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佐内正史撮影、筧美和子写真集『ゴーみぃー』を買ってみた。

僕らの世代はやっぱり佐内正史に憧れがあるし、写真を始めたきっかけになった人も多いはず。
僕もその中の1人で、その辺に放置されているホースやガードレールに惹かれたりするのは、間違いなく佐内さんの作品を見てなかったらそういう感覚は無かった気がする。
とにかく97年に発表された「生きている」は何気ない日常が、さらに何気なくなり、それがとにかく心地いいというか、今思えば。なんだろ写真の価値観が変わるような作品だった。
とはいえ、僕の貧乏生活の中で売ってしまい。少し前に買い直そうとしたら25000円ほどになっていて、いまだに買い戻しできていない。その後に発表された作品も正直持っていない。今持っているのはReluxという雑誌で連載されていたポートレートをまとめた「君になりたい」を少し前に古本屋で安く売っていたものが一冊だけで、なんとなく申し訳ない。。。。。

この「君になりたいに」影響された人も間違いなく多くいるはずで、こういうのが撮りたいって僕も思ったことを覚えている。
でも意外と佐内正史が誰か1人を撮り下ろした写真集ってのは清水富美加とか安倍なつみとか、綾瀬はるかもあったかもだけど、そこまで多くはない気がする。
むしろミュージシャンのジャケットやアーティスト写真を撮っているイメージが強かったりもする。BRUTUSの表紙とかで撮っているイメージもあるけど、(蒼井優の表紙のBRUTUS最高だった。https://www.fujisan.co.jp/product/2332/b/87978/)
一冊まるまる1人を撮り下ろしている写真集は結構貴重な気がする。

そんな佐内正史が1人の被写体を撮り下ろした写真集が発売された、それが筧美和子写真集「ゴーみぃー」。




筧美和子の方から依頼したそうだ。でもなんだろ、筧美和子というちょうどいい感じ。たぶんだけど、これが橋本環奈とか今田美桜とか言われたら買ってない気がする。橋本環奈とか今田美桜が好きじゃないとか、そういうのではなく、なんだろ、とにかく筧美和子がちょうどいいって感じたし、今の自分を佐内正史に撮ってもらいたいを思った筧美和子がとても魅力的に感じた。

ということで買ってみたわけなんだけど、ほんと良かった。佐内正史と筧美和子の
距離感というか、とにかく筧美和子が魅力的に見えるし、すっと入り込んでくる感じが佐内さんらしいというか、まあわからないけど、わからないでもいい感じというか、、、

写真は今でも多分PENTAX67とかで撮っているんだろうから、ピンとが外れていたり、ブレてたり、半目的なものもあったりなんだけど、こういうのを見ると、ピントが合っている写真と同等の意味があることがよく分かる。
ほんと今のカメラって適当にとってもガチピンだし、たまにピントが外れていると失敗的に思われる。でも無数にピントが合ってる写真の中に外しているものがあると、本当は意味のある写真なのに弾かれることが多い。
フィルムで撮ると同じカットを何枚も何枚も撮ることはあまりないので、ピントが外れていても写真としていいかどうかの判断がしやすいし、それが最終的に特に写真集となったときに全体的な世界観を作れる気がする。

普通のタレントの写真集って良い悪いじゃなくて、旬を撮るものが多く、そのタレントの旬が過ぎると、なんだかただの写真になる気がするんだけど、この「ゴーみぃー」はいつになって見返してもいい写真集な気がするし、佐内正史が撮る写真ってそういうものが多いのは間違いない。

そういえば、撮影の時の話の動画が上がってるんだけど、これも面白いし、
佐内さんってほんと面白いというか魅力的な人だなと思う。
それが写真に現れていてほんとカメラマンではなくて写真家だなと思う。

何度か話をさせてもらうことがあったんだけど、空気みたいなのに存在感がある感じが唯一無二だった。


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