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算数の門

苦手意識はいつ生まれるのだろ。
苦手は永遠に苦手な時もあれば、得意に変わる時もある。
算数の門前でイヤイヤする孫とじぃちゃんのお話しです。

だいたい一週間に一度のペースで、下の孫を保育園へお迎えに行きます。
その予定を聞いた上の孫は、ボクと時間を過ごすために学童を早めに終えて帰宅してくれます。
二人の孫と一緒に過ごす時間は、学びに溢れた素敵な時間なのです。

タブレットやっておきなさい。

孫と一緒に孫の家にもどると
「かーちゃんがタブレットやっときって言ったからやらんとあかんね」
と、小さな声で耳元でささやくのです。
昔はタブレットで勉強する姿を自慢げに見せてくれたのに、最近は嫌になったらしい。
「タブレットやりたくないの?」
「3つの計算が嫌い」
「それって、どんな計算?見せて」
「嫌!、動かすとタイマーが動くから」
「計算する時間をタブレットが計ってるの?」
「遅いと点数が悪くなる」
「じゃ、一緒にやるから見せて」
「ええけど・・・・」と、イヤイヤスイッチを入れて画面が立ち上がる。
驚く速さでログインして、算数のボタンを押して、お勉強がスタート。
【3+2ー1】の問題が表示されていて、画面左上でタイマーが動いている。
「これがイヤやねん」
「なんで、イヤなん」
「2回計算しないといけないから」
「1回ならいいの」
「1回はいい、2回はイヤ」
孫は、1+1は2、1+2は3という二桁の足し算はスラスラとやっていたのに、3つの数字は苦手らしい。
「ノートに数字書いて計算したら、じぃちゃんが見ててあげるから」というと、ランドセルから自由帳を出してきて、計算を始めてくれた。
その姿を見ながら、これで算数を嫌いにならなければいいんだけど・・・どうしたらいいかな?と考え始めたのです。

始めてのお買い物

孫と8月の始め、福井県で合宿をしました。
親とは体験できないことをさせる、孫の社会勉強のようなものです。
今年のテーマは、お買い物でした。
去年の9月から、じぃちゃんからのお小遣いを貯めて、合宿で欲しいものは、そこからお金を出して買うのです。
お金は見たことはあるが、それで買い物をしたことない孫が初めて買ったものは「みたらし団子」でした。
SAで焼きたて1本130円の買う為にお財布を開いて、
「じぃちゃん、どれで買うの?」
「その銀色の100えん玉と、茶色い10円が3枚」
「これで130円になるの?」
「そうだよ、それをお店の人に渡したら買えるよ」
孫は初めて自分でかった「みたらし団子」がとても美味しかったのか、
「もう一本食べていい」
「自分のお財布で買うんだから買っていいよ」
そして、お財布を開いて「銀のコレが1枚と、茶色いのが3枚・・・・じぃちゃん、茶色いのが2枚しかないよ」
だったら「その真ん中に穴の空いた銀の50円でおつりもらえば・・・・」
「おつり・・・・・・・・」
「100円と50円で150円になるから、20円のおつりが返ってくるよ」
「へぇ~、やってみる」
そして、みたらし団子と10円玉を2枚持ってテーブルに戻って来て、
「2枚が、2枚になった・・・」
ボクは合宿でのこの出来事を鮮明に思い出し、ここに3つの計算を嫌いにならずに乗り越えるヒントが見えたのです。

そういえばボクも計算がきらいだった。

今でこそ、偉そうに計算の事をアレコレ言ったり、人の計算間違いについて教えたりしているのボクですが、中学の時に数学のテストで0点を3回とったことがある、計算が超苦手な人だった。
それが、中学3年受験前に家庭教師がついてみっちりと小学生の算数を復習したら、一気に計算ができるようになった。
ボクがつまづいていたのは「10のなりたち(ボクがつけた名前)」だったのです。
今、孫が嫌がっているその計算そのものだったような気がします。
10-3=7と3+7=10が一緒じゃなかったんです。
これって、勉強出来た人にはわからないだろうな。
これが、一緒に思えた瞬間に算数の門が開くのです。(ボクの場合ですが)
さて、孫にどうやって、この算数の門を開いてもらうのか?
じぃちゃんのchallengeが始まります。


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