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アフターコロナ、ニューノーマルの新しいパラダイムシフトでやってくる「複雑系思考」

こんにちは。榎本です。
最近、時代の転機みたいなものを強く感じていて、それに関してまとめていきたいと思います。

今起きている変化

ここでは、今起きているトレンドのようなものを改めて見ていきたいと思います。

■少子高齢化
まず各先進国が現在課題となっているのがこちらです。人口オーナス期と言いますが、少ない働き手で高齢者を支えなければいけず、社会保障の問題など出てきます。人口ボーナス期(働き手が多く、高齢者が少ない)では長時間で均質的な人を生産して働いてもらうことが有効でしたが、人口オーナス期ではできるだけ多様な働き手が、生産性高く働くことが大事になります。

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■VUCA
次に世界的に言われているのが、VUCAです。VUCAとは状況が変化して予測が困難になっていることを意味し、「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」という、4つの単語の頭文字から成ります。

■リベラル化(フラット化・グローバル化・SDGs)→多様化
次に大きな流れですが、世界はフラット化して距離の壁や言語の壁といったものがますますなくなっていきます。人種や性別、宗教による差別みたいなものもなくなっていきますし、国家という枠を超えて活躍をしたりしていき、その結果フラットに人は判断されていきます。
そしてこれによって、多様化が広がっていることが重要です。

■長寿化
次のよく言われているのが寿命が伸びるということです。人生100年時代なんかとも言われてますよね。これの大きな問題は個人のライフスタイルが長くなり、長く働くことが必要になるということもありますし、国家にとっては先程の少子高齢化と合わせて、さらに社会保障的な意味での危機が近づいているということです。

■テクノロジーの進化→個人の時代
次に主にITテクノロジーの進化は「個」の力を強くしました。今まで組織がパワーを持っていたところから、「個」がインターネットを通じて情報発信することで力関係が変わりました。

ニュートン科学から複雑系科学へのパラダイムシフト

ここまでの流れを少し強引ですがまとめると、ニュートン科学から複雑系科学へのパラダイムシフトが起きていると思います。

ニュートン科学的なパラダイムとは、要素還元主義的な考えで、論理的に問題を分解して、原因を取り除いていけば、目的が達成されるような考えです。
こうした考えを持っていると、トップの論理的に思考できる人が戦略を立てていき、ヒエラルキー的な思考が生まれますし、非常に線形的な思考になります。
こうした考えでは、均質な人の方がマーケティングもしやすいですし、みんなが一律の働き方(学校→会社→引退)のほうが良くなります。

科学の世界ではすでに50,60年ほど前から言われてきておりますが、複雑系科学という動きがあります。
これは、上記のような要素を分解して進めるのではなく、全体を統合してシステム思考的に見ていくことです。
システム思考とは全体がシステムとして、予想できない動きがどうしても出てきてしまうという考え方です。これはまさに、多様な人が増えてきて、過去の予測が通用せず、複雑な時代になってきてる中での思考法です。
この考え方は、実際の科学では自己組織化など難しいですが、本来の本質的な目的に気づき、「学習」に重きを置いて世界からのフィードバックに合わせて「適応していく」ことが重要です。

複雑系科学のパラダイムでの心がけること

さて結論が先になってしまいますが、そんな複雑系科学のパラダイムで心がけることを次のようにまとめます。

・物事の本質や、変わらない部分に目を向ける(教養や歴史、自己理解)
・学習・適応をすることを基本スタンスにする(試行錯誤、変化)
・世界にオープンに、身体性を使って感じとる
※ニュートン科学で利用できる考えは利用(分散、ポートフォリオ化)

まずはますます変化の激しい時代だからこそ、変わらないもの=本質を理解することは大事になります。
これは社会に対しては教養と言われるような、歴史についての理解になると思いますし、自分に対しては「何者なのか?」という問いに応えることが長い人生でいろいろな選択肢が広がるキャリアの中で重要になると言えます。

社会の潮流はなにか?原理原則からいったときどうなるか?
自分の強みは?自分がやりたいことは?ということです。
自分のやりたいことでないと、そもそも人生100年時代でずっとやりたくないことを続けるのも現実的ではなくなると思います。

そして次に大事なのが、学習・適応です。
事前に計算や設計をして計画に時間を使うのではなく、まずはやってみてそれの反応を見て方向修正をする。
試行錯誤をしていく中で、そこで発見したことも自分の学びとして進んでいくスタイルが重要です。

最後に、「言葉」や「論理」だけでなく「身体性」や「無意識」も大事にして世界からのフィードバックを感じ取ることをしていくと良いと思います。
世界にオープンに発信していって、そこからの体感を重視していく姿勢はそもそも複雑系科学的な考えをしていた東洋思想の考えに近いです。身体や無意識は非常にうまくできていて、ニュートン科学では軽視されてきましたが、これからはそこともうまくダンスしていくことが必要になります。
またニュートン科学は「閉じた系」という発想をしまう。分解して部分に分けてそれを合わせれば全体も予測できるという考え方ですが、そもそもこれが成立しません。「閉じた系」として個人を分けるのではなく、僕たちも全体の一部なので、全体の流れは身体性に働きかけつながることで見えてくるということです。

※ニュートン科学の方法論の中にもこの時代で使えるものもあります。分散化してリスクヘッジするためのポートフォリオ化することや、すべてを「資産」として考える発想や、スモールに検証してみて進めるなど活用してみてください。

「正解」のその先へ

さてここまで、新しいパラダイムではこれが「正解」になる、という話をしておりましたが、複雑系科学の難しいところはそういった発想はニュートン科学的になるということです。

つまり、座禅で「考えないこと」をしようとして考えてしまう、ような問題があり、単純に解決ができないという問題です。

今回の件についても、次のようなケースが出てきそうです。

「教養を身に着けないと!」
「自分らしく生きないと!」
「学習しないと!適応しないと!」
「身体性で言葉は手放さないと!」

賢い方は気づいているかもしれませんが、本末転倒です。
自分らしく生きるというのは、そうしなければいけないからするものではなく、自然体であれば自然と人は多様なものだからです。

故に、こういった「正解」を新しく求めようとすること自体がすでに古いパラダイムの発想なのかもしれません。

これについては次のようなnoteでまた考えをまとめてますが、言葉で伝えてもまた、「正解を求めるやり方ではいけないので、正解を求めないように!」というまた「正解」を求めてしまうので、人間というのは生きづらい生き物です(笑)

ではでは~

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