

 「真希!おいしっかりしろ!」「まだ、だ」 

 安心した途端、背後から更に巨大な呪霊とともに現れる絶望感。原作よりも下よりのアングルに変えたことで更に恐怖を煽る演出になっていた。ちなみにパンダたちが真希さんに声をかけてそれに答えたところまでオリジ
ナルカット。あと、パンダの身体から綿がとび出ているけど、原作だと血が流れてた。当時は呪骸にも血液がある設定だったのかな?

 さて、本編のクライマックスが近づいてきたところで、今日はここまでにします。

久しぶりに感想を読み返して②

 わりとギリギリなこと言ってて我ながらなんとも言えない…(真希さんエロいとか)。まぁ後日、真希さん役の小松未可子さんもインタビューで性癖を赤裸々に語ってたし(なにせわりと愛故に暴走しがちな花澤さんからストップかかるほど)、些細なことと思ってくれましたら幸いです。

 それではまた明日。












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