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「チャーリー」:人生(犬生?)わずかなパートナーとの旅物語。犬を出しておけばよいというお話の作り方が安易。。

<あらすじ>
職場でも自宅の近所でも、偏屈者として知られ、楽しみといえば酒と煙草とチャップリンの映画だけという孤独な日々を送るダルマ(ラクシット・シェッティ)。そんな彼の家に、悪徳ブリーダーの元から逃げ出してきた一匹のラブラドールの子犬が住み着くようになる。犬嫌いのダルマは何度も追い払おうとしたものの、少しずつ心を通わせるようになり、やがて“チャーリー”と名付けて自分の家に迎え入れる。やんちゃでイタズラ好きのチャーリーに振り回されながらも、楽しい日々を送っていた矢先、チャーリーが血管肉腫で余命わずかであることが判明。ダルマは、雪が好きなチャーリーに本物の雪景色を見せようと、サイドカーにチャーリーを乗せ、南インド・マイスールからヒマラヤを目指し、インド縦断の旅に出る……。

KINENOTEより

評価:★
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

人生救ってくれた犬・チャーリーとの犬生(人生?)わずかな中、雪を見たことのないチャーリーのためにインド縦断していくロード・ムービー。ご存じの通り、インドは映画大国ではありますが、同じく人口は15億人近くなっているという大国にもなっています。公用語はヒンディー語(約2億5000万人)となっていますが、その他にも600もの言語が使われていると言われており、主演のラクシット・シェッティはカンナダ語という約4000万人の人が使っている言語を使う人たちの映画界ではスター的な存在なのだとか。日本だと一地方、例えば、博多弁(&九州映画とか?)とかのスターという枠組みで捉えると何だか面白いなと思ってしまいます。

小さい頃から犬猫好きだった人にとっては、ペットを飼うことの楽しさだったり、逆に病気や亡くなったときの悲しみだったり(飼えなかった人にとっては、飼えなかった時の苦しみもあるかもですが)を感じることがあるかなと思います。僕も今はペットは飼っていませんが、小さい頃にお婆ちゃんの家に猫がいて、可愛がっていたのですが、生粋の猫アレルギーだった僕にとっては触っては目を腫らしていた覚えがあります(今考えると危険だったかも笑)。それから小学生の頃に、おねだりして近くの家から子犬をもらってきて育ててました(よくあるあるで、世話していたのは最初だけ💦)が、散歩中の事故で8歳くらい(僕が高校生くらいだったかな)で亡くし、しばらくは実家では飼っていなかったのですが、僕が大学で家を出るか出ないかの頃にまた一匹母親がもらってきて、そいつが結構長寿命で20年くらい(だから社会人になって帰省した時にもまだ元気だった)生きていました。その犬は老衰で長寿を全うしましたが、最後は目も白内障であまり見えず(犬は鼻で生きていることもあって、全然見かけは目が見えないことが分からなかったですが笑)、もちろん散歩中でも急に歩けなくなったりとかもあったりしましたが、ペットを通じて、子犬のときの可愛さ、成犬になったときのパートナー感、老犬になったときの死を前にする介護というお世話など、人の一生を短く追体験することは、家族なんですが、家族以上に生き方について考えさせられる体験だったなと思います。

そんな犬猫好きには、犬をテーマにした作品というのはちょっと見てしまう感があったりします。本作は多分、僕は初めてとなる犬をテーマにしたインド映画。インド映画らしいファンタジー感や、犬を連れたインド国内の旅など映画らしい見どころはたくさんあるのですが、、、ちょっとつまらないというか、現実味がないなと思ってしまうのは犬の描写。主人公・ダルマの飼い犬になっていくまでの、ダルマの人生観を変えるところまでは良いのですが、ダルマとの日常生活があっという間に終わってしまい、いきなりロードムービーに転換してしまうのが、ダルマとチャーリーとの絆が見えずらいところ。おまけにチャーリーの余命が短いという設定なのに、旅に出てからチャーリーの元気なこと(笑)。もちろん余命の長短と今、元気・元気でないというのは人でも、犬でも関係ないのですが、場面場面でふとこの旅の目的って何だったけ、、と思わさせることが何度もあるのです。インド映画ならではというか、上映時間も164分と結構長いので、少し白けてしまうとこの長さが苦痛になってしまう。。犬を出しておけばいい感が、ところどころあるところもすごく気になるポイントでした。。

<鑑賞劇場>MOVIX京都にて


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