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痛みと対話による癒やし~システム思考的な複雑系課題の解決方法~

こんにちは。榎本です。

以前こんなnoteを出しました。

ここでの主題は、システム思考的な複雑系の課題は従来の単純な<問題・原因・解決策>で解決しようとしても、解決が構造的に不可能であるということでした。そして解決の鍵は身体性と話しましたが、そこまで踏み込みができていなかったです。

今回のnoteではこうした問題の解決の糸口が見えたのでそちらを書いていきたいと思います。

身体の「痛み」の東洋医学的アプローチ

まず最初に東洋医学のアプローチを見ていきたいと思います。

最近僕は卓球をしていて、足首を痛めてしまいました。しかし、そのときはそこまで痛みを感じなかったんですが、毎日の日課のストレッチやヨガをして足首と対話していくとようやく痛みが出てきて、そこからゆっくりと身体にも委ねて治っていくのを感じています。

東洋医学の整体の先生曰く、そもそも「痛み」というのは身体がメッセージを発していると教えてくれました。
本当にひどい痛みのときは、身体がその痛みをかばって痛みすら気づかせないようにします。(他の部分が歪みとして出てくる)そして痛み自体の解決に向かう時はそこで初めて痛みをメッセージとして発する訳です。問題に無自覚なのが一番深刻な状態で、問題を自覚していればまだ痛みはあるという考えです。

そして、解決していく上での基本的な考えは身体との対話です。その痛みのある箇所をマッサージなどしながら、ここが本当は痛くなっていて、身体はかばってくれたいたんだな~と感じる、そしてある程度マッサージもしながらも無意識や身体性の自然治癒力に委ねていくと、自然と治っていきます。

また東洋医学では身体は全てつながっているので、痛めた箇所だけを治すのではなく、そこにつながってる原因のある箇所を統合的に癒やしていきます

西洋医学的な痛みのある箇所を特定して(足首が痛い)、原因を見つけ(筋肉が凝っている)、解決策を実行する(凝りをほぐす)というアプローチとは異なるのが理解できるかと思います。

※東洋医学的なアプローチを説明しておりますが、西洋医学を否定している訳ではないですし、全てを自然治癒で考えたり、ワクチンを否定するような考えではありません。上述の通り、近代的な問題解決のアプローチで解決できない問題に対するアプローチの話です。

複雑系・システム的課題の解決アプローチ

上述の東洋医学的アプローチのポイントは次の3つです。
・痛みを課題ではなくメッセージと捉える
・解決は複雑系と対話していく(複雑系に委ねる)ある種の癒やし
・癒やしはシステム全体と統合的に実施する

例えば組織開発の課題も非常に複雑系です。
「メンバーに主体性がない」
「マネジメントが足りていない」
「実行速度が遅い」
といった課題を持つ組織課題をヒアリングによって図式化したことがあります。

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ロジックツリーで整理したような課題よりはかなり複雑に見えますが、実はこれでも単純化するために簡略化をかなりしております。
この時の解決は無理矢理、西洋医学的なアプローチをしても意味がないと思い、東洋医学的なアプローチをとりました。

まずは、あがっていた主体性やマネジメントの課題を、課題ではなく「組織という複雑系からのメッセージ」と捉えました
その上で、「今組織がこういうメッセージを出しているか?」ということについて、メンバー全員で対話する機会を用意しました。
その上で問題のあり方について良い悪いではなく、メッセージとしての状態を認識します。

そしてこの問題について、組織開発担当の僕が何かをするのではなく、組織という複雑系に癒やしを委ねるやり方を取りました。
組織との対話はメンバーや組織構造という「痛み」に向き合うアプローチです。この時に難しいのは、組織は複数に人間のエゴなどが入り組んでいるので、リラックスした状態で力みを作らずに対話をじっくり重ねていくことです。その場つくりが僕の大きな役割となりました。

そうした課題を見ていくと、それぞれのメンバーやマネージャーが持っていた個別的な内面の深い痛みと向き合い、その総体として(システムとして)結果痛みというメッセージ=気づき・学習機会が得られることがわかりました。
※内面の痛みは案件特定につながるのであえて書きません。

そして癒やしはシステム全体と一緒にダンスやセッションをするように実施していきます。その中で得られた気づきを元にリフレクションを実施していくことをしました。
ここでは僕が第3者的な立ち位置で参画したことで、非常にフラットに力みなく癒やしを進めていくことができました。(この視点はメタ認知を座禅やマインドフルネスで進めることと近いと思います)
そうすることですが、本質的な改善が組織の内部からの自浄作用として進めることができました。

癒やしの展開

上記の例は組織開発をこのシステム思考的・複雑系の課題と見立てましたが、他にもこのようなシステム思考的課題や、複雑系的な課題は潜んでいるかと思います。

・身体や免疫
・組織や社会
・神経系や人間心理
など応用分野は多岐に渡るかと思います。

問題を問題と捉えることや、解決しようとすることで力みが生まれます。その力み自体が問題を引き起こしている場合、このようなアプローチを検討してみてください。

西洋医学の例でも伝えましたが、全てをこのようなアプローチを取ることを推奨している訳ではありません。例えば風邪やインフルエンザは病院に行くのが早いですし、すぐに案件を進めるときなどは外科的な組織変革のアプローチが良いと思います。

このアプローチに固執することも1つの力みになりますので、そこも自然体で臨んでみてください。


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