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生々しい仕事論~できる人が知っている仕事の本質~

こんにちは。今日は「仕事の本質」という偉そうなテーマについて探求したいと思います。
僕の周りの仕事ができる人は、知識というより身体でこれを知っていて、この原則に沿って仕事している人ばかりです。

皆さんも仕事で成果が出ないときに、この基本に立ち返って考えてみると良いかもしれません。

「仕事」とは何か?

仕事の定義は人によって様々かと思いますが、仕事=期待に応えること、と捉えるといろいろ本質的で理解がしやすいです。

期待の構造

これをドラッカーは「貢献」という概念で説明しました。

貢献に焦点をあわせることによって、自らの専門分野だけでなく、組織全体の成果に注意を向けるようになる。
成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けるようになる。

「経営者の条件」 P.F.ドラッカー

■仕事と経済

引いて言えば、「経済」は「期待」をし合う「仕事」の交換、それにともなう社会的関係(期待を交換し合う明示・非明示的な契約の総体)とも言えます。
つまり、会社で仕事をするのも「この仕事ができる人材がほしい(期待)」と「この仕事にはこのくらいの給料がほしい(期待)」を交換しているんですね。
家の中の家事も同じです。金銭的報酬による交換は大抵の場合起きていないかと思いますが。

■仕事の構造と焦点

この関係性を構造にすると次のようになります。

仕事の構造

大抵の人は、「タスク」や「仕事」に焦点が当たってますが、「期待」に焦点を当てることが重要です。

例えば、ビジネス組織では「顧客(エンドユーザー)」の期待に応えることを事業で実施しております。
つまりこれは、エンドユーザーの期待を経営者が応えているということです。経営者がその期待を一人では応えられないので、分解をして部署を作って応えていく形にしているのが「組織」です。
つまり、最終的な「期待」にフォーカスするとなると、顧客の期待まで遡って考え、社長や上司がなんと言ってようと、期待にフォーカスして意見をしていくべきです。

「完了」とマネジメント

次にこの「期待」に応えていくために、「完了」とマネジメントについて考えていきます。

■完了とはなにか?

「完了」というのは、「期待」に応えられていることです。この状態を「完了状態」として定義して、期待に応えていることはこういうことですよね?というのを調整することが「マネジメント」と言います。

「完了」と「終了」は違います。

例:恋人が誕生日で記念にプレゼントがほしい(期待)

「終了」:誕生日の3ヶ月後に欲しがっていたブランドのセーターをプレゼント
「完了」:ほしいブランドではないけど、セーターを誕生日にサプライズプレゼント

「期待」は人によって違いますが、おそらく「終了」と「完了」だと、「完了」のほうが期待に応えられているな?と感じるのではないでしょうか?

■期待の要素

次に「完了」に持っていくために、期待というものを正確に捉えていきます。
期待は次の4つの要素で考えると良いです。

期待の要素
・スコープ(期待の種類)
・品質
・コスト
・納期

先程の誕生日プレゼントの例だと、次のようになります。

例:誕生日プレゼントがほしい恋人の期待
・スコープ:誕生日プレゼント
・品質:プレゼントをくれる気持ちが嬉しい
・コスト:高すぎてもお返しに気を使うし、安いとがっかり
・納期:誕生日当日が絶対大事!

このように見ていくと、「期待」によって重要な要素が違うことがわかります。このように「期待」を正確に捉えるために、この要素で理解することが大事です。

ちなみに、この期待の要素は「うまい・やすい・はやい」で有名な吉野家のキャッチコピーでもあります。

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※プロジェクトマネジメントの世界では、QCD(Quolity,Cost,Delivery)と呼ばれています。

■期待を調整して、完了させること=マネジメント

さて、このように「期待」を正確に捉えて「完了」を常に希望通りできればいいのですが、現実ではそうはいきません。
現実はトレードオフだからです。いくらでも予算があって、納期もどこまでも先延ばしできて、やることの範囲も決めれて、低品質でも良い訳ではないんです。(丸投げではいけません)

なので、トレードオフを理解して期待の要素を調整して「完了」に持っていく必要があります。
完了でない場合は、期待はずれ=終了になります。

例:恋人の誕生日プレゼント
あなた「最近欲しいものある?」
恋人「●●のブランドのセータが欲しいな~」:スコープ・品質
あなた「結構高いよね。5万くらい?」:コスト
恋人「そうなんだよね~。だから中々手が出ない」
あなた「セーターが欲しいのって寒くなるから?」
恋人「そうそう、今のセーターが破けちゃって冬来るし。」:品質
あなた(プレゼントは絶対当日でロマンチックな方が良いよな):納期
あなた「でもさ、例えば■■のセーターも手頃だし可愛いよね。」:マネジメント
恋人「たしかに!絶対●●って訳ではなくて、ああいうデザインがいいってだけなんだよね」:期待の明確化

そもそも誕生日プレゼントはこのようにコミュニケーション取ること自体良くないというケースを除くと、全ての要望を叶えることはトレードオフでできないわけですね。
例えば、予算オーバーだけど3ヶ月かけてアルバイトをして渡すこともできますが、それは相手にとっての期待の重要な要素「納期」を理解していないんです。

この部分の期待を調整して、現実的に「完了」に持っていくことをマネジメントといいます。

期待の「深さ」:
この期待は自分で認識している顕在的なものもあれば、潜在的で自分すら自覚していない期待があります。
新規事業などが難しいのは、このように言語化されない期待のため、そこを察しながら調整することが必要だからです。
この期待を「インサイト」と言います。

※クレーマーに注意:
期待値をうまく調整しないで、とにかく高い要望だけを望むクレーマー化には要注意です。マネジメントはトレードオフの上で、妥協させるべきことには妥協させることです。

「マネジメント」の基本スキル

さて、仕事が期待に応えることであり、それに応える=「完了」のためにマネジメントが必要なことがわかりました。
そうした時に、どのようなスキルが必要になるでしょうか?

こうした次のような関係になると思います。依頼者とあなたに加えて、あなただけでできないことは仲間に、再度依頼するような構造です。

必要なスキル

そうなると次の4つのスキルが必要になるはずです。

・期待を正確に捉える
・期待に応える実行力を身につける
・チームワークする
・上記自体の改善をする振り返り

■期待を正確に捉える

まずは「期待」を正確に捉えて行く必要があります。そしてそのために何をすべきか?を定義する必要があります。
先程話した潜在的な「期待」やクリエイティブな解決ではなく、まずは汎用的で習得可能なスキルでいくと、ロジカルシンキングをおすすめします。
ロジカルなコミュニケーションで的確に状況を整理して、問題解決によってやるべきことを明確にします。

次のような本がおすすめです。

■期待に応える実行力を身につける

期待とやるべきことがわかったら「実行」しなくてはいけません。ビジネスで成果を上げる人は99%「実行力」が優れています

実行力にはタスクマネジメント・タイムマネジメントが重要になります。
それには次のような本がおすすめです。

■チームワークする

実際に一人でできることはほとんどないので、チームワークをする必要があります。そこでは社内政治や変な人がいない限りは、仕事に関して適切なコミュニケーションを取ることが重要になります。

ここで重要になるのは「役割分担」「アサーティブコミュニケーション」などですが、どれも実践の中で身につけていかないと難しいです。ポイントはお互いの仕事に対して役割を明確にしておくことと、それでも認識ズレが起きたらアサーティブにコミュニケーションを取ることです。

NLPという考え方があり、こちらを身に着けてみるのも良いかも知れません。

■振り返り

このようにしていても実は成果を出すのは難しいかもしれません。なぜなら、「期待が明確」で「実行力」があって「チームワーク」ができても、専門的な仕事はスキルがないとできないからです。
そこで、自分に足りないものを見つけて成長していく振り返りが非常に大事になります。

これも一概に身につけられるスキルではないのですが、次のようなコーチングサービスなどを受けてみても良いかも知れません。

僕はメタ認知力を高めることをおすすめしているので、座禅やマインドフルネスなどもおすすめです。

※こちらも本を読むことでかえって逆効果になるケースがあるのでご紹介はなしでまずは実践してみることをおすすめします。

おわりに

いかがでしたでしょうか?普段新卒やプロジェクトマネジメントなどでご説明している内容をnoteで改めてまとめてみました。

こういった基本や原則にそって進めることが変化の激しい時代だからこそ、とても大事だな~と感じます。
普段はこれに加えて、それぞれのロジカルシンキング、タスク管理、チームワーク、振り返りなどの勉強会をしてキャリア設計などについても研修しておりますが、こちらも気が向いたらシェアしたいと思います。

ではでは~。





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