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家族愛が崩れた瞬間。

私は赤ちゃんの頃から2歳上の兄にとても愛されていた。

お昼寝中の私の横を母が通る度、兄は

「○○(私の名前)踏んじゃう!もっと離れて!!」

といつも私を守ってくれた。

そんな兄が私も大好きだった

けど私が生まれて6年後妹が生まれた

兄の私への愛情は徐々に妹へと偏っていくようになった

私はどうにか兄がこっちを見てくれるように   子供ながらに頑張った

けれど無理だった

兄は妹だけを構うようになり私との会話も減っていった

そして私は妹が嫌いになった

『末っ子はわがままに育つけどみんなに愛される』

その言葉は本当だった

母も父も妹をよりいっそう可愛がるようになった

兄だけでなく母も父も奪われてしまう……

頭が悪かった私は両親の注意を引くことが出来なかった

だからその代わりに家の手伝いを頑張った

小学一年生の春休みの時にはパート仕事を終える母のために煎餅汁を作って待っていた



洗濯物も自分でまわして、干して

お米を研いで、洗い物もやって

掃除もして、床を拭いて

弁当があったら弁当箱は自分で洗って

味噌汁を作って、食後の皿洗いもやって



それでも関心の的は妹だった


頭が良くて、生徒会にも所属して

クラスの人気者で、歌が上手くて、面白くて


その代わり妹は自分のことをなんにもやらない子だった


帰ってきた途端、私が掃除した部屋を汚し

食べたお菓子のゴミはそのまんま

洗濯物は溜める一方

弁当を母に作ってもらって、帰ってきても

洗い物にも出さない


でも、それでも愛されていた。

兄妹の中で一番愛されていた



私にはお年玉もくれず、お小遣いも家事の手伝いをしたご褒美としてたまに貰う程度だった


けど妹には何も求めずにお小遣いを易々と与えた。


「勉強頑張ったから」

「習字を頑張ったから」

挙句の果てには

「小遣い使ったから足さなきゃね」



私が母のために小遣いを崩し、誕生日プレゼントを用意してもお小遣いは増えることは無かった




妹が嫌いだ。

兄の愛を

母の愛を

父の愛を

独り占めし愛され続けているから



どんなに頑張っても私は妹以上に愛されることはないから

だから妹が嫌いだ。



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