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石垣島のロードバイク イベント:「GREAT EARTH ISHIGAKI ISLAND RIDE」参加レポート

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12月8日(日)は、石垣島ライド実行委員会が主催するGREAT EARTH ISHIGAKI ISLAND RIDEの開催日。前日までの雨天続きの天気が嘘のように晴れ、久方ぶりの太陽の暖かな陽射しが島を包んでくれる中、前から楽しみにしていたこの自転車ファンライド(Fun RIde)イベントに無事に参加することができた。

GREAT EARTH RIDE(グレートアースライド)は自転車イベントで、『地球を遊びつくせ!』を合言葉に、アウトドアスポーツを通じて地球を感じ、人と自然との繋がりを深め、人と人のコミュニケーションを拡げるという3つのテーマを表現することを目的に石垣島だけでなく日本の各地で開催されている。日本から世界に向けて発信している日本発の催しというのを知り、素直に好感と共感を感じた。

公式HPを見てみると、2019年は千葉、秋田、宮崎、京都、高知、北海道(3地区)、岩手、神奈川、石垣島の合計11カ所で開催する予定になっていて、石垣島ライドが最後の開催地とのこと。

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石垣島ライドのメインスポンサーはJAL(日本航空)とJTA(日本トランスオーシャン航空)。島外からの参加者の中にはJALの航空券と宿泊がセットになったツアーを利用して来島した参加者も少なからずいたらしい。

他には、沖縄だけでなく本土にもファンが多いオリオンビール、東大出身の学生が起業して今では大きな会社に成長したユーグレナ(この会社は石垣島に研究施設がある)、地元からは、石垣の塩(塩製造)や請福酒造(泡盛・リキュール製造)といった企業が続いていた。

また、農業生産法人石垣島SUNファームやJELLYFISHといったローカルな事業所が参加しているのも地方の催しならではの企画で、旅好きな参加者にとっては嬉しい面のひとつだと思う。この2つの事業所は、コース途中に設けられたエイドステーション(休憩所)で、地元のパイナップル(冷凍)や八重山そば、サンドイッチといった食物などを提供し参加者にとても喜ばれていた。

地元の自転車好きの団体・POTTERING OKINAWA(ポタリングオキナワ)はライド中にサポートライダーとしてして一緒に走ってくれて、参加者の話し相手になってくれたり初心者にアドバイスをしてくれたりしていた。

こんな風に、企画者(本土)、企業(スポンサー)、地元の三者がお互い協力して運営する地元密着型のイベントだからこそ多くのリピートファンがいるんだろうと実感した。

そう言えば、地元の小学生の野球チーム(なんとこのチームは全国で2位らしい!)の生徒と保護者がボランティアで受付、エイド、その他の運営を手伝っている姿が見られたが、これは毎回恒例の出来事らしく、大会の度に協力してくれているらしい。会場では離島のチームで遠征費がかさむので、参加者に寄付(Tシャツ販売)をお願いすることも忘れていなかった(笑)

石垣島はこのイベントが開催される1週間ほど前からずっと雨続きで気温も低く、この調子だともしかしたらイベントが中止になるか、或いは自発的に棄権するしかないかなとも考えていた。特に、今回は、自転車が好きな息子と一緒に参加する予定だったのであまりコンディションが悪いようなら(その後の体調管理や安全面を考えて)やめた方がいいかなとも思いはじめていた。

幸い前日の夜半からは南国の星がはっきりと夜空に浮かび、覆っていた厚い雲が嘘のようにはれていた。周囲を海に囲まれた亜熱帯の小さな島の天気は日々刻々と変化するんだろうと妙に納得できた。

舟蔵(ふなくら)公園という市の中心市街地から自転車で7〜8分のところにある海に面したこじんまりとした公園が今回のGREAT EARTH ISHIGAKI ISLAND RIDEのスタート・ゴール地点。公園から海の方を眺めると、少し離れた場所に小さな平たい島が見えた。伝統的なまちなみや白い砂浜、そして水牛が人をのせて島内を周遊させてくれる水牛車観光で有名な竹富島である。

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7時半ごろに、受付でゼッケン、コースマップ、スポンサーグッズ、Tシャツなどを受け取り、早速ゼッケンをウインドブレーカーに安全ピンで留めたりヘルメットに貼り付けながら周りの様子を観察。

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ロードバイク 好きが集まるイベントだけあって、参加者のほとんどが個性的なサイクルウェアやヘルメットに身を包んでいたが、何より目を惹いたのは居並ぶいかにも高そうなロードバイク だった。本格的なロードバイク は10万円以上はあたりまえ、50万、100万以上の高級車も少なくない。そういうバイクを間近で見ることができるのもこのイベントの醍醐味だ。

今回のコースは石垣島の西部の海沿いを北端近くまで行き戻ってくるロングコース(100キロ)と途中にあるキャンプ場とサンゴ景観で有名な米原(よねはら)ビーチで折り返すショートコース(55キロ)である。今回は、私と息子も初参加ということもあり、ショートコースを選択した。

最終的な参加人数を効き損ねたが、おそらく300名ほどじゃなかったかと思う。そのうち大半はロングコースを選んでいて、ショートコースのエントリー数は90名と言っていた。出発式で司会の女性が初めて参加した人に手をあげてもらっていたが、ロングコースもショートコースも初参加が今年は結構数いたらしい。

また、ショートコース参加者の中に(おそらく)地元の小学生の姿が多くいたのが印象的で、スタッフによると例年になく子供の参加が目立つ大会だったらしい。そうは言っても子供用のコース設定はなく、他の大人同様ショートコース55キロを走らなくてはならないが、ママチャリに近い装備の自転車で参加する小学低学年の子供にとっては結構ハードなイベントのように感じた。

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スタートセレモニー後、午前8時にロングコースがスタート、30分後にはショートコースがスタート。コースは一般道で他の車も普通に往来しているので、通常どおり道路交通法を守った通行が必要。

公道では、自転車は自動車と同じように車道(左車線)を通行しなければならない。しかし、いまだに歩道走行、逆車線走行、夜間の無灯火走行が後を絶たない。このような状況はどちらかと言うと法律を知らない子供に多く見られるような気がするが、公道を安全に、スムーズに、そして気持ちよく使用するためには自転車乗りも(年齢に関係なく)基本的なルールは知っておくべきだと思う。

私は、息子と一緒にライドに出る時、日頃から基本的な通行方法、標識の意味、予測しながら走ることの大切さ、などを教えるように努めている。これは彼自身や周囲の人の身の安全を守るためでもあるが、私たち親子にとっては、貴重なコミュニケーションの機会である。今回、息子と私は縁あってトップで先導してくれるサポートライダーの後ろを終始走ることができたが、息子は前を行くサポートライダーが行う手信号を間近で見ることができた。

ツーリング中、自転車乗りはいくつかの手信号により後進の仲間や他のライダーに注意喚起やお知らせをすることがある。止まる、右折、左折、道路上の障害物、後進の自動車へのサイン、などである。実際、今回のライドでも前を行くサポートライダーはそのような手信号を行っていた。これを学べたことは息子にとって貴重な体験だったと思う。

石垣島のコースは市街地を出発後海に面した道路を西廻りで北進するルートだ。石垣島を訪れたことのある人ならピンとくると思うが、石垣市の市街地は島の南側に集中していて市街地の東西又は北の部分は自然いっぱいのエリアとなる。西廻り線、東廻り線に沿ったエリアには、海岸、集落、農地、河川(河口部分)の風景が広がっている。

今回ショートコースのルートとなった西廻り線沿いには、舟蔵の里(伝統的民家風の郷土料理店)、観音堂灯台、フサキリゾート(高級リゾートホテル)、名蔵アンパル湿地帯、名蔵大橋、名蔵湾、屋良部半島、川平ヨーン、川平集落、川平湾、於茂登岳など石垣島を代表する施設、リゾート、名勝景勝地、自然地がふんだんに取り込まれていて、走っているだけで楽しくなる。

前半(観音堂〜崎枝)は平坦地が中心なので初心者でも十分に楽しめるコースだが、川平から折り返し地点となる米原キャンプ場にかけては適度にアップ・ダウンがあるので初心者には少々ハードルが高いかも知れない。それでも上り坂を登り切った時は充実感に満たされるし、下り坂を時速50キロで駆け下りる爽快感は何物にも代えがたいと心底思った。

今回は、川平湾で第1のエイド(18キロ地点)、折り返し地点となった米原キャンプ場(27キロ地点)で第2のエイドが設定されていた。川平湾では地元の有名な川平ファームの方がマンゴージュースやパッションフルーツジュースを提供してくれたが、トロピカルフルーツの香りとビタミンたっぷりの心尽くしに、崎枝からの坂道を上り終えて疲れも癒され大変ありがたかった。ここでは石垣島で一番有名な川平湾や遠くに見える県内最高峰の於茂登岳(おもとだけ)も見ることができるので記念撮影の場所としてもおすすめである。

昼食の場所となった米原キャンプ場内にあるエイドでは、石垣島のソウルフード・八重山そばのほか、石垣島のパインアップルやパンに酢漬け野菜と茹で玉子の具材を挟んだサンドイッチを提供してもらった。どれも美味しかったが食べ過ぎるとこのあとのライドがきつくなると思い、サンドイッチは半分くらい残すことにしてバックにしまって後半をスタートした。

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息子と私のほか数名は先導してくれたサポートライダーと共に前方を走っていたが、折り返しに到着する手前あたりから左足がピキピキいってつりかけたので冷や冷やしたが、休憩中にストレッチをしてなんとかしのぐことができた。

前半に比べて後半は足の疲労感はあるものの、一度通った道でもあるのでだいぶ余裕を持ってライドを楽しむことができた。ゴールまであと何キロとカウントダウンできたせいかも知れない。米原では一瞬雨雲が出て雨が降ったが、復路の道中は太陽が晴れ渡り汗ばむほどの好天となった。コース上帰りはエイドがなくゴールまで一気のライドとなったが何ヶ所かの上り坂を除けば比較的楽だった気がする。

こうして私と息子のはじめてのロングライドは怪我や故障もなく無事に終わった。息子にとってはサポートライダーとの出会いや完走できたこと、そして一番早いタイムでゴールできたことなど、貴重な経験となり自信もつけたことだと思う。

「努力は裏切らない」と言うと陳腐かも知れないが、今回故障もなくまあまあのタイムで完走できたのは日頃の練習の成果だったと思う。同じイベントが来年もあればまた出たいと思うが、ショートコースからロングコースに鞍替えするかどうかはまだ決めていないが、おそらくそうなると思う。

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