見出し画像

意識高い系会社員がインバスケット昇進試験で不合格になる5つの理由

はじめに

 私自身、大手製造業の会社に勤務しており、どちらかと言えば意識低く仕事はそこそこに過ごしている社員です。そんな私ですがインバスケット昇進試験に挑み一発で合格しましたが、一方で意識高い系の社員は多数不合格になっていました。今回は仕事一筋で意識高い会社員人生を過ごしながらも不合格になった同僚の普段の様子から、意識高い系会社員の不合格になりやすい特徴について5点まとめていきます。

インバスケット試験の前提

 インバスケット試験については過去の記事でも説明していますが、”究極の判断力を身につけるインバスケット思考”からの引用を見るとわかりやすいです。

「インバスケット」は、1950年代にアメリカ空軍で生まれたトレーニングツールで、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、多くの未処理案件の処理を行うビジネスゲームです。現在、日本では一流と呼ばれる大手企業の多くが、管理職の教育や選抜用のテストとして活用しています。
「とにかく多くの案件に優先度をつけて処理すれば良いのか」と捉えられるかもしれませんが、インバスケットは、ただ数量的な案件処理だけを求めらえるわけではありません。

上の引用も踏まえると以下2点を問われていると考えられます。
・制限時間内に優先案件を判断できるか
・管理職としての適切があるか

個人のプレイヤーとして各案件に100点として答えることは特に求められていないことがわかります。

それでは、以下に意識高い系会社員が不合格になった理由を説明していきます。

理由1:部下に任せない

 まず初めに、意識高い人は各案件を部下に任せずに自身で処理してしまう点が挙げられます。意識高く仕事に取り組んできた人は、その経験・自信から主体的に課題に対処することが多いです。しかしインバスケット試験はマネージャーとして人を組織して解決する試験です。試験中も独力で解決しようとする傾向が出てしまうと、加点対象となる回答を書けないケースもあります。
 管理職(マネージャー)とは何かは"マネジメント[エッセンシャル版]"参照にするのがオススメです。

理由2:自身の立場を超えた回答

 インバスケット試験での回答は、あくまで自身が配属された立場で実行できる現実的な課題設定・解決方法が求められています。しかし意識高い会社員は何においても理想的な姿を追い求めがちで、理想を求めすぎて社長レベルでなければできないことも実行するような回答を書いてしまいます。
ちなみに「落とされない小論文」でも
"小論文の重大ミスランキング第一位 問題文の指示に正しく答えていない"
とされています。ありがちなミスではありますが意識が高いほど気が付きにくいのかもしれません。

理由3 :ハイレベル過ぎて内容が抽象的

 意識が高いと物事の根本まで理解して抽象度の高い万物に当てはまるようなソリューションを導くことができます。しかし、それ故に抽象的で何を言っているかが伝わりにくくなってしまいます。
 ただ、具体的に書くというのはどの様な試験でも非常に重要で、「落とされない小論文」という書籍でも"小論文の重大ミスランキング第2位 「具体的な言葉」で書けていない"がよくあるミスとして挙げられています。

理由4:高得点の回答を狙いすぎて時間切れ

 何でも最高レベルの答えに行き着きたいのが意識高い系会社員。高得点の回答を狙うあまり次のようなミスを犯してしまいます。
① 問題を読みすぎ
 試験時間的に各案件の問題文を全部読んでいる時間はなく、取捨選択する必要があります。しかし、1つの設問ごとに高得点を狙う意識高い社員は読み込んでしまい時間切れになります。
② 関連課題を整理しすぎ
 インバスケット試験は課題同士が関連していることがあり、その関連も適切に整理していることが得点をとるための要素の一つです。ただし、関連がわかっておらずとも得点が減るだけで0点になるわけでは無いです。
一方で意識高い会社員はその関連の見落としに耐えられません。そのため、何度も何度も各案件を見直して相関関係を完璧に整理します。ただし、そのために貴重な時間を使い切ってしまい、十分な回答を作成する時間がなくなってしまいます。

理由5:事実と仮説の取り違い

 次に事実と仮説を取り違えることがあります。問題が発生した時の原因分析に仮説・推測をもとに原因のあたりをつける事に慣れているのが意識高い系会社員。昇進試験を受けられる程のキャリアを積んでいると、仮説・推測の精度も高くなり実際の原因を高確率で当てられる様になっています。しかしそれゆえに試験中でもその仮説・推測をあたかも事実かの様に扱ってしまうことがあります。
 インバスケット試験ではあくまで外部の人間が採点するものなので、事実に無いことを書いてしまうと評価対象にはなりません。

まとめ

 今回は私の周囲の意識高い系社員でインバスケット試験に不合格になった方々を分析した結果をまとめて、「意識高い系会社員がインバスケット昇進試験で不合格になる5つの理由」というテーマで記載しました。
 この逆を行けばそれなりに試験に失敗しないようになるかと思います。ただし、インバスケット試験は頭に入れるだけでなく実際に何度も問題を解いて回答に慣れることが重要かと思っています。
 以下の記事には問題を解く上で無駄なところでつまずかないように回答のフォームなどを定義してまとめたので、そちらもご覧ください。


また、問題を解いてはみたものの、自分一人では合っているか不安という方に向けて、インバスケット試験の回答を添削するサービスも用意しております。興味のある方は以下もご覧ください。


以上、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?