「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」:バスターズリブート第2弾。オールドファンをどうつなぎとめるか戦略なのか?
評価:★★★
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)
コメディドラマの雄、アイヴァン・ライトマンが1984年に発表した「ゴーストバスターズ」。30代後半以上くらいの世代の方にとっては、公開当時の映画で観たという人より、金曜ロードショーをはじめ、1990年代のテレビ全盛の時代に自宅で(しかも吹替え版で)何度も見たという人のほうが逆に多いのかなと思います。そして続編は1989年に公開(「ゴーストバスターズ2」)。それから2000年代に入って、だいぶ間をおいて2016年に女性版のメンバーを主人公にしたリブート版「ゴーストバスターズ」(2016年)が公開。こちらも結構面白い作品でしたが、ライトマン監督はじめオールド作品の製作陣が全く関わらなかった作品でした。そして、アイヴァンと息子のジェイソン・ライトマン監督が共同で手掛け、80年代シリーズの正式な続編となった「ゴーストバスターズ アフターライフ」(2020年)が公開。80年代シリーズには登場し、当時故人となっていたハロルド・ライミスを(まさに笑)意外な形で再出演させるなど、オールドキャストも総出演となった懐かしさと、新しいキャスト陣で物語を再スタートさせた傑作となりました。そして、本作「ゴーストバスターズ フローズン・サマー」は、その正式リブート作の第2弾となります。
前作ではアメリカの片田舎から物語がスタートしたのに対し、本作はオールド作品と同じようにニューヨークが舞台となる形に。それでも前作と同じキャストで(子どもたちも少し成長した形で)スタートしているので、続編としては十分な合格点。それよりも本作の一番の目玉になるのは、舞台もそうなのですが、オールドキャストたちが前作以上にスクリーン所狭しと動き回っちゃうところ。おじさん・おばさんを通り越し、もういい年齢になっているおじいちゃん・おばあちゃんたちが、歳を取らないけど、昔懐かしマシュマロマンやゴーストたちとともに悪い霊たちに、新キャストたちとともに立ち向かっていきます、、、なんですが、ちょっとオールドキャストたちが前に出すぎですかね(笑)。特に後半のアクションシーンは、各メンバーがバラバラになりながらも、最後はまとまってバトルになるシーン(しかも懐かしの消防署の中で)になるのですが、ちょっと暑苦しいなと思ったのは僕だけじゃないと思います。。
前向きにみると、日本も高齢化社会なのだから、年配な方も現役世代に負けないようにバリバリ動くことも大事なんですが、ただ我が出すぎると、ただの老害といわれるので注意が必要です。前作はちょうどよいバランスを保っていた(もしかして、舞台をあえてニューヨークから外したこともその狙いがあったのかもですが)のに対し、今作はオールド色が逆に強く出すぎてしまって、ノスタルジーというよりは、新しいシリーズの話筋を少し壊してしまっているような気がします。これもジェイソン・ライトマンが監督を外れて、製作に回ったことも少し影響しているのかなと感じます(ちなみに、アイヴァン・ライトマンは2022年に故人になってしまっています)。とはいうものの、ゴーストたちの描写も楽しいし、各キャラも立っているので続編も楽しみです。
<鑑賞劇場>ユナイテッド・シネマ枚方にて
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