文旦パワー？ファッションパワー？

それは、少し前のこと。

休みの前の日、「明日は休みだ♪あれして～、これして～、あっ、あれもしちゃおうっと！」とあれこれ計画して床についた私。その時は、ワクワクした気持ちでいっぱいだった。

…なのに。

休み当日の朝、身体は重いしなんとなくずっと眠たくて、何をするのも全くやる気が起きない。

毎朝楽しみにしている、コーヒーのハンドドリップさえする気にならない。

「どうしよう～」

せっかくの休み、なんとかして一つでも何かしたい。

何か一つでも、「今やりたいこと」を探そう。

そしてハッと思いついたのが、「昨日買っておいた文旦を食べること」。

私はとにかく柑橘系の果物に目がない。冬は手が黄色になるくらいみかんを食べたり、次は伊予柑、とにかくシーズンが終わるまで柑橘類を食べていたい。

正直、文旦はそんなに食べる方ではなかったけど、まだ店頭に柑橘系が並んでいるのが嬉しくて、思わず手に取ってしまった。

…変わらず身体もまぶたも思いが、なんだか藁にもすがる思いで文旦の皮を向く。

文旦の皮は厚い。一心不乱に皮を剥いて出てきた、プリップリ、シャッキシャキの瑞々しい中身にかぶりつく。

「美味しい～！！」

夢中で食べているうちに、ある変化に気付いた。

「あれ…？なんか、目が覚めてきた？？」

目が覚めてきたら、インスタグラムのチェックもしたくなってきた。

流れてくるのは、フォローしているファッション雑誌や好きな洋服屋さんの新作。

見ているだけで楽しい、素敵な服。そしてためいきが出るほどオシャレなスタイリング。眺めていると、更に変化が起きた。

「よし、掃除でもするか！！」

この後は、あら不思議。

家事もやりたいことも驚くほど進み、朝起きた時は考えられなかったぐらいの有意義な休日を過ごすことができた。

これが文旦の香りと味のおかげだったのか、それともファッションに刺激を受けたからなのか、それとも両方なのか分からない。

分からないけど、文旦、そしてファッション、ありがとう。