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森林は日本を救えるか?

約3年にわたって世界中を混乱の極みに陥れた新型コロナも2023年になってようやく共生? 共存?できそうな様子になってきました。
でも、これで世界も日本もオールオッケー!となるわけではなく、
新型コロナに主役の座を奪われていただけで、
地球が、そして日本が抱える社会間問題は年々増加の一途。
橋田寿賀子のドラマ「渡る世間は鬼ばかり」(古っ)や、
ブルースウィルスの「ダイハード」(これも古っ)も真っ青になるほど、様々な厄介事が、わらわらと湧いてきています。

いま、日本を取り巻く社会問題

いま、日本を取り巻く社会問題と思えるものを、思いつくままに挙げてみても…なんだかとても気が滅入ってしまいますね。

でも、改めてひとつひとつの課題を眺めてみて気が付いたことがあります。

100年で3倍という人口増加が引き起こした歪

これらの課題は、
それぞれがある日突然、問題として浮上したのではなく、
いろいろな無理や歪が、長い間に澱のように少しずつ溜まり、
平成の時代に悪腫のごとく目に見える形で現れ、
今に到ったという感じではないでしょうか。

その一つの要因が、急激な人口増加にあると思います。

日本の人口は、1900年に4385万人だったのが、
第二次世界大戦が終わった 1945年には7200万人
2004年に12,784万人と急増しました。

今、直面している課題の大半は、
「わずか100年で3倍に膨れあがった人口が引き起こした歪やそのツケ」
大きな原因です。

100年前の日本と100年後の日本

それ以前、1900年ごろ=明治時代の中ごろ(明治33年)
ちょうど、日清戦争(1894~95年)と日露戦争(1904~05年)の間の時期で、
日本が農業中心の国から工業中心の国に変わろうとしていた時代であり、
国際社会にも認知されはじめた頃です。

自動車はまだ実験段階で、道には路面電車や人力車が行き交い、
日本で初めてエレベーター付きのビルや公衆電話ができた頃。
家庭に電気やガス、水道などはまだ普及せず、
水は井戸から汲み、食事や風呂は薪や炭を使い、灯りはランプだった頃。

東京など都市部に人口が集まりつつあったものの、
日本人の大半は田舎-身近な森や林を生活基盤の中に取り込んだ「里山」-に住んでおり、
田畑や森林から食料と生活物資を得ながら、
3世代の家族と村というコミュニティを中心とした「循環型の社会を形成」していました。

そして今、日本の人口は減少に転じています。

2004年に12,784万人となった人口は、それをピークに減少に転じています。
いま、少子化が問題視され、今更ながらの子育て支援の議論が盛んになっていますが、
現状の推計では、 2100年の日本の人口は 4771万人とピーク時の1/3
1900年ごろのレベルに逆戻りするといわれています。

我が国における総人口の長期的推移 - 総務省 より

先に挙げた社会課題の解決は並大抵のことではありませんが、
今までの100年の延長線上で解決の道筋を考えるのではなく、
「100年前の社会から学ぶことはないだろうか?」
「人口が1/3のだったとしたら、最適解は何だろう?」

という観点で見つめなおしてみるのもアリなのではと思っています。

「森林」のポテンシャルに期待したい

そう考えたとき、私は、
100年前の循環型社会の大きな構成要素であった森林が、
そして森林が持っているポテンシャルが、
なにか答えを教えてくれるのでは?という期待を持っています。

日本は国土の2/3が森林であり、その半分弱は戦後植林された人工林で、今、木材として「伐り頃」を迎えています。

安価な輸入材による国産材の価格下落・担い手の減少・高齢化による林業衰退により、人工林は「不良債権」的な扱いを受けている面もありますが、
森林の持つポテンシャルを発揮することにより、
社会問題解決の切り札になる可能性を持った「優良債権」
になるかもしれません。

そんな期待を込めて、
森や木と社会課題まつわる話題や木や森に関心を持ってもらえるような話題を、里山から焚き木にする柴を拾うように、少しずつ拾い綴っていきたいと思っています。

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